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ハクビシンを自分で追い出す方法|燻煙剤の使い方と失敗しやすい6つの点

ハクビシン駆除を業者に頼むと10万〜30万円かかります。「まず自分でやってみたい」と考えるのは自然なことです。

結論から言うと、追い出しと侵入口の封鎖までは自分でできます。 資材費は数千円で済みます。ただし、成否を分けるポイントがはっきりしていて、そこを外すと追い出せないどころか事態が悪化します。この記事では、やり方とあわせて、その落とし穴を先に書きます。

大前提:捕まえるのは違法です

ハクビシンは鳥獣保護管理法の対象で、許可なく捕獲・殺傷すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象になります。ホームセンターで捕獲器を買ってきて仕掛ける行為も、許可がなければできません。

一方で、次の行為は許可不要です。

  • 忌避剤や燻煙剤で追い出すこと
  • 出ていった後に侵入口を塞ぐこと

つまり、自分でできるのは「追い出す」と「塞ぐ」の2つだけです。捕まえたい場合は自治体(都道府県知事、または権限が移譲された市町村)への捕獲許可申請が必要で、許可期間は14日程度と限られています。

なお、自治体によっては捕獲器の無料貸出を行っており、その制度を使う場合は個人での許可申請が不要になることがあります。お住まいの市区町村の環境課・鳥獣被害対策課に確認する価値はあります。

先に読んでほしい:失敗しやすい6つの点

やり方より先に、こちらを書きます。ここを外すと、やらないほうがマシだった、という結果になります。

1. 子育て期に追い出すと、事態が悪化する

これが最も重大です。

屋根裏に子どもがいる時期に燻煙剤を使うと、親が子を守ろうとして壁の隙間に子を落としてしまうことがあります。壁の中で子が死ぬと、腐敗による悪臭とウジ・害虫という別の被害が発生し、壁を壊さないと取り出せません。

また、子どもがいると親が出てこないことがあり、そもそも追い出せません。

ハクビシンの出産期は3月〜12月と長いので、「この時期なら大丈夫」という安全な季節がほとんどありません。作業前に、屋根裏から小さな鳴き声が複数聞こえないかを確認してください。判断がつかない場合は、自分でやらないほうが安全です。

2. 侵入口の近くで燻煙剤を焚くと、逃げ道を塞いでしまう

燻煙剤は出入り口から離れた場所に置きます。侵入口のすぐ近くで焚くと、そこから出られなくなります。

3. 「隙間が狭いから大丈夫」は通用しない

ハクビシンが通れる隙間は、農研機構の実験で確認されています。

開口部の形通れる大きさ
正方形一辺 8cm
円形直径 9cm
横長の長方形6cm × 12cm
縦長の長方形11cm × 7cm

重要なのは、短辺が6cmでも、長辺が20cm以上あれば通れるという点です。「幅が狭いから入れないだろう」という判断が最も危険で、屋根瓦が1枚ずれただけでも10cm程度の隙間ができます。

さらに、ハクビシンは爪で1〜2cmの亀裂を広げて侵入することがあります。

4. 中に残っていないか確認せずに塞ぐと、閉じ込めになる

追い出したつもりで塞いだ結果、中で死なれると、腐敗と悪臭の被害になります。封鎖の前に、数日間は音がしないことを確認してください。

5. 追い出しの効果は一時的

忌避剤の匂いが薄れれば戻ってきます。追い出しと封鎖はセットで、封鎖しなければ必ず再侵入されると考えてください。

6. 侵入口を全部見つけるのは難しい

これはプロでも難所です。1つでも見落とすと、そこから入られます。

追い出しの方法と費用【比較表】

方法所要日数費用効果持続
① 燻煙剤(バルサン等)1〜2日2,000〜5,000円◎ 最も高い
② ハッカ油・木酢液3〜7日1,000〜2,000円1〜2週間程度
③ 強い光(ライト)1〜3日既存ライト活用なら無料
④ 大きな音3〜7日無料〜数千円△ 限定的
⑤ 唐辛子系忌避剤(カプサイシン)2〜5日2,000〜4,000円

主力は①の燻煙剤です。②〜⑤は補助、または追い出した後の再侵入防止に使います。

超音波装置はおすすめしません

超音波でハクビシンを追い出せるという製品がありますが、実験結果として効果が期待できないとする事業者の見解があります。ネズミでの検証でも、次の2つの限界が指摘されています。

  • 数日〜数週間で慣れてしまう
  • 壁やドア、家具を透過せず、角を曲がれない(屋根裏のような入り組んだ空間では届かない)

数千円で買えますが、これに期待して時間を使うより、燻煙剤で確実に追い出すほうが早いです。

手順

ステップ1:侵入口を全部探す

追い出す前に、どこから入っているかを先に把握します。これをやらずに追い出すと、塞ぐ場所が分かりません。

チェックする場所は次のとおりです。

  • 屋根の隙間、屋根同士が重なる部分、瓦のずれ
  • 軒下、壁の破損部
  • 外壁の換気口・通風口
  • 戸袋
  • 増改築部分のつなぎ目
  • エアコンの配管導入部
  • 基礎のコンクリート、床下の通気口
  • 雨どいの接合部

8cm四方(大人の握りこぶし1個分)の隙間があれば侵入できます。足跡や体毛、爪痕が残っていないかもあわせて見てください。

ステップ2:燻煙剤を焚く

タイミングは夕方以降です。ハクビシンは夜行性なので、夜に外へ出ようとするタイミングに合わせます。

置く場所は、出入り口から離れたところ。平らで燃え移りのない場所に設置します。複数箇所に散布する場合は、脱出口から遠い小さな隙間から順番に焚いていきます。

製品は「6〜8畳用」「12〜16畳用」といったサイズがあります。必要な個数は屋根裏の広さによりますが、メーカーの明確な指定はないので、畳数表示を目安に判断してください。

焚いた後は2〜3時間は家に戻らないでください。ペットがいる場合は、可能なら2〜3日遠ざけます。

ステップ3:出ていったか確認する

数日間、音がしないことを確認します。ここを飛ばさないでください。閉じ込めは、追い出し失敗より厄介な結果になります。

ステップ4:侵入口を封鎖する

使う資材が重要です。

使えるもの使えないもの
金網(ネジ・ビスで固定)ガムテープ
パンチングメタル段ボール
パテ発泡ウレタンのみ
モルタル布・ビニール
コーキング

ハクビシンは爪で隙間を広げます。柔らかい資材では塞いだことになりません。金網やパンチングメタルをネジ・ビスでしっかり固定する、またはパテやモルタルで埋めるのが基本です。

換気口を塞ぐ場合、網目は10mm以下にしてください。20mm以上の古い網は通り抜けられます。

ステップ5:清掃・消毒する

糞尿にはダニやノミ、細菌が含まれます。マスクと手袋を着け、掃除機は使わず(排気で粉塵が広がります)、湿らせてから拾うのが基本です。

天井裏に上がるのは避けてください。石膏ボードを踏み抜いて落下する事故が起きています。

糞を取り除いてもダニは残るため、殺虫と消毒まで行う必要があります。ここまで自分でやるのが難しい場合は、清掃・消毒だけを業者に依頼することもできます。

ステップ6:再侵入を防ぐ

封鎖した後の維持として、忌避剤が使えます。

  • 木酢液:スプレーだと約2週間で切れます。コップに入れて置くと1ヶ月以上匂いが続きます。効果範囲は半径2m程度なので、ペットボトルを2m間隔で設置する使い方が実用的です
  • カプサイシン(唐辛子系):1年程度の効果が期待されるとされていますが、土壌上では2日半〜8日で効果が半減するというデータもあります
  • LEDセンサーライト:明るい光を嫌うため、侵入されやすい場所に設置する

いずれも補助手段です。封鎖が主で、忌避剤は保険と考えてください。

自分でやる場合の費用

資材費用
燻煙剤2,000〜5,000円
金網・パンチングメタル数千円
パテ・コーキング1,000〜2,000円
忌避剤(木酢液など)1,000〜2,000円
マスク・手袋1,000円程度
合計1万円前後

業者に頼むと10万〜30万円なので、うまくいけば大きな差になります。ただし失敗した場合、被害が進んだぶん業者の見積もりは上がります。

自分でやるべきでないケース

次に当てはまる場合は、最初から業者に依頼したほうが結果的に安く済みます。

  • 屋根裏から小さな鳴き声が複数聞こえる(子育て中の可能性。追い出すと悪化します)
  • 侵入口が高所にあり、はしごや足場が必要(落下の危険があります)
  • すでに天井にシミが出ている(断熱材まで浸透している段階。清掃では戻せません)
  • 糞が大量に堆積している(清掃・消毒の範囲が広く、DIYの範囲を超えます)
  • 侵入口が見つからない(探す工程がプロでも難所です)
  • 音が止まらない、または一度止まって戻ってきた(封鎖に失敗しています)

よくある質問

Q. 燻煙剤を焚けば必ず出ていきますか。 A. 効果は高い方法ですが、子どもがいる場合は出てこないことがあります。また、逃げ道を塞ぐ位置に置くと出られません。

Q. 追い出した後、どのくらいで塞げばいいですか。 A. 音がしなくなってから数日は様子を見てください。ただし放置しすぎると、その間に戻ってきます。

Q. 忌避剤だけで追い出せますか。 A. 匂いが薄れると戻ってきます。忌避剤は追い出しの主力にはならず、封鎖後の再侵入防止に使うものと考えてください。

Q. 屋根裏に上がって作業してもいいですか。 A. 避けてください。天井裏は梁の上しか体重を支えられず、石膏ボードを踏み抜く事故が起きています。点検口から覗く範囲にとどめてください。

Q. 市役所に頼めば追い出してもらえますか。 A. 自治体によります。ハクビシンは捕獲器の無料貸出や、市の負担での捕獲を行っている自治体が比較的多い害獣です。ただし消毒や穴ふさぎは自己負担なのが一般的で、「具体的な被害があること」が条件です(目撃しただけでは対象外とされます)。

Q. 失敗したら業者に頼めますか。 A. 頼めます。ただし、その間に被害が進むと見積もりは上がります。とくに断熱材まで汚損すると、撤去と新設で費用の段が変わります。

まとめ

ハクビシンは、追い出しと侵入口の封鎖までなら自分でできます。 捕獲は許可が必要なので、そこが上限です。

やり方は「侵入口を探す → 夕方以降に燻煙剤を焚く(出入り口から離れた場所に)→ 数日確認 → 金網・パテで封鎖 → 清掃・消毒」の順です。資材費は1万円前後で済みます。

ただし、屋根裏に子どもがいる時期に追い出すと、壁の中で子が死んで事態が悪化します。 ハクビシンの出産期は3月〜12月と長いため、複数の小さな鳴き声が聞こえないかを必ず確認してください。判断に迷ったら、自分でやらないほうが安全です。

また、8cm四方の隙間があれば入れるうえ、短辺6cmでも長辺が20cm以上あれば通れます。「狭いから大丈夫」という判断は禁物です。

天井にシミが出ている、糞が大量にある、侵入口が高所にある——このいずれかに当てはまるなら、最初から業者に相談したほうが総額は抑えられます。


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