ネズミは冬眠する?|家ネズミは冬も動き続ける。秋冬に家へ入ってくる理由と、冬の物音の読み方 | 害虫害獣駆除ナビ本記事にはプロモーションが含まれます。
ネズミは冬眠する?|家ネズミは冬も動き続ける。秋冬に家へ入ってくる理由と、冬の物音の読み方
公開 ネズミ
寒くなってきたころから、夜になると天井裏で物音がするようになった。反対に、秋まで聞こえていた音が冬になって急に止んだ。「ネズミは冬眠するのだろうか」と気になって調べている方も多いと思います。
結論から言うと、家の中に入ってくるネズミ(クマネズミ・ドブネズミ・ハツカネズミ)は冬眠しません。それどころか、寒さに弱いネズミは秋から冬にかけて、暖かい家の中へ入ってくることが知られています。東京都の資料によると、ネズミの被害相談は10月・11月をピークに、冬場は夏場より多くなります。
この記事では、東京都や区の保健所の資料をもとに、次の順で整理します。
- 家ネズミが冬眠しないこと(冬眠するのはどんな動物か)
- 秋から冬に家の中へ入ってくる理由
- 冬に物音が増えたとき・止んだときの読み方
- 冬だからこそ気をつけること
- 冬になる前に塞いでおきたい場所
家ネズミは冬眠しない
相談が増えるのは、むしろ秋から冬
東京都が区市町村の相談窓口向けにまとめた「ねずみについてよくある質問&回答集」には、「ねずみは寒くなると屋内に侵入すると聞いたが、本当か」という質問があります。回答は次のとおりです。
- 一般的には、寒くなる10〜11月ごろに暖かい民家に入り込むため相談が多くなり、外が暖かくなる3月ごろから少なくなると言われている
- 東京都で平成11〜15年度の月別の相談件数の平均を見ると、10月・11月がピークで、冬場の相談件数は夏場の1.5〜2倍程度になっている
- ただし季節の変動は「若干」で、1年を通じて相談件数は多い
冬になってネズミが姿を消すどころか、相談が増える時期に当たります。
「寒さに弱いから家に入る」と説明する自治体が多い
区の保健所も、冬にネズミが家に入ってくることを注意しています。
この記事の作成方針
複数の駆除事業者が公表している料金表と、環境省・自治体の公開情報をもとに作成しています。掲載している費用は目安であり、実際の金額は建物の構造・地域・被害状況により変動します。
| 目黒区・中野区 | ネズミは寒さに弱いため、冬期や夜に家の中に侵入してくる |
| 板橋区 | クマネズミは寒さにも弱く、東京近辺では冬季に屋外にすみ着けないとも言われている |
| 豊島区(池袋保健所) | クマネズミは寒さが苦手。ドブネズミはクマネズミに比べて比較的寒さにも強い |
冬眠する動物は、寒い時期に体温を下げて、ほとんど食べずに過ごします。一方、家ネズミについて目黒区は、胃袋が小さいため、しょっちゅう食べていなければならないとし、餌がなくなると寒いときで1日、暖かいときでも4〜5日で餓死するとしています(東京都の回答集にも同じ記述があります)。食べずに冬を越すような暮らし方ではなく、冬も餌と暖かい場所を求めて動き回っている、と考えてください。
冬眠するのは「ヤマネ」。野ネズミも冬眠しない
「ネズミが冬眠する」というイメージは、ヤマネから来ているのかもしれません。鹿児島県の天然記念物の紹介によると、ヤマネは山地の森林にすむ日本固有の小さな動物で、昆虫がいなくなる冬は、落ち葉や木の穴の中で冬眠します。国の天然記念物に指定されていて、家に住み着く家ネズミとは別の動物です。
野山にすむネズミも冬眠するとは限りません。北海道立総合研究機構(林業試験場)の資料は、エゾヤチネズミについて「冬眠をせず、雪の下で地表面を活発に活動している」ことが知られているとしています。
秋から冬に家の中へ入ってくる理由
暖かくて、巣を作れる場所がある
東京都の回答集は、ネズミは人の目に付きにくく、暖かい場所に、布切れや紙くずなどを集めて巣を作るとしています。クマネズミの場合、具体的には次のような場所です。
- 天井裏
- あまり使わない押入れ
- 壁の中(内壁と外壁の間には断熱材があり、雨風や外敵からも守られているので暖かく、絶好の営巣場所とされています)
- 冷蔵庫やテレビなどの家電製品の後ろ(放熱板があり暖かい)
東京都の「ねずみ防除指針」には、ネズミはコンクリートや板、地面の上で直接寝ると冷えるので、紙や布、ビニールなどを集めて巣にし、下に敷いたり、もぐりこんだりして寝る、と書かれています。さらに、ネズミの子は毛がなく体温調節がうまくできないので、巣材は欠かせないとされています。寒い時期ほど、暖かくて巣材が手に入る人の家は、ネズミにとって都合のよい場所になります。
家の中だけで暮らしているとは限らない
目黒区と中野区は、ネズミが「住みついて、ずっと家の中で生活すると思いがちですが、ほとんどの場合、屋内と屋外の出入りを繰り返しています」と説明しています。東京都多摩府中保健所の資料も、クマネズミは家と外を行き来していて、家を巣やえさ場にしているだけ、または運動場にしているだけの場合もある、としています。
さらに東京都の回答集は、ネズミは巣を作る場所と餌を食べる場所を分けて生活できるとしています。「食べ物はしまっているのに入られる」家は、もっぱら寝る場所として使われていると考えられる、という回答です。
このことは、冬の物音を読むときに大切になります。音が止んだからといって、家から出ていったとは限らず、外や隣の家と行き来しているだけのこともあるからです。
冬に物音が増えたとき・止んだときの読み方
音の様子から考えられること
東京都の回答集は、週に1回程度の音について、ネズミはさまざまな場所に入り込みながら活動していて、餌や巣の材料があり、外敵から守られた安全な場所であれば、そこに定着して繁殖場所にするとしています。冬に音がときどきする程度でも、放っておかずに片付けと侵入口探しを始めてください。
鳴き声は子ネズミの手がかり
東京都の「ねずみ防除指針」によると、クマネズミの大人はあまり鳴かないが、子どもはよく鳴くとされています。中野区も、鳴き声が聞こえる場合は複数いる可能性が高いとしています。
同じ指針の相談用のチェック表には、大小の糞が同じ場所で見つかれば、繁殖している可能性があるという項目もあります。鳴き声と大小の糞がそろうなら、家の中で子育てをしていると考えて、業者への相談を早めてください。
音が止んだら、痕跡で確かめる
- 糞を一度片付けて、数日後に同じ場所を見る:新しい糞が出ていれば、まだ出入りしている。東京都の指針のチェック表では、新しい糞は「生息の可能性」、古い糞だけなら「迷い込んだだけ」かもしれない、という見方をしています
- かじり跡や、壁際の黒いこすり跡が増えていないかを見る
- 嫌なにおいがしないかを確かめる:毒餌を使っていた場合、天井裏や壁の中で死んでいることがあります。東京都の回答集は、殺そ剤を食べたネズミがどこで死ぬかは限定されないとしています
なお、東京都の回答集によると、屋内のネズミは人に頼って生活しているので、人が寝静まった夜間や、留守で人がいない時間帯に活動することが多いとされています。年末年始の帰省や旅行で家を空けていた間だけ活発だった、ということもあり得ます。音がした時間帯もメモしておくと、判断の材料になります。
冬だからこそ気をつけること
暖かい家電の裏の巣と、電気火災
冬にネズミが巣を作りやすい「暖かい場所」の代表が、家電の裏です。東京都の「都民のためのねずみ防除読本」は、ネズミは冷蔵庫やテレビなどの電気機器の裏側など、発熱して暖かい場所に巣材を持ち込んで巣を作るとしています。その結果、巣の近くでかじられた電気コードがショートしたり、放熱板にかかった尿でスパークしたりして、電気機器が壊れたり、ひどいときには火災が起きたりします。
同じ読本には、東京消防庁のデータとして、ネズミが関係する火災の件数が令和5年に8件あったことが載っています。
冬の大掃除のついでに、冷蔵庫やテレビ、電子レンジの裏、配線のまわりに、紙くずやビニールが集められていないか、コードにかじり跡がないかを見てください。かじられたコードの見つけ方と、見つけたときにすることは、ネズミに電気コードをかじられたらにまとめています。
毒餌を使うなら冬に。ただしクマネズミには効きにくい
殺そ剤(毒餌)について、目黒区は、ネズミが屋根裏などで死んで腐ったり、ウジがわいたりするおそれがあるため、冬期以外の使用はおすすめできないとしています。川崎市も、使用は冬に限定するよう呼びかけています。
ただし、東京都の読本によると、住宅地で多いクマネズミは警戒心が非常に強く、殺そ剤も効きにくい種類です。毒餌やわなは「環境的防除(餌・巣材・出入りを断つこと)の補足」と位置づけられています。冬だから毒餌で片付く、とは考えないでください。市販品を選ぶときの考え方は、ネズミ駆除の市販グッズの選び方を参考にしてください。
中にいるうちに外を塞がない
冬前に侵入口を塞ぐときに気をつけたいのが、ネズミが家の中にいるうちに外側の出入り口を塞いでしまうことです。東京都の回答集は、隙間を塞いだ後に家の中に残ったネズミについて、屋内の餌の管理が完全なら餓死するが、家の中の状況がそのままなら、従来どおり生息し続けるとしています。どこで死ぬかも分からず、天井裏や壁の中で死ねば臭いの原因になります。
- 最初は内側(部屋の側)から塞いでいく
- 部屋ごとに区切って、ネズミの出ない部屋を作っていく
- 最後まで出る部屋に追い詰め、粘着トラップなどで捕まえる
- 最後に外側から塞ぐ
という順番を示しています。すでに家の中で音がしているなら、この順番で進めてください。
冬になる前に塞いでおきたい場所
まだ音がしていない家や、秋に一度入られて追い出せた家は、本格的に寒くなる前に、外につながる隙間を塞いでおくことが予防の中心になります。
どのくらいの隙間から入るか
指が入るくらいの隙間は、入られるものと考えて点検してください。
塞ぐ場所と方法
東京都の読本には、場所ごとの塞ぎ方が整理されています。
広い隙間に金網をかぶせる場合は、網目の幅が1cm以下のものを使うとされています。
見落としやすいのが雨戸の戸袋です。東京都の指針によると、戸袋の壁の上部には、濡れた雨戸が腐らないための通気用の隙間が2〜6cm程度開いていることがあり、ここから壁の中に入られることがあります。戸袋の中に糞があったり、通気口がかじり広げられていたりすれば、出入り口になっています。
屋根まわりや2階の外壁など高い場所の作業は、無理をせず業者に任せてください。東京都の読本も、天井裏や高所などの危険な場所は専門業者に頼んだほうがよい場合がある、としています。天井裏の侵入口の探し方は、次の記事で詳しく説明しています。
塞ぐのと一緒に、家のまわりを片付ける
冬前の点検では、隙間だけでなく、ネズミを引き寄せるものも片付けます。
- 家の壁沿いに物を置かない:東京都の回答集・読本とも、壁沿いの物はネズミの隠れ場所になるとしています
- 庭の柿や果樹は早めに収穫する:収穫残りを放置しない。木に登って実を取られる場合は、幹にブリキなどで帽子のつばのような輪を付ける(ねずみ返し)方法が紹介されています(東京都の回答集)
- 野鳥の餌台、ペットの餌、仏壇の供え物は夜に片付ける
- 巣の材料を片付ける:衣類や布製品はプラスチックなど丈夫な収納ケースに入れる。段ボールはかじられるので収納には向かない。不要な紙類や布類は処分する(東京都の読本)
- 空き家にする場合は、先に侵入口を塞ぐ:東京都の回答集は、人がいなくて静かで、巣材になる衣類や紙が残っている空き家は絶好の繁殖場所になるとしています。冬の間だけ実家を空ける、という場合も同じです
自分でできる対策を、種類の見分けから捕獲、最後の封鎖まで順に知りたい方は、次の記事にまとめています。
自分で塞げないとき・音が続くとき
次のどれかに当てはまるなら、自分で塞ぎ続けるより、業者に侵入口の調査から頼むほうが早く片付きます。
- 屋根まわりや2階など、侵入口が高い場所にある
- 侵入口がどこか見つからない
- 塞いでも、新しい糞や物音が止まらない
- 細く高い鳴き声がいくつも聞こえる、大小の糞がある(子育ての可能性)
- 配線をかじられた跡がある
東京都の回答集は、業者を選ぶ目安として、生息調査と、防除後の効果判定をきちんと行うこと、殺そ剤や粘着トラップだけでなく、餌・巣材・侵入口の対策(環境的防除)も行ったり指導したりすること、工事の内容を客にきちんと説明することを挙げています。費用の組み立ては、ネズミ駆除の費用相場で説明しています。
ネズミなど害獣の駆除の相談を受け付け、条件に合う駆除業者を紹介してくれる窓口があります。相談は24時間365日受け付けていて、現地調査と見積もりは無料です。対応は、宮城・関東・東海・北陸・関西の一部地域が中心です。
相談するときは、音がし始めた時期と時間帯、音がする場所、糞やかじり跡の写真を伝えると、調査の範囲が決めやすくなります。見積もりの内容に納得してから、契約するかどうかを決められます。
よくある質問
Q.冬になったら天井裏の音がしなくなりました。いなくなったのでしょうか。
いなくなったとは限りません。目黒区・中野区は、ネズミの多くは家の中と外の出入りを繰り返していると説明しています。糞を一度片付けて、数日後に新しい糞やかじり跡が出ていないかを確かめてください。毒餌を使っていた場合は、天井裏や壁の中で死んでいることもあるので、においにも注意してください。
Q.春になれば、ネズミは出ていきますか。
東京都の回答集によると、相談件数は外が暖かくなる3月ごろから少なくなると言われています。ただし季節の変動は若干で、1年を通じて相談は多いとされています。巣や餌場ができていれば、春以降も住み続けることがあります。暖かくなるのを待たずに、侵入口を探して塞いでください。
Q.マンションの高い階でもネズミは入ってきますか。
豊島区(池袋保健所)の資料は、クマネズミは建物の階数に関係なく、窓から入ってくることがあるとしています。電線や配管を伝って上り下りできるためです。窓を少し開けたままにしない、換気扇や配管まわりの隙間を確かめるなどの点検は、高い階でも必要です。集合住宅では、管理組合や管理会社と情報を共有してください。
Q.冬は毒餌を使うのに向いていると聞きました。
目黒区は、ネズミが屋根裏などで死んで腐るおそれがあるため、殺そ剤は冬期以外の使用はおすすめできないとしています。その意味で、使うなら冬が向いています。ただし、住宅に多いクマネズミは殺そ剤が効きにくく、東京都の読本は、毒餌やわなを餌・巣材・侵入口の対策の補足と位置づけています。ペットや子どもの誤食にも注意してください。
Q.寒い日は、家のネズミも動かなくなりますか。
家ネズミについて、東京都の回答集や目黒区は、餌がないと寒いときで1日で餓死するとしています。寒い時期も餌と暖かい場所を求めて活動していると考えてください。冬に姿を見かけない・音がしないのは、家の中の見えない場所や、人が寝静まった時間に動いているためかもしれません。
まとめ
まとめ
- 家に入ってくるネズミ(クマネズミ・ドブネズミ・ハツカネズミ)は冬眠しない。冬眠するのは山にすむヤマネで、家ネズミとは別の動物
- 寒さに弱いクマネズミは、10〜11月ごろに暖かい家の中へ入ってくる。東京都では冬場の相談件数が夏場の1.5〜2倍程度
- 多くのネズミは家の中と外を行き来している。冬に音が止んでも「いなくなった」と決めずに、新しい糞やかじり跡で確かめる
- 鳴き声がいくつも聞こえる、大小の糞があるなら、子育てを疑って早めに業者へ
- 本格的に寒くなる前に、戸袋・通気口・配管まわりなど外につながる隙間を塞ぐ。すでに中にいるなら、内側から塞いで最後に外側を塞ぐ
ネズミ
天井裏のネズミ駆除|音の頻度で住み着きを見分け、侵入口を塞ぐまでの手順と業者に任せる線