アライグマが屋根裏に住み着いたら|足跡で見分け、市役所の捕獲制度を使い、追い出して塞ぐまで | 害虫害獣駆除ナビ本記事にはプロモーションが含まれます。
アライグマが屋根裏に住み着いたら|足跡で見分け、市役所の捕獲制度を使い、追い出して塞ぐまで
公開 アライグマ
夜になると天井からドスドスと重い足音がする。庭で、人の手のような足跡を見つけた。屋根裏や床下にアライグマが住み着いたかもしれないとき、最初に知っておきたいのは、アライグマは自分で捕まえてはいけない動物で、捕獲は市区町村の制度を通して行うということです。
ただ、その制度の中身は自治体ごとにかなり違います。業者がわなを置いて回収までしてくれる市もあれば、自分で許可を取ってわなを借りる市、講習を受けた人にしか貸さない市もあります。そして多くの制度は、屋根裏の中ではなく、庭など敷地内にわなを置く前提です。
この記事では、自治体と省庁の公開資料をもとに、次の順で整理します。
- 本当にアライグマか(ハクビシン・タヌキとの見分け方)
- 自分でしてはいけないこと(2つの法律)
- 市役所の捕獲制度の3つの型と、電話で確かめること
- 屋根裏・床下からの追い出しと、侵入口の封鎖
- 糞の片付けと感染症への注意
まず確かめる:アライグマか、ハクビシンかタヌキか
アライグマと見間違えやすいのは、タヌキ、ハクビシン、アナグマです。どの動物かで、市役所の窓口も、使える制度も変わります。船橋市のように、アライグマとハクビシンは捕獲の対象でも、タヌキは対象外として放すとしている自治体もあります。
足跡がいちばん確実
環境省の「アライグマ防除の手引き」によると、アライグマの足跡は5本の指がはっきり分かれていて、人の手に似ています。歩くときにかかとまで地面につけるので、手のひらのような形がそのまま残ります。
この記事の作成方針
複数の駆除事業者が公表している料金表と、環境省・自治体の公開情報をもとに作成しています。掲載している費用は目安であり、実際の金額は建物の構造・地域・被害状況により変動します。
| タヌキ | 4本 | 全体に丸く、猫に似る。つま先だけで歩くので、花のような形になる |
ハクビシンも指は5本なので、「5本指=アライグマ」とは限りません。指が長いか、かかとまで写っているか、爪の跡がはっきりしているかを見てください。
足跡が残りやすいのは、雨どいの下、ベランダ、室外機の上、庭の土、床下の換気口のまわりの砂地です。見つけたら、大きさが分かるように定規やペンを横に置いて写真を撮っておきます。
尾と顔で見分ける(姿を見た場合)
福岡市の案内も、タヌキやアナグマと見分ける最大の特徴は尻尾のしま模様だとしています。
糞と音は「補助」と考える
糞だけで見分けるのは難しいです。農林水産省のマニュアルにある見分け方の流れでは、アライグマの糞は太めで、場所を選ばず、植物の種が混じっていることがあるとされ、決まった場所に積み重ねる「ため糞」は、タヌキやハクビシン側の特徴として出てきます。ただし同じマニュアルも、糞は時期や食べ物で色や形が変わり、すべてに当てはまるわけではないと断っています。屋根裏で一か所に糞がまとまっていても、それだけでアライグマかどうかは決められません。
音も同じです。東京都の解説では、アライグマは夜行性で、昼間は屋根裏などで休んでいます。夜に重い足音がするのはハクビシンも同じなので、音だけでは区別できません。
写真は、市役所に相談するときにも使います。 船橋市は、わなの貸し出しを申し込むときに、動物そのもの・糞・足跡・被害の様子のいずれかの写真を添付するよう求めています。
アライグマは自分で捕まえてはいけない
(2025年6月の刑法改正で「懲役」は「拘禁刑」に変わっています)
ここで特に気をつけたいのは、外来生物法のほうです。捕まえたアライグマを生きたまま車で運んで、山に放すことは、「運ぶ」と「放つ」の両方に当たります。かわいそうだから遠くに逃がす、という対応はできません。
環境省の手引きによると、自治体などがアライグマを捕まえる場合も、外来生物法に基づく防除(自治体の「防除実施計画」に沿った捕獲)か、鳥獣保護管理法に基づく捕獲許可のどちらかの手続きが必要です。市区町村の制度は、このどちらかの枠組みの中で動いています。
なお、狩猟期間中の住宅の敷地内など、法律上の例外が設けられている場面もあります(久留米市の案内に説明があります)。ただ、例外に当たる場合でも、捕まえた後に生きたまま運ぶことや放すことはできず、処分まで自分で責任を負うことになります。自己判断で市販のわなを仕掛けず、先に市区町村に相談してください。
市役所の捕獲制度は「3つの型」に分かれる
アライグマの捕獲を支援している市区町村は多いですが、誰がわなを置き、誰が見回り、捕まった後に誰が引き取るかは自治体ごとに違います。公開されている案内を並べると、おおむね次の3つの型に分かれます。
型①:委託業者がわなを設置・回収する(藤沢市・船橋市)
型②:自分で捕獲許可を取って、わなを借りる(宇都宮市・北九州市・名古屋市)
住民が鳥獣保護管理法の捕獲許可(有害鳥獣捕獲の許可)を申請し、市からわなを借りて自分で設置する型です。
名古屋市の案内では、許可の申請に申請書、捕獲する場所の地図、使う道具の図面や写真が必要で、許可証は窓口で受け取ります。わなを自分で運ぶ、設置する、片付けて返すところまでが借りた人の仕事です。
型③:講習を受けて「捕獲従事者」になる(福岡市・久留米市・福井市)
外来生物法に基づく自治体の「防除実施計画」に沿って、講習を受けた住民が捕獲に加わる型です。
- 福岡市:福岡県のアライグマ防除講習会を受けた人、またはわな猟免許を持つ人が「防除従事者」として登録できます。登録した人に箱わなを原則2週間、1基、無料で貸し出し(軍手やエサは自己負担)、捕まったら委託業者がわなごと回収します。対象はごみ荒らしや家庭菜園の食害などの生活被害で、農業被害は別の窓口です。また、家屋に住み着いていて駆除したい場合は、民間の害獣駆除業者に相談するよう案内しています
- 久留米市:申請書を出して講習会を受け、捕獲従事者に登録されると、自分でアライグマの防除ができます。1日1回の見回りや、アライグマ以外の動物が捕まったら自分ですぐ放すことなどが条件です
- 福井市:アライグマ捕獲従事者研修会を年1〜2回開いていて、受講した人がおりを設置して捕獲できます
講習の日程は年に数回のことが多く、思い立ってすぐに使えるとは限りません。
屋根裏の中にわなを置いてくれる制度は少ない
3つの型に共通するのは、わなを置く場所は庭など敷地内が基本で、屋根裏の中の対応や、追い出し・封鎖・清掃は含まれていないことです。船橋市は「屋根裏の侵入への対応や追い払いは行わない」と明記し、福岡市は家屋に住み着いた場合は民間業者へ、と案内しています。
つまり、屋根裏に住み着かれたときの現実的な流れは、次のようになります。
- 市区町村に相談し、使える制度があれば、敷地内でわなによる捕獲を進めてもらう(または自分で進める)
- 屋根裏からは追い出す
- いなくなったのを確かめてから侵入口を塞ぎ、糞尿を片付ける(ここは自分で行うか業者に頼み、費用は自己負担)
市区町村に電話するときに確かめること
窓口は、環境課・環境保全課・自然共生課・農政の課など自治体によって違います。電話では次の点を確認してください。
- アライグマの捕獲を支援しているか。どの型か(業者が設置するか、自分で許可を取るか、講習が必要か)
- 講習や許可が必要なら、次の講習の日程と、許可が出るまでの日数
- わなを置ける場所(庭だけか、屋根裏も相談できるか)、期間、費用
- 捕まった後の回収・処分を誰がするか。土日の扱い
- 屋根裏の追い出し・封鎖・清掃を頼める業者の紹介があるか
屋根裏・床下から追い出す
捕獲の制度とは別に、屋根裏や床下にいるアライグマを追い出すことは、住民が自分でもできます。北九州市は、屋根裏や屋内に入られた場合は、害虫用やネズミ用の燻煙剤、忌避剤で追い出す効果があり、追い出した後は侵入口を金網などで塞ぐよう案内しています。
ただし東京都は、燻煙剤(くん煙式・くん蒸式の殺虫剤)や忌避剤は「その場から追い出すことはできる可能性がある」ものの、根本的な解決にはならないとしています。追い出しは、塞ぐまでがセットです。
時期:4〜6月の出産期は避ける
環境省の手引きでは、アライグマの出産期は4〜6月(前後にずれることもある)で、1回に1〜7頭、平均3〜4頭を産みます。屋根裏や寺社の屋根裏で子育てをすることも多い動物です。
春〜初夏に小さな鳴き声が続いている場合は、子育て中の可能性があります。この時期は無理に追い出さず、市区町村か業者に相談してください。
追い出しの手順
- 出入り口を探す:夕方〜夜に、どこから出入りしているかを外から見ます。雨どい、軒下、屋根と外壁のつなぎ目、換気口、床下の通気口、壊れた戸袋が候補です。アライグマは木登りが得意で、柱や雨どいを伝って屋根に上がります
- 燻煙剤や忌避剤を使う:屋根裏なら点検口から燻煙剤を使います。床下なら床下点検口や通気口のまわりに忌避剤を使います。製品の表示どおりに使い、火災報知器の扱いやペットの避難、使用後の換気を確認します
- 出ていったかを確かめる:夜に音がしなくなったか、出入り口の新しい足跡がなくなったかを数日見ます。出入り口に軽く新聞紙を詰めておき、押し出されていないかを見る方法もあります
- いないことを確かめてから塞ぐ(次の章)
燻煙剤の使い方と失敗しやすい点は、ハクビシンの例ですが、手順はほぼ同じです。
侵入口を塞ぐ
福井市の案内では、アライグマやハクビシンは握りこぶし程度の隙間があれば、軒下や屋根のつなぎ目から家に入ってくることがあります。
アライグマは前足の指が長く、物をつかめる動物です(環境省の手引き)。手でこじ開けられないよう、金網はしっかり固定してください。
あわせて、寄せつけるものを減らします。東京都と久留米市は、ペットフードの食べ残しや生ごみを屋外に放置しない、庭の果実は早めに収穫するか網をかける、といった対策を挙げています。
近づかない・素手で触らない(けがと感染症)
北九州市は、アライグマは見た目に反して凶暴で、近づくとかみついたり、ひっかいたりするおそれがあり、感染症の危険もあるので、見かけても絶対に近づかないでと呼びかけています。屋根裏で鉢合わせしても、追い払おうとしないでください。
感染症について、公的機関の資料には次のような記述があります。
屋根裏の糞や巣材を片付けるときは、次の点を守ってください。
- 使い捨ての手袋とマスクをつける
- 乾いた糞をほうきで掃いたり、掃除機で吸ったりして粉じんを立てない
- 湿らせてから取り、袋に入れて口を縛って捨てる
- 終わったら手をよく洗う
- 作業の後に発熱などの体調の変化があれば、医療機関で動物の糞を片付けたことを伝える
天井にシミが出るほど糞尿がたまっている、屋根裏に入るのが難しいといった場合は、清掃と消毒を業者に頼むことになります。
業者に任せる線
市区町村の制度が担うのは、多くの場合「捕獲」までです。次のどれかに当てはまったら、追い出し・封鎖・清掃を業者に頼むことを考えてください。
- 出入り口が2階の軒先や屋根など高い場所にある、または見つからない
- 天井にシミが出ている、臭いが強い
- 春〜初夏で、子育て中の可能性がある
- 追い出して塞いだのに、また音がする
- 市の制度が使えない(講習の日程が先、予算や回数の上限に達した、屋根裏は対象外)
屋根裏からの追い出しと侵入口の封鎖をまとめて任せたい場合は、アライグマにも対応する専門業者があります。スタッフが現地を調査し、駆除から侵入口の封鎖まで対応していて、再発を防ぐ施工を重視しています。費用は現地調査の後の見積もりで確認できます。
市の制度で敷地内の捕獲を進めながら、屋根裏の封鎖と清掃だけを任せる、という分け方もできます。対応地域は関東・関西・東海と中国・四国の一部なので、お住まいの地域が入っているかを先に確かめてください。
見積もりを比べるときの判断軸は、次の記事にまとめています。
よくある質問
Q.市販の捕獲器を買って、庭に仕掛けてもいいですか。
自己判断で仕掛けないでください。アライグマは鳥獣保護管理法で許可なく捕獲できず、外来生物法で生きたまま運ぶことや放すことも禁止されています。わなを使うなら、市区町村に相談して、許可を取る、講習を受けて登録する、委託業者に設置してもらうなど、その自治体の制度に沿って進めます。
Q.捕まえたアライグマを、遠くの山に逃がしてもいいですか。
いけません。外来生物法では、許可なく特定外来生物を運ぶことや野外に放つことが禁止されていて、野外に放った場合の罰則は3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金です。捕まえた後の扱いは、自治体の制度で決まっています。
Q.市役所は屋根裏のアライグマを捕まえてくれますか。
屋根裏の中まで対応する制度は少数です。船橋市は庭(敷地内)へのわなの設置だけで、屋根裏の侵入への対応や追い払いは行わないとしています。多くの自治体では、敷地内での捕獲を支援し、屋根裏の追い出し・封鎖・清掃は住民が自分で行うか業者に頼み、費用は自己負担です。
Q.ハクビシンかアライグマか分かりません。どこを見ればいいですか。
足跡を見てください。アライグマは指が長く、人の手のようにかかとまで写り、爪の跡がはっきり残ります。ハクビシンも指は5本ですが、指が丸く、爪の跡ははっきりしません。姿を見たなら、尾にリング状の縞があればアライグマ、顔の中央に白い線があればハクビシンです。
まとめ
まとめ
アライグマは、自分で捕まえることも、生きたまま運んで放すこともできません(鳥獣保護管理法・外来生物法)。捕獲は市区町村の制度を通して行います。
- 足跡(指が長く、かかとまで写る)や尾の縞で、ハクビシン・タヌキと見分け、写真を撮る
- 市区町村に相談し、制度の型(業者が設置/許可を取って借りる/講習を受けて登録)と条件を確かめる
- 多くの制度は庭など敷地内での捕獲まで。屋根裏は自分で追い出す
- 4〜6月の出産期を避け、燻煙剤や忌避剤で追い出し、いなくなってから握りこぶし程度の隙間まで塞ぐ
- 近づかず、糞は手袋とマスクをつけて粉じんを立てずに片付ける
出入り口が高い場所にある、天井にシミが出ている、塞いでも戻ってくる場合は、業者に任せる段階です。
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