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ネズミ駆除の費用相場|作業別の単価と、1〜2ヶ月かかる理由

ネズミ駆除の費用を調べると、「2万円」と書いてあるサイトと「30万円」と書いてあるサイトが並んでいて、どちらを信じればいいのか分からなくなります。

この開きには理由があります。 ネズミ駆除には「トラップを仕掛けて捕るだけ」のスポット施工と、「侵入口をすべて塞いで再発を止める」完全駆除の2種類があり、前者は5万円未満、後者は15万〜30万円と、そもそも別のサービスだからです。

この記事では、その2層構造を前提に、作業項目ごとの単価まで分解します。

ネズミ駆除の費用相場【早見表】

建物種別・被害の程度別

建物軽度(1〜2匹・部分施工)中度重度(完全駆除・封鎖工事込み)
一戸建て2万〜6万円6万〜15万円15万〜30万円
集合住宅(専有部のみ)4万〜10万円10万〜15万円15万〜30万円
店舗10万〜30万円30万〜50万円
工場・倉庫20万〜100万円

実績ベースの数字

指標金額
一戸建ての平均約21.9万円
集合住宅の平均約13.9万円
店舗の平均約20.4万円
支払額の分布5万円未満が約45〜55%、15万円以上が約25%

平均は20万円台ですが、実際には半数近くが5万円未満です。少数の高額案件が平均を押し上げています。これがスポット施工と完全駆除の二層構造です。

作業項目ごとの単価

見積書を受け取ったら、この表と突き合わせてください。

基本施工(面積・訪問回数で決まる)

プラン内容価格の目安
スポット施工(1回)15坪 2万円/30坪 3.5万円/45坪 5万円部分的な駆除
3回施工プラン5坪 約2.7万円 〜 100坪 約14.8万円標準的
5回施工プラン5坪 約3.7万円 〜 100坪 約21.6万円被害が進行している場合
10回施工プラン5坪 約6.9万円 〜 50坪 約29.4万円再発を繰り返している場合

面積で計算する事業者の場合の目安は、〜60㎡で1.1万円(軽微)/3万円(進行)、**61〜120㎡で2.1万円(軽微)/15万円(進行)**といった段階になります。

オプション工事の単価

作業項目単価の目安
捕獲器(トラップ)の設置・撤去1,000円/セット
侵入口の封鎖(室内・外周)3,500〜8,000円/箇所
侵入口の封鎖(床下)30,000円〜/坪
忌避剤の設置(ジェル・固形)12,000円/点検口1箇所
忌避剤のくん煙・噴霧処理25,000円/点検口1箇所
忌避剤の噴霧(ULV工法)700円/㎡
殺菌・除菌500〜880円/㎡
ノミ・ダニ駆除450〜680円/㎡
消臭処理180〜280円/㎡
天井裏の糞清掃10,000円〜/箇所
室内の糞清掃8,000円〜/箇所
断熱材の撤去15,000円/㎡
断熱材の新設5,000円/㎡
点検口の作成35,000円/箇所
センサーによる経過観察20,000〜30,000円/台

封鎖の工法別単価

工法単価使う場所
金網による通気口の封鎖3,000〜8,000円/箇所換気口・通風口
パンチングメタル5,000〜15,000円/箇所大型の開口部
モルタル・パテによる隙間埋め2,000〜5,000円/箇所配管まわり・壁のひび
建物全体の封鎖30,000〜100,000円

侵入口の封鎖は総額の30〜50%を占めます。 駆除作業そのものは50〜70%(軽度で1.5万〜4万円)なので、金額の差はほぼ封鎖工事の量で決まると考えていいです。

実際の施工例

建物作業内容金額
2階建 15坪・築20年粘着トラップ+侵入口2ヶ所の封鎖、30日間約9.6万円
2階建 20坪・築30年粘着トラップ200枚+侵入口16ヶ所の封鎖、30日間約16.9万円

建物の規模はほぼ同じでも、侵入口が2ヶ所か16ヶ所かで7万円の差が出ています。築年数が古いほど隙間が多く、封鎖箇所が増えます。

なぜネズミ駆除は1日で終わらないのか

ネズミ駆除の標準は1〜2ヶ月、3〜5回の訪問です。ハクビシンが半日〜1日で終わるのと対照的で、ここを知らずに依頼すると「まだ終わらないのか」と感じることになります。

理由は駆除の進め方にあります。

  1. トラップや薬剤を設置する
  2. 数日〜2週間おいて、かかった個体を回収する
  3. 残っている個体がいれば設置し直す
  4. 個体がいなくなったことを確認してから封鎖する
  5. 再発がないか経過を確認する

封鎖を先にやると、中にいる個体が閉じ込められて死に、腐敗と悪臭という別の被害になります。 だから「駆除しきってから塞ぐ」順序になり、複数回の訪問が必要になります。

大手事業者の標準サービスも「30日間・基本3回」といった設計で、これが業界の標準です。

費用が変わる要因

1. 侵入口の数(最大の要因)

前述の施工例のとおり、ここが総額を決めます。ネズミが通れる隙間は15mm以上です。500円玉(直径約2.6cm)が通る隙間があれば確実に入れますし、ハツカネズミなら1cmで足ります。

2. ネズミの種類

クマネズミは薬剤が効きにくく、駆除が難航して高額化する傾向があります。クマネズミは垂直移動が得意で天井裏や壁の中を上下し、警戒心が強くトラップにもかかりにくい種類です。糞が6〜10mmで細長く、高所に落ちているならクマネズミの可能性が高くなります。

3. 建物の築年数と構造

古い家は隙間が多く、封鎖工事の金額が上がります。

4. 修繕の要否

断熱材の交換(撤去15,000円/㎡+新設5,000円/㎡)、配線の修理(1万〜5万円)、天井や壁のシミ補修(2万〜8万円)が必要になると、総額が跳ね上がります。

5. 保証を付けるかどうか

駆除料金の30〜50%増が相場です。

6. 時期

12〜1月は予約が取りにくく、料金が上がることがあります。 寒くなるとネズミが屋内に入ってくるためで、秋のうちに動くと選択肢が広がります。

費用を抑える4つの方法

相見積もりを3社以上から取る

同じ被害状況でも金額に差が出ます。「施工回数」と「封鎖箇所数」を揃えて比較してください。3回プランと10回プランを比べても意味がありません。

複数社にまとめて依頼を出せる見積比較サービスを使うと、条件を揃えたまま比較できます。

秋のうちに動く

12〜1月は繁忙期です。ネズミの繁殖ピークは春(3〜5月)と秋(9〜11月)で、寒くなる秋から屋内への侵入が増えます。音がし始めたのが秋なら、その時点で相談するのが費用面でも有利です。

保健所の無償サポートを使う

ネズミには個人向けの費用補助金はほぼありません。 ただし、多くの自治体で保健所が次のようなサポートを行っています。

  • 殺鼠剤の配布(年1回程度)
  • 捕獲器・粘着シートの貸出や配布
  • 無料相談

なお、「工事費の3分の2・最大100万円」といった補助金を紹介している記事がありますが、これは町会・自治会・商店街などの地域団体を対象とした地域防除事業で、個人宅の駆除費に使える制度ではありません。個人でできるのは、上記の無償サポートの活用までと考えてください。

現地調査が無料の事業者を選ぶ

無料〜1万円と事業者によって差がありますが、無料が標準です。

業者を比較する軸

比較軸確認すること
施工回数何回の訪問が含まれるか。3回か5回かで金額が倍近く変わります
封鎖箇所数見積もりに何箇所分が入っているか。追加時の単価も確認
保証の種類施工箇所保証か、完全建物保証か
保証の年数ネズミは最長5年が業界の上限です(後述)
見積書の書き方項目ごとの単価が書かれているか
清掃・消毒糞尿の清掃と殺菌が含まれているか
現地調査無料か

ネズミの保証が5年までなのはなぜか

業界では害獣を2つに分けていて、ネズミとコウモリは「特定害獣」として最長5年、ハクビシン・イタチなどの「一般害獣」は最長10年、という区別をする事業者があります。

ネズミの保証が短いのは、再侵入されやすいからです。15mmの隙間から入れるため、封鎖を完璧にすることが構造的に難しい。この事情を反映した合理的な区別です。

ネズミ駆除で「10年保証」「15年保証」を提示された場合は、それが施工箇所保証なのか完全建物保証なのかを必ず確認してください。 施工箇所保証だと、「施工していない場所からの侵入なので有料です」と言われる余地が残ります。

自分でやる場合との比較

ネズミは、家に侵入する動物の中で唯一、自分で駆除してよい動物です。

ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミの家ネズミ3種は、鳥獣保護管理法の対象外(同法第80条の適用除外)とされています。粘着シートも毒餌も罠も、許可なく使えます。ハクビシンやイタチのように捕獲許可を取る必要はありません。

資材の費用は次のとおりです。

資材価格
粘着シート1枚 約110円(5〜10枚で500〜1,100円)
かご罠1個 約1,100円
殺鼠剤1個 約170円
合計3,000〜5,000円程度

ただし、自力で解決するのは「捕ること」までです。 侵入口の特定と封鎖ができなければ、いくら捕っても入ってきます。壁の中や床下の隙間を全部見つけるのは、屋根裏に上がる作業を含めて難易度が高い工程です。

自分でやるなら、粘着シートで捕りつつ、目に見える隙間(配管まわり、換気口、エアコンの配管導入部)を金網とパテで塞ぐところまでが現実的な範囲です。それで音が止まらなければ、見つけられていない侵入口があります。

金網を使う場合、目合いは1.3cm以下、ステンレス線径0.8mm以上が基準です。網目が粗いと通り抜けられます。

よくある質問

Q. 作業にはどのくらいの日数がかかりますか。 A. 完全駆除は1〜2ヶ月、3〜5回の訪問が標準です。軽度の部分施工なら半日〜1日で終わります。

Q. 見積もりは無料ですか。 A. 無料が標準です。事業者によっては5,000円〜1万円の調査費を設定している場合があります。

Q. 天井裏で死んだら、においはどうなりますか。 A. 腐敗臭が出ます。そのため、封鎖の前に個体がいなくなったことを確認する工程が必要です。「すぐ塞げば解決する」という説明をする事業者には注意してください。

Q. 火災保険は使えますか。 A. 駆除費用は原則対象外です。多くの約款で「ねずみ食い」が免責事由として明記されています。配線の被害による漏電・火災など、損害の起点によっては検討の余地がありますが、契約内容次第なので保険会社への確認が必要です。

Q. 賃貸住宅の場合、費用は誰が負担しますか。 A. まず管理会社・大家へ連絡してください。建物の管理責任は貸主にあるのが一般的です。

Q. 再発することはありますか。 A. 侵入口の封鎖が不十分だと再侵入されます。ネズミは保証年数が短めに設定される傾向があるのも、この再侵入のしやすさが理由です。

まとめ

ネズミ駆除の費用は、トラップ中心のスポット施工なら5万円未満、侵入口の封鎖まで含む完全駆除なら15万〜30万円の二層構造です。平均は20万円台ですが、実際には半数近くが5万円未満に収まっています。

金額を決めるのは侵入口の数で、封鎖工事が総額の30〜50%を占めます。同じ規模の建物でも、封鎖2ヶ所と16ヶ所では7万円の差が出ます。

そして、ネズミ駆除は1〜2ヶ月かかるのが標準です。中に個体がいる状態で塞ぐと腐敗の被害になるため、駆除しきってから封鎖する順序になります。「1日で終わる」前提で見積もりを比較しないでください。

見積もりを取るときは、施工回数封鎖箇所数を揃えて比べてください。


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