イタチの糞の見分け方|一か所にたまる糞と強いにおい、ハクビシン・ネズミ・テンとの違いと片付ける前に確かめること | 害虫害獣駆除ナビ本記事にはプロモーションが含まれます。
イタチの糞の見分け方|一か所にたまる糞と強いにおい、ハクビシン・ネズミ・テンとの違いと片付ける前に確かめること
公開 イタチ
天井裏の点検口を開けたら、同じ場所に黒っぽい糞がたまっていた。床下や物置の隅から、鼻をつくようなにおいがする。夜には天井の上を何かが走り回っている。こうしたときに疑われる動物の一つがイタチです。
大阪府枚方市は、イタチには糞を一か所にまとめてする習性があり、家の中に入られると、たまった糞尿の悪臭や寄生虫などの衛生上の問題が出てくるとしています。大阪市や大分市、堺市にも「天井裏で子育てをしていて、糞や尿の臭いがひどい」という苦情が寄せられています。
ただ、糞だけでイタチと決めるのは簡単ではありません。ハクビシンも同じ場所に糞をしますし、ネズミの糞と混ざっていることもあります。この記事では、自治体と国の機関の資料をもとに、次の順で整理します。
- イタチの糞の特徴(何が分かっていて、何が分かっていないか)
- ハクビシン・ネズミ・テンの糞との見分け方
- 糞の場所から住みかと侵入口を探す
- 片付ける前に確かめること
- 法律の扱いと、相談先
イタチの糞の特徴
公的な資料で確かめられること
イタチの糞の形や大きさを細かく書いた自治体・国の資料は、調べた範囲では多くありませんでした。一方で、糞の「たまり方」と「におい」については、複数の資料が触れています。
イタチの糞のにおいが強いと言われるのは、この肛門腺のにおい付けのためと考えられます。太田川河川事務所の資料によると、イタチは身の危険を感じると、肛門腺からを出します。枚方市も、追い詰められたり危険を感じたりすると、肛門付近の臭腺から悪臭を放つ分泌液を出すとしています。
この記事の作成方針
複数の駆除事業者が公表している料金表と、環境省・自治体の公開情報をもとに作成しています。掲載している費用は目安であり、実際の金額は建物の構造・地域・被害状況により変動します。
かなり臭い黄色の液
中身:食べたものが混じる
糞の中には、その動物が食べたものの消化しきれなかった部分が残ります。イタチが何を食べているかは、自治体の資料に書かれています。
肉食の傾向が強いので(枚方市)、糞をほぐすと、獣の毛や小さな骨、鳥の羽、虫の殻のようなものが見えることがあります。果実を食べた時期には種が混じることもあります。ただ、これはイタチに限らず、肉も食べる動物の糞に共通することです。中身だけでイタチと決めることはできません。
「細長い」「水っぽい」という説明について
駆除業者のコラムでは、イタチの糞は「細長い」「ねじれている」「水分が多い」と説明されることが多く、大きさも数字で書かれています。ただ、記事によって数字がばらばらで、調べた範囲では自治体や研究機関の資料で裏付けを取ることができませんでした。この記事では、大きさの数字は書きません。
糞は、食べたものや時間の経ち方で形も色も変わります。大きさを比べたいときは、定規や硬貨を横に置いて写真を撮っておくのがいちばん分かりやすい方法です。業者や自治体に相談するときにも、その写真を見せれば話が早く進みます。
ほかの動物の糞との見分け方
天井裏や床下で見つかる糞で、イタチと間違えやすいのはハクビシン、ネズミ、テンです。
ハクビシンとの違い
いちばん迷うのがハクビシンです。どちらも同じ場所に糞をし、天井裏に住み着きます。
- におい:ハクビシンの糞は、甘い果物のような香りがすることがあります(町田市の資料)。イタチは肛門腺でにおいを付けるので、甘さより獣くさい刺激臭を感じやすいと考えられます
- 中身:ハクビシンは果物を好むので、種や皮が目立ちます(東京都環境局)。イタチは肉食の傾向が強いので、毛や骨が目立ちます
- 入れる隙間:イタチは3cm程度の隙間も通り抜けます(大阪府、大分市)。東京都環境局は、ハクビシンは8cm四方の隙間に入り込むとしています。糞の近くにある隙間が小さければ、イタチの可能性が上がります
ネズミとの違い
ネズミの糞は小さな粒で、走り回る通り道に沿って散らばります。イタチの主食はネズミなので、ネズミがいる家にイタチが入り込むこともあります。小さな粒が点々とあり、その先に一か所にたまった糞があるという場合は、両方がいる可能性も考えてください。
ネズミの糞かもしれないと思ったら、ネズミ駆除の診断で、糞・かじり跡・足音から確かめる手順を説明しています。
テンとの違い
テンはイタチの仲間で、長野市立博物館によるとイタチより大型です。林野庁東北森林管理局の資料では、ホンドテンは木の実、果実、鳥、ネズミ、昆虫、カニなどを食べる、幅広い雑食性とされています。果実の種が多い糞なら、イタチよりテンやハクビシンの可能性が上がります。
ただ、どれも食べるものが重なっていて、糞だけで見分けるのは専門家でも難しいことがあります。においと隙間の大きさ、足音、足跡を合わせて判断してください。大きさと落ち方からの見分け方は、次の記事で動物ごとに比べています。
糞の場所から、住みかと侵入口を探す
太田川河川事務所によると、イタチは行動圏の中に本拠地の穴と休息用の穴を持っていて、主に夜行性です。日が落ちると穴から出て活動し、夜が明けると近くの穴で休みます。家の中で糞がたまっている場所は、休息場所か、その通り道の近くと考えられます。
3cmの隙間を探す
大阪府や大分市は、イタチは3cm程度の隙間から入り込むとしています。大分市はこれを「500円玉大」と表しています。大阪市住吉区のリーフレットも、イタチは3センチ四方の穴から出入りできると言われているとしています。
糞がたまっている場所の外側を、昼間に次の順で見てください。
- 屋根と外壁の取り合い、軒天のすき間や破れ
- 床下の換気口、通風口のカバーの外れ
- エアコンの配管や排水管が壁を通る穴のまわり
- 戸袋、雨戸のレールの奥
- 古い家では、下水管からの侵入もある(大阪府)
イタチは垂直の壁も登れます(大阪府、大分市、堺市)。地面に近い穴だけでなく、2階の高さの隙間も候補に入れてください。
片付ける前に確かめること
1. まだ住んでいるか
イタチがまだ住んでいるうちに糞を片付けても、また同じ場所に糞をされます。順番は**「追い出す → いなくなったことを確かめる → 侵入口を塞ぐ → 片付けて消毒する」**です。
2. 子育てをしていないか
太田川河川事務所の資料によると、イタチは一般に年1回、3〜5月に交尾し、そのおよそ1か月後に出産します。5月頃に生まれた子は、8月頃に母親と別れ、子どもだけで群れて暮らした後、10月下旬頃から単独で暮らすようになります。堺市は、繁殖期を4月頃から8月頃としています。
春から夏にかけて、糞が急に増えた、においが強くなった、天井裏から複数の動く気配がする、という場合は、子育ての可能性があります。大阪市や堺市にも、天井裏で子育てをされて臭いがひどくなったという苦情が寄せられています。
子どもがいるうちに追い出して侵入口を塞ぐと、動けない子どもが中に取り残されます。この時期に気づいたら、自分で追い出しや封鎖をする前に、業者か自治体に相談してください。
3. 片付けるときの注意
枚方市は、イタチは人に感染するマダニやノミなどの寄生虫を持っている可能性があるので、素手では触らないよう呼びかけています。糞も同じように扱ってください。
糞を片付けた後に、刺されたような跡やかゆみが続く、体調が悪いといった場合は、自己判断せずに医療機関に相談してください。
断熱材まで糞尿が染みている、天井にシミが出ているという場合は、表面の掃除だけではにおいが取れません。被害がどこまで進んでいるかの見極め方は、次の記事で説明しています。
捕まえてはいけない:イタチの法律上の扱い
許可なく捕獲できない
イタチは鳥獣保護管理法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)の対象です。大阪市、堺市、枚方市、大分市などはいずれも、許可なくイタチを捕獲することはできないとしています。許可なく捕獲・殺傷すると、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象です(同法第83条)。
オスとメス、2種類のイタチで扱いが違う
イタチには、在来種のニホンイタチと、外来種の**シベリアイタチ(チョウセンイタチ)**がいます(北九州市、枚方市)。法律上の扱いは次のとおりです。
出典は環境省「狩猟制度の概要」の狩猟鳥獣の一覧(表記は「イタチ(雄)」「シベリアイタチ(長崎県対馬市の個体群を除く。)」)です。シベリアイタチをオス・メスとも狩猟鳥獣とした省令の改正は、2017年(平成29年)9月15日に施行されました(環境省の報道発表)。
ただし、「狩猟鳥獣だから自分で捕ってよい」わけではありません。狩猟をするには、狩猟免許を持ち、都道府県に狩猟者登録をして、決められた猟期の中で行う必要があります。猟期は、北海道以外では原則として毎年11月15日〜翌年2月15日です(環境省)。そもそも、家の中で見かけたイタチがどちらの種で、オスかメスかを見分けるのは簡単ではありません。
自宅の被害でどうしても捕獲が必要なときは、市区町村の捕獲許可を受けるのが一般的です。たとえば大阪市は、状況を聞いたうえで必要と判断した場合に、申請に基づいて捕獲を許可し、捕獲器を貸し出しています。捕獲と、捕まえたイタチの放獣は申請者が行います。守口市では、許可期間は発行日から14日間です。
自分でしてよいのは、追い出しと、いなくなってからの侵入口の封鎖までと考えてください。法律の扱いと、それが駆除の費用にどう影響するかは、イタチ駆除の費用相場でも説明しています。
自治体への相談と、業者への相談
自治体:捕獲許可と捕獲器の貸し出し
大阪府内の市を中心に、イタチの捕獲許可の受付や、捕獲器の貸し出しをしている自治体があります(大阪市、堺市、守口市、枚方市)。ただ、どの自治体も捕獲器の設置や回収、捕まえたイタチの引き取りはしていないか、申請者が行うことになっています。業者の紹介をしていない自治体も多くあります(北九州市、大分市、守口市)。
何をしてもらえるかは地域で違います。お住まいの市区町村の環境担当の課に問い合わせてください。動物ごとの市役所の対応は、害獣駆除は市役所に頼める?で整理しています。
業者:追い出しから封鎖、清掃・消毒まで
天井裏に糞がたまっている、天井にシミがある、春から夏で子育ての気配がある、侵入口が高い場所にある——このどれかに当てはまるなら、追い出しから侵入口の封鎖、糞尿の清掃と消毒までまとめて業者に見てもらうほうが安心です。
イタチなどの害獣の駆除について相談を受け付け、条件に合う駆除業者を紹介してくれる窓口があります。相談は24時間365日受け付けていて、現地調査と見積もりは無料です。対応は宮城・関東・東海・北陸・関西の一部地域が中心です。
相談するときは、糞の写真(定規や硬貨を一緒に写したもの)と、見つけた場所、量、においの強さ、足音が聞こえる時間帯を伝えると、清掃と消毒の範囲を含めた見積もりが出やすくなります。見積もりの内容に納得したうえで、契約するかどうかを決められます。
よくある質問
Q.糞が少しだけ落ちていました。もう住み着いていますか。
一度だけなら、通り道として使われただけのこともあります。イタチは糞を一か所にまとめてする習性があるので(枚方市)、同じ場所に糞が増えていくか、夜に足音がするかを数日見てください。増えていくようなら、近くに住み着いている可能性が高くなります。
Q.ハクビシンの糞かイタチの糞か、どうしても分かりません。
糞だけで決めるのは難しいことがあります。においが甘い果物のようならハクビシン、刺すような獣くさいにおいならイタチの可能性が上がります。あわせて、近くの隙間の大きさ(イタチは3cm程度でも通る)、足跡、夜に見かけた動物の姿で確かめてください。写真を撮って業者や自治体に見てもらうのも一つの方法です。
Q.糞を片付けたのに、においが消えません。
イタチは糞をするときに肛門腺でにおいを付けます(太田川河川事務所)。糞尿が断熱材や天井板に染みていると、表面を片付けてもにおいが残ります。まだ住んでいてにおいが足されている可能性もあるので、先に追い出しと侵入口の封鎖を済ませ、そのうえで断熱材の交換が必要かを確かめてください。
Q.イタチを捕まえて遠くに放してもいいですか。
許可なく捕獲することはできません(鳥獣保護管理法)。ニホンイタチのメスは狩猟鳥獣ではなく、オスやシベリアイタチも狩猟免許・登録・猟期の条件があります。どうしても捕獲が必要なら、市区町村に捕獲許可を相談してください。自分でしてよいのは、追い出しと侵入口の封鎖までです。
Q.賃貸住宅の天井裏で糞が見つかりました。
まず管理会社か大家に連絡してください。天井裏や外壁は建物の管理の範囲になるのが一般的で、自分で穴を塞いだりすると原状回復の問題になることがあります。
まとめ
まとめ
- イタチは糞を一か所にまとめてする(枚方市)。肛門腺でにおいを付けるので、たまると獣くさいにおいが強くなる(太田川河川事務所)
- 肉食の傾向が強く、毛や骨が混じりやすい。ただし糞の大きさの数字は資料によってばらつくので、定規を添えて写真を撮って比べる
- ハクビシンは甘い果物のような香りと種、ネズミは点々と散らばる小さな粒。迷ったら、3cm程度の隙間、足音、足跡で確かめる
- 片付ける前に、まだ住んでいないか、子育てしていないか(春〜夏)を確かめる。順番は追い出す → 塞ぐ → 片付ける
- 許可なく捕獲はできない。ニホンイタチのメスは狩猟鳥獣ではない。シベリアイタチは雌雄とも狩猟鳥獣(対馬市の個体群を除く)だが、狩猟には免許・登録・猟期が必要
ネズミの糞から分かること|3種のどれかを見分け、落ちている場所から通り道・巣・侵入口を読んで次の手を決める