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屋根裏から音がする|正体の見分け方を音・糞・臭いから判別する

夜中、天井の上でカタカタ、ドタドタと音がする。気になって眠れないのに、正体が分からない——この記事は、その正体を絞り込むためのものです。

正体が分からないまま業者に電話しても、結局は現地調査からになります。逆に、音のする時間帯・音の種類・糞の形の3つを自分で確認しておくと、見積もりの精度が上がり、余計な作業を積まれにくくなります。

先に結論だけ言うと、家に入る動物は実質6種類しかいません。順に絞り込んでいきましょう。

まず時間帯で絞る【早見表】

音を聞いた時間を思い出してください。ここだけで候補が半分に減ります。

音がする時間帯有力候補
日没直後1時間/夜明け前1時間の2回にピークネズミ
日没後30分ごろ、外へ出ていく気配コウモリ
深夜〜明け方ハクビシン/イタチ/アライグマ
昼間に重い足音アライグマ(日中も動く個体が多い)
一日中ずっと静か。夜だけ数回ネズミ以外の可能性

ネズミの活動には「日没後の1時間」と「夜明け前の1時間」という2つの山があります。この2ピークがはっきりしていれば、ネズミの可能性がかなり高くなります。

次に「音の種類」と「場所」で絞る

場所候補
カリカリ、ガサガサ、ゴリゴリ(かじる音)天井裏・壁の中・配線沿いネズミ(クマネズミは垂直移動が得意で壁の中を上下する)
ドタドタ、ズシッ(体重を感じる足音)天井裏ハクビシン/アライグマ
タタタタッ(小走りの連続音)天井裏・床下・戸袋イタチ
パタパタ、キチキチ(羽ばたきと小さな声)軒下・換気口・戸袋・屋根の隙間コウモリ
音が床下だけでする床下・物置タヌキ(木登りが苦手で屋根裏には上がりにくい)

コウモリの見分けは簡単です。 コウモリは屋根裏を走り回りません。音がするのは軒下や換気口といった建物の外周部だけで、日没直後に出ていく気配があります。「屋根裏を走り回る音」がしているなら、コウモリではありません。

ハクビシンの足音については、「ドタドタと明らかに重い」という説と、「体格の割に足音が小さい」という説の両方があります。警戒心が強く、そろそろと歩く個体もいるためです。足音の重さだけで断定せず、次の糞で確定させてください。

糞で確定させる(ここが一番確実)

音は主観が入りますが、糞は形が残ります。天井裏の点検口を開けられるなら、ここを見るのが最短です。

動物大きさ形・色落ち方
ハツカネズミ4〜7mm両端が尖る移動経路に散らばる
クマネズミ6〜10mm細長い、茶〜灰色移動経路に散らばる(高所に多い)
ドブネズミ10〜20mm楕円形、黒っぽい散らばる(水回り・床下)
コウモリ5〜10mm黒〜茶、細長い同じ場所にまとまって落ちる
イタチ太さ5〜10mm、長さ2〜6cm細長くねじれ、黒〜濃茶。水分が多い決まった場所に堆積(ため糞)
ハクビシン太さ1〜2cm、長さ5〜15cm細長く先が細い。果実の種や殻が混じる決まった場所に堆積(ため糞)
アライグマ直径2〜3cm、長さ5〜18cm黒っぽく太い。犬の糞に近い決まった場所に堆積(ため糞)
タヌキ2〜3cm(山になると5cm程度)楕円形、黒っぽい強くため糞(同じ場所に繰り返す)

決め手は「散らばっているか、一箇所に山になっているか」です。

  • 線状に点々と散らばっている → ネズミ。歩きながら排泄するため、通り道に沿って落ちます
  • 一箇所に山になっている → ハクビシン・アライグマ・イタチ・タヌキ。決まった場所をトイレにする習性(ため糞)があります
  • 同じ場所に落ちているが、乾くと指で崩れて粉になる → コウモリ。昆虫を食べるので、崩すと羽や殻の破片がキラキラ光ります

ヤモリとの見分け方

糞の端に**白い部分(尿酸)**が付いていたら、ヤモリです。害獣ではないので、駆除の必要はありません。

臭いで補強する

臭い方候補
刺すような強烈な獣臭。衣類や家具に染みつくイタチ(肛門腺からの分泌臭。害獣の中で最強クラス)
ツンとくるアンモニア臭ハクビシン(尿が主因。糞自体はあまり臭わないことも)
通り道全体が薄く臭う。点ではなく線ネズミ(動きながら各所に尿をするため)
少量なら無臭。堆積すると湿った不快臭コウモリ

臭いが天井の一点に集中していて、そこにシミが出ている場合は、ため糞をする動物(ハクビシン・アライグマ・イタチ・タヌキ)です。糞尿が天井材に染み込んでいる状態で、この段階に入ると清掃・消毒だけでは済まず、天井の張り替えが必要になることがあります。

足跡で最終確認する

天井裏に埃が積もっていれば、足跡が残っていることがあります。

動物指の本数大きさ特徴
ネズミ前足4本・後足5本約2cm壁沿いに黒い擦り跡(ラットサイン)を伴う
ハクビシン5本前足 約5cm/後足 約10cm前足と後足で長さが倍違う。肉球と指跡が離れている
アライグマ5本5〜7cm人の手のようにかかとまで写る。肉球と指跡がつながる
タヌキ4本3〜5cm前後でほぼ同じ形。爪痕あり
イタチ5本2〜3cm肉球が三角っぽく小さい
ネコ(誤認注意)4本3〜4cm爪痕が出ない(爪が引っ込むため)

4本指で爪痕がなければネコです。 近所の猫が屋根から入り込んでいるだけ、というケースもあります。

ラットサイン

ネズミの場合、足跡以外に壁や配管、梁に沿った黒い擦り跡が残ります。体の脂と汚れが付着したもので、通り道を示しています。キッチン周り、エアコンの配管導入口、ブレーカー付近によく見つかります。

正体が分かったら——自分でやっていいこと、いけないこと

ここが最も重要です。動物によって、法律上できることが違います。

ネズミだけは自由に駆除できる

ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミの家ネズミ3種は、鳥獣保護管理法の対象外です(同法第80条の適用除外)。粘着シートも毒餌も罠も、許可なく使えます。家に侵入する動物の中で、自分で駆除してよいのはネズミだけです。

ネズミ以外は「捕獲・殺傷」が違法

ハクビシン、イタチ、アライグマ、タヌキ、テン、コウモリはすべて鳥獣保護管理法の対象で、許可なく捕まえたり殺したりすると、1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象になります。市販の捕獲器を買ってきて仕掛ける行為も、許可がなければできません。

とくに注意が必要なのが次の2つです。

  • イタチはオスとメスで扱いが違います。 ニホンイタチのオスは狩猟期間中なら狩猟の対象ですが、メスは通年で捕獲禁止です。日本の害獣で唯一、性別で法律の扱いが分かれます。
  • コウモリは捕獲そのものが実質できません。 ほうきで叩くといった意図しない加害も違法です。

追い出しと侵入口の封鎖は、どの動物でも許可不要

一方で、忌避剤や燻煙剤で追い出すこと、出ていった後に侵入口を塞ぐことは、どの動物でも許可なくできます。

駆除業者が「捕獲」ではなく「追い出し+封鎖」を標準の工程にしているのは、この法規制が理由です。捕獲を選ぶと自治体への許可申請が必要になり、許可期間(14日間程度)の中で複数回の罠点検が発生して、費用も期間も膨らみます。

放置するとどうなるか

「音がするだけ」の段階と、それを数ヶ月放置した段階では、必要な作業がまるごと変わります。

経過起きること
〜1ヶ月音のみ。追い出しと侵入口の封鎖で収まることが多い
1〜3ヶ月糞尿が溜まり、臭いが出始める。清掃・消毒が必要になる
3〜6ヶ月天井にシミ。断熱材が汚損。ノミ・ダニが室内に降りてくる
6ヶ月〜天井材の腐食。断熱材の交換や天井の張り替えといった修復工事へ

費用がどの段階で跳ね上がるかは害獣駆除の費用相場にまとめています。放置期間の長さが、総額を決める最大の要因です。

よくある質問

Q. 天井裏を自分で見に行っても大丈夫ですか? A. 点検口から覗く程度なら問題ありませんが、天井裏に上がるのは避けてください。石膏ボードを踏み抜いて落下する事故が起きています。また、糞尿にはダニや細菌が含まれるため、覗く場合もマスクと手袋を着けてください。

Q. 音がしなくなりました。もう大丈夫でしょうか。 A. 侵入口を塞いでいなければ、戻ってくる可能性があります。季節によって一時的に出ていくこともあるため、音が止まったことは解決を意味しません。

Q. 賃貸に住んでいます。誰に連絡すればいいですか。 A. まず管理会社か大家に連絡してください。建物の管理責任は貸主にあるのが一般的で、自己判断で業者に依頼すると費用を負担してもらえない場合があります。

Q. 市役所に頼めば駆除してもらえますか。 A. 自治体によります。アライグマとハクビシンについては、捕獲器の無料貸出や、市の負担での捕獲を行っている自治体があります。ただし消毒や穴ふさぎは自己負担なのが一般的で、イタチ・ネズミ・コウモリは対象外としている自治体がほとんどです。お住まいの市区町村の環境課に確認してください。

Q. 動物の種類が分からなくても業者に依頼できますか。 A. できます。現地調査で特定してもらえます。ただしこの記事の内容をメモして伝えておくと、調査が早く済み、見積もりの精度も上がります。

まとめ

屋根裏の音の正体は、時間帯 → 音の種類と場所 → 糞の落ち方 → 臭い → 足跡の順に絞り込めます。

  • 日没後と夜明け前の2ピークで、糞が線状に散らばる → ネズミ
  • 軒下や換気口だけで音がして、糞が粉状に崩れる → コウモリ
  • 重い足音で、糞が一箇所に山になり、種が混じる → ハクビシン
  • 刺すような獣臭がする → イタチ
  • 昼間にも重い足音がして、足跡が人の手のよう → アライグマ

そして、自分で駆除してよいのはネズミだけです。ほかは追い出しと封鎖までで、捕獲には自治体の許可が要ります。

正体の見当がついたら、次は費用です。作業項目ごとの単価と、放置期間による金額の変わり方は害獣駆除の費用相場にまとめました。


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