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コウモリ駆除の費用相場|施工できる時期が年2回しかない理由

コウモリ駆除には、他の害獣にない制約が2つあります。

1つは施工できる時期が限られること。7〜8月と11〜2月は施工できず、実質的に春(3〜4月)と秋(9〜10月)の年2回しかタイミングがありません。

もう1つは捕まえることが法律で禁じられていること。コウモリは鳥獣保護管理法の保護対象で、殺傷はもちろん、ほうきで叩くといった意図しない加害も違法です。できるのは「追い出して塞ぐ」ことだけです。

この2つが、費用にも工期にも影響します。順に見ていきましょう。

コウモリ駆除の費用相場【早見表】

被害の場所・程度別

状況費用の目安
換気口・軒下のみ(軽度)1万〜6万円
屋根裏に侵入(軽度)5万〜15万円
屋根裏に侵入(重度・糞の堆積あり)15万〜30万円
高所作業が必要20万〜40万円
足場の設置が必要40万〜50万円以上

場所別の相場

場所相場
屋根裏8,000〜30,000円
軒下8,000〜20,000円
雨樋8,000〜20,000円
シャッター8,000〜20,000円

実績ベースの数字

指標金額
平均約13万円
最も多い価格帯3万〜6万円

平均は約13万円ですが、最も多いのは3万〜6万円です。軒下や換気口だけの軽度なケースが多数を占め、屋根裏の本格施工や高所作業が平均を押し上げています。

作業項目ごとの単価

作業項目単価の目安
現地調査・見積もり無料
コウモリの追い出し2万〜3万円/箇所
出入り口の封鎖25,000〜30,000円〜(小さな隙間は500〜3,000円)
隙間埋め5万〜10万円
屋根裏のフン清掃無料〜8,000円
殺菌・消毒680〜1,360円/㎡
ノミ・ダニ駆除450〜1,125円/㎡
消臭処理180〜280円/㎡
高所作業 危険手当2万円〜
高所作業車3万〜5万円
足場の設置約20万円

面積別の基本料金

面積基本料金の目安
〜40㎡3万円
41〜60㎡6万円
61〜120㎡15万円
121〜180㎡22万円
181〜240㎡29万円
241〜300㎡36万円

※上記は複数の駆除事業者が公表している価格をもとにした目安です。実際の金額は建物の構造・地域・被害状況により変動します。

消毒とノミ・ダニ駆除の単価が高めなのはなぜか

同じ事業者の料金表で比べると、コウモリの殺菌・消毒とノミ・ダニ駆除の㎡単価は、ネズミやハクビシン(680〜880円/㎡、450〜680円/㎡)より高く設定されています(680〜1,360円/㎡、450〜1,125円/㎡)。

コウモリの糞は乾燥すると崩れて粉状になり、飛散しやすいためです。処理の手間が違うので、この差は実勢を反映したものです。

足場を使わずに済むか、が最大の分岐点

足場の設置は約20万円です。高所作業車で届く位置なら3万〜5万円で済むので、ここで差が20万円近く出ます。

コウモリの侵入口は、屋根と外壁の境目、屋根瓦の隙間、換気口、戸袋といった高い場所にあることが多く、建物の形状によっては足場が必要になります。

見積もりを取るときは、「足場を使わずに施工できないか」を必ず確認してください。 これは値切りの話ではなく、施工方法の選択の話なので、聞いても問題ありません。

費用が変わる要因

1. 放置していた期間(コウモリは特に効きます)

コウモリは放置期間と費用の関係がはっきり出る害獣です。

放置期間費用の目安状態
0〜1ヶ月1万〜5万円追い出しと封鎖で済む
1〜3ヶ月5万〜15万円臭気が発生
3〜6ヶ月15万〜30万円構造被害・害虫の発生
6ヶ月〜30万〜50万円以上大規模な修繕が必要

アブラコウモリは1匹あたり体重5〜10gと小さいのに、群れで住み着くと糞の量が一気に増えます。 摂食後50分ほどで排泄するため、堆積が早いのが特徴です。

2. 侵入口の数

コウモリが通れる隙間は1〜2cmです。実測例では、換気口 約2cm、屋根瓦の隙間 約1.5cm、エアコンの配管部 約1.2cm、戸袋 約1cm、外壁のひび 約1cmから侵入しています。「5mmの隙間から入る」とする情報もあります。

この小ささが、封鎖を難しくしている理由です。塞ぐべき箇所が多くなりがちで、1つでも見落とすと戻ってきます。

3. 高所作業の要否(前述)

4. 保証を付けるかどうか

基本は1年保証で、5年保証にすると工事金額の30〜50%増が相場です。

施工できる時期が年2回しかない

これがコウモリ駆除の最大の特徴です。

時期コウモリの状態施工できるか
3月〜4月冬眠から目覚める◎ 最適
5月〜6月妊娠したメスは飛行が減る
7月〜8月出産・子育て期× 施工不可
9月〜10月交尾期・脂肪の蓄積期◎ 最適
11月〜2月冬眠期× 施工不可

なぜ7〜8月と11〜2月はダメなのか

  • 7〜8月:飛べない子どもが屋根裏にいます。この時期に追い出すと、親だけが出ていって子が取り残されます。中で死ぬと、腐敗による悪臭と害虫という別の被害になります
  • 11〜2月:冬眠中で動きが鈍く、追い出そうとしても出ていきません。この状態で封鎖すると閉じ込めになります

アブラコウモリは気温15℃を下回ると冬眠を始め、15℃を上回ると活動を再開します。 暖冬の年は前後にずれることがあります。

作業は日没後にしか行えない

追い出しは、コウモリが自分で外へ出ていくタイミングを使います。活動開始は日没後30分ごろなので、施工は日没後10〜30分が最適です。

昼間に作業できないため、これも工期が延びる理由になります。

結果として、工期は1〜2ヶ月

コウモリ駆除は月1回ペースの訪問で、1〜2ヶ月かかるのが標準です。ハクビシン(半日〜1日)とは大きく違います。

そして、春秋の年2回しか施工できないため、この時期は予約が埋まりやすくなります。 3〜4月または9〜10月に施工したいなら、その1〜2ヶ月前には見積もりを取っておくのが現実的です。

費用を抑える3つの方法

相見積もりを3社以上から取る

「足場の要否」と「封鎖箇所数」を揃えて比較してください。片方が足場込み、片方が高所作業車という見積もりを金額だけで比べると、判断を誤ります。

複数社にまとめて依頼を出せる見積比較サービスを使うと、条件を揃えたまま比較できます。

施工時期の1〜2ヶ月前に動く

春(3〜4月)または秋(9〜10月)に施工するため、その前に見積もりを済ませておく。予約が取りやすくなり、時期を逃して半年待つ事態を避けられます。

補助金は期待しない

コウモリは、自治体の支援が全くない害獣です。

支援の種類コウモリの場合
捕獲器の貸出× 制度なし(捕獲自体が違法なため)
市による無料捕獲× なし
費用補助金× なし

理由は2つあります。コウモリは農作物被害の対象ではないため行政が防除予算を持っていないこと、そして捕獲そのものが法律で禁じられているため捕獲器を貸す制度が成立しないことです。実際、「補助対象はタヌキ・ハクビシンのみ」「対象はアライグマ・ハクビシンのみ」としてコウモリを明確に除外している自治体があります。

火災保険についても、約款で害獣駆除が除外されているのが一般的で、対象外の可能性が高いと考えてください。

コウモリは捕まえられない(法律の話)

コウモリは鳥獣保護管理法の保護対象で、捕獲・殺傷が禁止されています。 罰則は1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。

禁止されるのは意図的な捕獲だけではありません。ほうきで叩く、繁殖期に親を除去するといった行為も違法になり得ます。また、素手で触るのは寄生虫や病原菌のリスクがあり、衛生面でも危険です。

一方、許可なくできるのは次の行為です。

  • 忌避剤(ハッカ系)による追い出し
  • 蚊取り線香
  • LEDセンサーライト(コウモリは明るい光を嫌います)
  • 侵入口の封鎖(コウモリが外に出た後に行う)

コウモリ駆除に「殺す」という選択肢は法的に存在しません。 業者が「駆除」ではなく「追い出し工事」を売っているのは、これが理由です。

封鎖の網目は10mm以下

侵入口を塞ぐ場合、網目は10mm(1cm)以下が推奨です。20mm以上の古い換気口の網は、通り抜けられます。金網を使う場合の線径は2.5mm以下が目安です。

業者を比較する軸

比較軸確認すること
足場の要否足場を使わずに施工できないか。20万円の差になります
封鎖箇所数見積もりに何箇所分が入っているか
施工時期いつ施工できるか。春秋以外を提案されたら理由を確認
保証の種類施工箇所保証か、完全建物保証か
保証の年数コウモリは「特定害獣」で最長5年が上限です
清掃・消毒糞の清掃と殺菌・消毒が含まれているか
現地調査無料か(無料が標準)

コウモリの保証が5年までなのはなぜか

業界では害獣を2つに分けていて、コウモリとネズミは「特定害獣」として最長5年、ハクビシン・イタチなどの「一般害獣」は最長10年、という区別をする事業者があります。

コウモリの保証が短いのは、1〜2cmの隙間から入れるため封鎖を完璧にするのが難しいからです。この事情を反映した合理的な区別といえます。

コウモリ駆除で「10年保証」を提示された場合は、それが施工箇所保証か完全建物保証かを必ず確認してください。施工箇所保証だと、「施工していない場所からの侵入なので有料です」と言われる余地が残ります。

よくある質問

Q. 自分で追い出すことはできますか。 A. 忌避剤やライトによる追い出しと、出ていった後の封鎖は許可不要なので、法律上は可能です。資材費は2,000〜5,000円程度です。ただし7〜8月と11〜2月に行うと、取り残しや閉じ込めが起きます。 また侵入口が高所にある場合は、作業自体が危険です。

Q. 音がしなくなりました。冬なので終わったのでしょうか。 A. 冬眠に入っただけの可能性があります。春に活動を再開すると音が戻ります。侵入口を塞いでいなければ、解決していません。

Q. 作業にはどのくらいの日数がかかりますか。 A. 月1回ペースの訪問で、1〜2ヶ月が標準です。日没後にしか作業できないという制約もあります。

Q. 糞の掃除だけ自分でやってもいいですか。 A. 乾燥した糞は崩れて粉状になり、吸い込むおそれがあります。マスクと手袋、できれば防護メガネを着けてください。ただし堆積している場合は、消毒まで含めて業者に任せたほうが確実です。

Q. 賃貸住宅の場合、費用は誰が負担しますか。 A. まず管理会社・大家へ連絡してください。建物の管理責任は貸主にあるのが一般的です。

まとめ

コウモリ駆除の費用は、換気口や軒下だけなら1万〜6万円、屋根裏の本格施工で5万〜15万円、高所作業が必要だと20万円以上が目安です。実績ベースで最も多いのは3万〜6万円です。

金額を大きく左右するのは足場の要否(約20万円の差)放置期間の2つです。

そして、コウモリには他の害獣にない制約があります。施工できるのは春(3〜4月)と秋(9〜10月)だけで、7〜8月は飛べない子が取り残されるため、11〜2月は冬眠で追い出せないため施工できません。この時期を逃すと半年待つことになるので、見積もりは施工時期の1〜2ヶ月前に取っておくのが現実的です。

法律上、コウモリは捕獲も殺傷もできません。できるのは追い出しと封鎖だけで、自治体の支援制度もありません。


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