ネズミに電気コードをかじられたら|火事を防ぐ確認の順番と、使い続けてよいか・電気工事が要るかの見分け方 | 害虫害獣駆除ナビ本記事にはプロモーションが含まれます。
ネズミに電気コードをかじられたら|火事を防ぐ確認の順番と、使い続けてよいか・電気工事が要るかの見分け方
公開 ネズミ
冷蔵庫を動かしたら、裏の電源コードに細かい歯形が付いていた。天井裏をのぞいたら、配線の被覆がむけて銅線が見えていた。ネズミの被害の中で、いちばん急いで対処すべきなのが、この電気コード・配線のかじり跡です。糞や音と違って、火災につながるおそれがあるからです。
この記事では、製品事故を調べている NITE(製品評価技術基盤機構)や東京都の資料をもとに、かじられたコードを見つけたときに「今すぐ何をするか」「使い続けてよいか」「誰に直してもらうか」を、場所ごとに整理します。ネズミそのものの対策は、最後に配線を守る観点からまとめます。
かじられたコードは火事の原因になる
NITE に届いた事故の記録
NITE が 2017 年 8 月に公表した資料では、平成 24〜28 年度の 5 年間に集まった製品事故のうち、ネズミや鳥などの小動物とゴキブリなどの害虫による事故が 52 件あり、そのうちネズミによるものが 14 件でした。製品別に見ると、ネズミの事故は電気冷蔵庫が 5 件、ガス接続具(ガスホースなど)が 3 件などです。
事故例として、次のものが紹介されています。
- 冷蔵庫の背面から出火し、製品と周辺が焼けた。冷蔵庫の電源コードに歯形があり、ネズミがかじって断線し、ショートしたことで火災に至ったと考えられる(平成 28 年 7 月、徳島県)
それより前の 2013 年 6 月の NITE の資料でも、ネズミは電気冷蔵庫の背面の電源コードをかじってショートさせる傾向があると分析されています(平成 19〜23 年度の事故で、ネズミが関係した電気冷蔵庫の事故は 12 件)。
なぜ家電の裏が危ないのか
東京都の「ねずみについてよくある質問&回答集」は、クマネズミが天井裏や壁の中のほか、**冷蔵庫やテレビなどの家電製品の後ろ(放熱板があって暖かい)**に巣を作ると説明しています。そのため、家電の電気コードをネズミがかじってショートさせたときに、としています。
この記事の作成方針
複数の駆除事業者が公表している料金表と、環境省・自治体の公開情報をもとに作成しています。掲載している費用は目安であり、実際の金額は建物の構造・地域・被害状況により変動します。
巣に引火して火災を起こすことがある
つまり、かじられたコードのすぐそばに、紙くずや布切れでできた燃えやすい巣がある、という状態が起きやすいのです。
コードが傷むと何が起きるか
東京都生活文化局のまとめ(2019 年 4 月)によると、東京消防庁管内の平成 29 年の火災で、コードが発生源になった火災の要因は「電線が短絡(ショート)する」が 52 件(71.2%)、「半断線(コード内の芯線の一部が切れること)により発熱する」が 13 件(17.8%)でした。この資料自体はネズミの話ではありませんが、かじり跡はまさにこの「短絡」と「半断線」を起こす傷です。被覆が破れて芯線どうしが触れればショートし、芯線の一部が切れれば、残った部分に電流が集中して発熱します。
見つけたら、まずやること
かじり跡を見つけたときの順番です。ネズミの対策より先に、電気の安全を確保します。
プラグを抜くときは、コードを引っ張らずにプラグ本体を持ちます。被覆が破れたコードを素手でつかまないでください。
ガスホースを加えたのは、NITE の資料で、ネズミがかじってガスホースに穴が開き、漏れたガスに燃焼機器の火が引火した事故が報告されているからです。コンロや給湯器まわりのホースも、電気コードと一緒に確認してください。
引込線については、埼玉県が、引込線から火花が出たときは「電線に触らない、近づかない」「分電盤のブレーカーを切る」「電力会社へ連絡する」「火災の危険性がある場合は消防署へ連絡する」と案内しています。
かじられたコードの見つけ方
一か所でかじり跡が見つかったら、ほかの場所もかじられている前提で探します。NITE の 2013 年 12 月の資料は、家具の裏などを通しているコードは、ネズミがかじるなどで断線している場合があるので、定期的に点検するようにと呼びかけています。
家の中で見る場所
かじり跡は、被覆の表面に細い溝が並んだ歯形、被覆がささくれてむけた状態、芯線(銅線)が見えている状態など、進み具合で見た目が変わります。歯形だけで芯線が見えていなくても、中で芯線が傷んでいることがあるので、見た目が軽くても使い続けてよい理由にはなりません。
天井裏・床下を見るとき
天井裏は、点検口から懐中電灯で見える範囲にとどめます。配線を踏んだり、引っ張ったりしないでください。
- 点検口から見える配線の被覆に、むけた跡や歯形がないか
- 配線の近くに、糞や巣材、断熱材のほぐれた跡がないか
- 配線が壁や梁を貫通する部分のまわりに、かじられた穴がないか
「目に見えない場所」がかじられているサイン
壁の中や天井裏の配線は、目で確かめられない部分が大半です。NITE は、小動物が製品の内部に入り込むと、不意に電源が入る、スイッチが効かない、焦げ臭いにおいがするなどの異常が事故の予兆として見られることがあり、その場合は直ちに販売店や製造事業者に点検・修理を頼むよう案内しています。
家の配線については、次のような変化があれば、かじられている可能性を考えて電気工事店に相談します。
- ブレーカーが、以前より落ちやすくなった
- 照明がちらつく、特定のコンセントだけ使えない
- 壁や天井の一部から、焦げたにおいがする
- 天井裏で物音がする時期と、電気の不具合が出始めた時期が重なっている
使い続けてよいか、誰に直してもらうか
家電のコードは、メーカーか販売店へ
NITE は、電源コードを動かすと電源が入ったり消えたりする、コードの一部が熱くなるといった不具合があれば、使用を中止して製造事業者や販売店に修理を依頼するようにとしています。部分的に断線しているおそれがあり、使い続けると危険だからです。被覆がぼろぼろになっている場合も、ショートのおそれがあるので使用を中止するよう案内しています。
冷蔵庫のように止めると困る家電でも、歯形があるコードのまま使い続けるのは避けてください。修理を待つ間は、中の食品を保冷バッグに移すなどで対応します。
ビニールテープで巻いて直さない
かじられた部分をビニールテープで巻いたり、切って別のコードとねじってつないだりする補修はしないでください。NITE は、電源コードや配線器具を分解したり、改造したりしないようにと呼びかけ、コードの修理・改造でねじり接続などの不適切な接続をしたために、接続不良で異常に発熱して発火した事故が起きていると報告しています。テープで表面を覆っても、中で傷んだ芯線は元に戻りません。
延長コードやテーブルタップは、東京都生活文化局が「異変が見られる場合は、使用をやめて配線器具等を交換しましょう」と案内しています。かじられた延長コードは、直さずに買い替えてください。
屋内配線は、電気工事士でないと直せない
壁の中や天井裏の配線、コンセント、分電盤は、家の設備です。経済産業省によると、一般家庭の屋内配線などの電気工事は、電気工事士等の資格がなければ行うことができません(電気工事士法第 3 条)。資格がなくてもできるのは、差込み接続器やソケットにコードをつなぐ工事など、政令で決められた「軽微な工事」に限られます。
かじられた屋内配線をつなぎ直す、コンセントを交換する、といった作業は、自分ではできません。電気工事店に、どこで・どんなかじり跡を見つけたか、写真を見せて相談してください。点検の結果、かじられた配線の交換や、配線を通し直す工事が必要になることがあります。
車の配線をかじられたとき
ネズミは、人目に付きにくく暖かい場所に巣を作ります。屋外や車庫に置いた車のエンジンルームも、その条件に当てはまることがあります。
車の配線は、家の配線以上に自分で確かめるのが難しい場所です。次のような様子があれば、エンジンをかけるのを控えて、ディーラーや整備工場に点検を頼んでください。
- ボンネットを開けると、紙くず・枯れ草・布切れなどの巣材や、糞がある
- 警告灯が点く、エンジンがかかりにくいなど、急に不具合が出た
- エンジンルームから焦げたにおいがする
点検を頼むときは、ネズミの巣や糞を見たこと、車をどこに停めているかを伝えます。家の敷地にネズミがいる場合は、車庫まわりの餌になる物(ペットフード、生ごみ、野鳥の餌など)も片付けてください。
ネズミが電気コードをかじる理由
かじる理由を知っておくと、どこを守ればよいかが分かります。
- 歯が伸び続ける:名古屋市は、ネズミは門歯が一生伸び続けるので、いつも硬いものをかじると説明しています。コードは、食べ物でなくても、通り道にあればかじる対象になります
- 巣のそばにコードがある:先に書いたとおり、クマネズミは冷蔵庫やテレビの後ろなど暖かい場所に巣を作ります。巣のまわりのコードは、毎日のようにかじられる位置にあります
- 配線が通り道になる:東京都の「都民のためのねずみ防除読本」は、クマネズミは電線やパイプなどを伝って移動し、建物に入り込むと説明しています。天井裏や壁の中の配線は、そのまま通り道として使われます
つまり、ネズミがいる限り、コードだけを守っても別のものがかじられます。コードを守る工夫と、ネズミを家から出して入れないこと(侵入口の封鎖)は、セットで考えます。
再発を防ぐ:コードを守る
自分でできるのは、主に家電のコードと延長コードの守り方です。
市販のコード保護チューブやカバーを使う方法もあります。ただし、樹脂製のものはネズミにかじられることもあるので、カバーを付けたから点検しなくてよい、とはなりません。カバーの上から歯形が付いていないかを、点検のついでに確かめてください。
壁を貫通する部分や、天井裏の配線を金属の管で覆うといった、家の配線そのものを守る工事は、自分ではしないでください。たとえばエアコンの配線では、壁を貫通する部分に金属製の防護装置を付ける作業は、電気工事士の資格が必要な「電気工事」に分類されています(三重県の整理)。
再発を防ぐ:侵入口を塞ぐ
コードを守っても、ネズミが家の中にいる限り被害は続きます。根本の対策は、ネズミを追い出して侵入口を塞ぐことです。
東京都の「都民のためのねずみ防除読本」は、電気や電話線が外壁を貫通している部分のすき間を、不燃性のパテを詰めて塞ぐ方法を挙げています。そのうえで、電気配線が壁を貫通して配電盤につながる部分にすき間がある場合の修繕は危険なので、電気屋さんに頼むよう注意しています。
業者に任せる線
配線のかじり跡が見つかった時点で、ネズミの対策は「急ぐ案件」になります。次のどれかに当てはまったら、自分で続けるより業者に調べてもらうほうが確実です。
- 天井裏や壁の中の配線がかじられている
- かじり跡が何か所もある、家電の裏に巣がある
- 侵入口が見つからない、高い場所にある
- 粘着シートや毒餌を使っても、新しい糞やかじり跡が出続ける
このとき、ネズミの駆除と配線の修理は、頼む相手が別です。駆除業者は、ネズミの駆除と侵入口の封鎖を行います。かじられた屋内配線の点検・修理は、電気工事店に頼みます。駆除業者の調査でかじられた配線が見つかったら、その場所の写真をもらっておくと、電気工事店への説明がスムーズです。
業者を比べるときの判断軸は、次の記事にまとめています。
戸建住宅にお住まいなら、現地を調査したうえでネズミの駆除と侵入経路の対策を行う専門業者に相談する方法があります。相談と現地調査は無料で、施工後は 1 年間の再発保証と定期点検が付きます。対応地域は東北・関東・中部地方が中心です。
配線の修理は電気工事店に頼み、ネズミの駆除と侵入口の封鎖を業者に任せる、という分け方もできます。現地調査のときに、かじり跡を見つけた場所を伝えてください。
天井裏で何が起きているかを音から確かめたい場合は、次の記事も参考になります。
よくある質問
Q.歯形が付いているだけで、銅線は見えていません。使い続けてもいいですか。
使用をやめて、メーカーか販売店に相談してください。被覆の表面だけに見えても、中の芯線が傷んでいることがあります。NITE は、コードの一部が熱くなる、動かすと電源が入ったり消えたりするといった不具合がある場合は、部分的に断線しているおそれがあり、使い続けると危険だとしています。
Q.かじられた部分をビニールテープで巻けば大丈夫ですか。
いいえ。テープで表面を覆っても、傷んだ芯線は元に戻りません。NITE は電源コードや配線器具を分解・改造しないよう呼びかけていて、修理・改造のときの不適切な接続による発火事故も報告されています。家電のコードはメーカーか販売店に修理を頼み、延長コードは買い替えてください。
Q.天井裏の配線を自分でつなぎ直してもいいですか。
できません。一般家庭の屋内配線の工事は、電気工事士等の資格がなければ行えません(電気工事士法第 3 条)。点検口から見える範囲で写真を撮り、電気工事店に相談してください。賃貸住宅なら、まず管理会社か大家さんに連絡します。
Q.ネズミがいなくなれば、配線の点検はしなくていいですか。
ネズミを追い出しても、かじられた配線はそのまま残ります。かじり跡を見つけた家では、駆除とは別に、電気工事店に配線を点検してもらってください。特に天井裏の配線は、目で確かめられない部分が多いからです。
Q.車の配線がかじられたかもしれません。
エンジンルームに巣材や糞がある、警告灯が点く、焦げたにおいがするといった様子があれば、エンジンをかけるのを控えて、ディーラーや整備工場に点検を頼んでください。車の配線は自分で確かめるのが難しい場所です。
まとめ
まとめ
ネズミにかじられたコードは、ショートや半断線を起こし、火災の原因になります。NITE には、ネズミが冷蔵庫の電源コードをかじって火災になった事故が報告されています。
- 煙・火花があれば 119 番。焦げたにおいがすればプラグを抜くか、ブレーカーを切る
- 冷蔵庫・テレビ・家具の裏、キッチン、エアコン、天井裏の配線を確認する。ガスホースも見る
- 家電のコードはメーカーか販売店、延長コードは交換、屋内配線は電気工事店、引込線は電力会社
- ビニールテープで巻く、ねじってつなぐ、といった自己流の補修はしない
- 家電の裏の掃除、コードの点検、使わないプラグを抜くことで、コードを守る
- ネズミを追い出して侵入口を塞ぐ。分電盤につながる配線まわりの封鎖は電気工事店に頼む
配線のかじり跡は、ネズミの対策を急ぐべきサインです。駆除と侵入口の封鎖は駆除業者に、配線の修理は電気工事店に、と分けて頼んでください。
ネズミ
ネズミ駆除を自分でやる手順|やってはいけない6つのことと、業者に切り替える見切りの線