
屋根裏から音がする|正体の見分け方を音・糞・臭いから判別する
症状から調べる・
害虫・害獣の駆除業者選びを、費用と実績で比べる
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害獣駆除の見積もりは「一式 18万円」のような書き方で出てくることが多く、その金額が妥当なのか判断できない——これが依頼をためらう最大の理由です。
この記事では、種類別の相場に加えて、作業項目ごとの単価まで分解しました。見積書を受け取ったら、この記事の単価表と突き合わせてください。項目が抜けているのか、単価が高いのか、そもそも作業量が多いのかが判別できます。
まず全体像です。金額に幅があるのは、被害の進行度によって必要な作業が増減するためです。
| 害獣 | 軽度 | 中度 | 重度 | 実績ベースの平均 |
|---|---|---|---|---|
| ネズミ | 2〜6万円 | 6〜15万円 | 15〜30万円 | 一戸建てで約22万円 |
| ハクビシン | 5〜10万円 | 10〜20万円 | 20〜35万円 | 約20.6万円 |
| イタチ | 3〜8万円 | 5〜15万円 | 15〜30万円 | 約19.2万円 |
| アライグマ | 5〜10万円 | 10〜25万円 | 25〜40万円 | 未公表 |
| コウモリ | 3〜8万円 | 8〜15万円 | 15〜25万円 | 約13万円 |
| タヌキ | — | — | — | 1.5万〜30万円 |
※複数の駆除事業者・比較メディアの公表情報をもとにした目安です。実際の金額は建物の構造・地域・被害状況により変動します。
たとえばイタチの平均は約19万円ですが、最も多い価格帯は5万〜10万円です。少数の高額案件(30万円以上)が平均を押し上げているためで、コウモリも平均13万円に対して最多価格帯は3万〜6万円です。
平均だけを見て身構える必要はありません。追い出しと封鎖だけで済む軽度なら、多くは10万円以内に収まります。金額が跳ね上がるのは、糞尿の清掃・消毒や断熱材の交換が入ってからです。
ここが本題です。見積書の各行を、この表と照らし合わせてください。
| 作業項目 | 単価の目安 |
|---|---|
| 追い出し作業 | 400〜1,000円/㎡ |
| 殺菌・消毒工事 | 680〜1,360円/㎡ |
| ノミ・ダニ駆除 | 450〜1,125円/㎡ |
| 消臭処理 | 180〜280円/㎡ |
| 断熱材 撤去 | 8,000〜15,000円/㎡ |
| 断熱材 新設 | 5,000〜45,000円/㎡ |
| 被害箇所の修復 | 2,500円〜/㎡ |
| 作業項目 | 単価の目安 |
|---|---|
| 侵入口の封鎖 | 3,000〜30,000円/箇所 |
| 捕獲器の設置・管理 | 15,000〜30,000円/箇所 |
| 罠の点検・エサ替え | 15,000〜30,000円/回 |
| 捕獲後の回収・処理 | 20,000〜30,000円/匹 |
| 捕獲許可の申請代行 | 10,000〜50,000円 |
| 天井裏の糞清掃 | 8,000〜38,000円 |
| 点検口の作成 | 約35,000円/箇所 |
| 高所作業 危険手当 | 20,000円〜 |
| 高所作業車 | 30,000〜50,000円 |
| 足場設置 | 約200,000円 |
1. ㎡単価があるのは、消毒・殺虫・消臭・断熱材だけです。 侵入口の封鎖と糞清掃は「箇所」または「一式」で課金するのが業界の標準です。ここを㎡で請求されていたら、根拠を確認してください。
2. 侵入口の封鎖は単価の幅が最も大きい項目です。 1箇所3,000円という事業者から30,000円という事業者まであります。多数派は3,000〜8,000円/箇所で、金網による通気口の封鎖がこの価格帯。大型の開口をパンチングメタルで塞ぐと5,000〜15,000円、高所で足場が必要になると跳ね上がります。同じ「封鎖1箇所」でも作業内容が違うので、何をどう塞ぐのかを見積書で確認してください。
3. 足場が20万円という事実。 コウモリのように屋根の高所を施工する場合、足場を組むかどうかで20万円以上変わります。高所作業車で届く位置なら3〜5万円で済むため、「足場を使わずに施工できないか」は必ず聞くべき質問です。
コウモリの例では、放置期間と費用の関係がはっきり出ています。
| 放置期間 | 費用の目安 |
|---|---|
| 0〜1ヶ月 | 1万〜5万円 |
| 1〜3ヶ月 | 5万〜15万円(臭気が発生) |
| 3〜6ヶ月 | 15万〜30万円(構造被害・害虫の発生) |
| 6ヶ月〜 | 30万〜50万円以上(大規模修繕) |
音に気づいた段階で相談するのが、結果として最も安く済みます。
封鎖は箇所ごとの課金なので、ここが直接効きます。実際の施工例では、侵入口2ヶ所の封鎖で約9.6万円、同じ規模の建物で侵入口16ヶ所だと約16.9万円という差が出ています。築年数が古い家ほど隙間が多く、封鎖箇所が増えます。
糞尿が断熱材に染み込むと、撤去して新しく敷き直すことになります。イタチの例では、この工程が入るかどうかで5万〜15万円 → 15万〜30万円以上と段が変わります。
捕獲を選ぶと、許可申請の代行費(1〜5万円)に加えて、罠の点検が1回15,000〜30,000円で課金されます。許可期間は14日程度なので、その間に複数回の訪問が発生します。業者が追い出しを勧めるのは、費用と期間の両方で合理的だからです。
保証は基本的に有料オプションで、駆除料金の10〜50%増が相場です。
同じ被害状況でも見積額に差が出ます。ただし総額だけで比べると失敗します。 保証の有無と、清掃・消毒が含まれているかで、後から追加費用が発生するためです。比較の軸は次の章にまとめました。
複数社にまとめて依頼を出せる見積比較サービスを使うと、この工程が1回の入力で済みます。
現地調査・見積もりは無料が標準です。調査費を請求する事業者は候補から外して問題ありません。
ここは競合サイトの記述が曖昧なところなので、正確に整理します。
| 害獣 | 捕獲器の無料貸出 | 市による無料捕獲 | 費用補助金 |
|---|---|---|---|
| アライグマ | ◎ 多くの自治体で実施 | ◎ 実施例多数 | △ 自治体による |
| ハクビシン | ◎ 多くの自治体で実施 | ○ 実施例あり | ○ 実施例あり |
| タヌキ | ○ | △ | ○ 実施例あり |
| イタチ | ○ 実施例あり | × ほぼなし | × ほぼなし |
| ネズミ | ○ 保健所で捕獲器貸与・殺鼠剤配布 | × なし | × 個人向けはほぼなし |
| コウモリ | × 制度なし | × なし | × なし |
この差には理由があります。 アライグマは特定外来生物、ハクビシンとタヌキは農作物被害の対象なので、行政が防除に予算を持っています。一方でイタチは在来種で外来生物法の対象外、ネズミは鳥獣保護管理法の対象外で衛生問題の扱い、コウモリは保護対象で捕獲そのものが違法——だから支援制度がありません。
制度の有無と条件は自治体ごとに異なります。お住まいの市区町村の環境課・鳥獣被害対策課に確認してください。
なお、ネズミの補助金について「工事費の3分の2・最大100万円」と紹介している記事がありますが、これは個人向けの制度ではありません。 町会・自治会・商店街などの地域団体が、環境改善の取り組みとあわせて行う地域防除事業が対象です。個人宅の駆除費に使える制度ではないので注意してください。
駆除費用そのものは原則対象外です。多くの約款で「ねずみ食い、虫食い、自然劣化」が免責事由として明記されています。
可能性があるのは次のケースです。
契約内容によって扱いが大きく変わるため、保険会社への確認が必要です。実務上のポイントとして、見積書は「駆除費」と「修繕費」を分けて取得してください。また、「火災保険で実質無料」を謳う事業者には注意が必要です。保険の申請は契約者と保険会社の間で完結するもので、事業者が介入する必要はありません。経年劣化を災害による損害として申告すると、保険金詐欺に該当するおそれがあります。
なお、請求権には3年の時効があります。
見積書が3社分そろったら、次の軸で並べてください。
| 比較軸 | 確認すること |
|---|---|
| 見積書の書き方 | 作業項目ごとに単価が書かれているか。「一式」だけになっていないか |
| 保証の年数 | 後述のとおり、害獣の種類で標準が違います |
| 保証の種類 | 「施工箇所保証」か「完全建物保証」か(ここが盲点) |
| 作業範囲 | 追い出し/捕獲/清掃消毒/封鎖/修復のどこまで含むか |
| 許可申請 | 捕獲許可の代行に対応しているか |
| 対応速度 | 現地調査までの日数、施工までの日数 |
| 調査・見積もり | 無料か |
見落とされがちですが、保証には2つのタイプがあります。
「10年保証」でも施工箇所保証なら、「3年間の完全建物保証」のほうが実質的に手厚いことがあります。年数だけで判断しないでください。
業界には、害獣を2つに分けて保証年数を変える慣行があります。
| 区分 | 該当する害獣 | 保証の上限 |
|---|---|---|
| 一般害獣 | ハクビシン、イタチ、アライグマ、タヌキ、テン | 最長10年 |
| 特定害獣 | ネズミ、コウモリ、トコジラミ、シロアリ | 最長5年 |
ネズミとコウモリの保証が短いのは、再侵入されやすいからです。ネズミは15mmの隙間から、コウモリは1〜2cmの隙間から入れるため、封鎖を完璧にするのが難しいという事情があります。ネズミ駆除で「10年保証」を提示された場合は、その中身をよく確認してください。
| 害獣 | 期間 | 理由 |
|---|---|---|
| ハクビシン | 半日〜1日(通常4〜6時間) | 追い出しと封鎖を一度に行える |
| イタチ | 捕獲する場合は2週間程度 | 許可期間が14日、罠の点検で複数回訪問 |
| ネズミ | 1〜2ヶ月(3〜5回訪問) | トラップの回収サイクルを複数回まわす必要がある |
| コウモリ | 1〜2ヶ月(月1回訪問) | 日没後しか作業できない。個体が自発的に出るのを待つ |
「1日で全部終わる」という前提で予定を組むと、ネズミとコウモリで食い違います。とくにコウモリは、7〜8月(飛べない子が取り残される)と11〜2月(冬眠中で追い出せない)は施工できません。 実質的に春(3〜4月)と秋(9〜10月)の年2回しかタイミングがなく、この時期は予約が埋まりやすくなります。
Q. 一番安い見積もりを選んで問題ありませんか。 A. 作業範囲が同じかどうかを先に確認してください。追い出しだけで封鎖・清掃が含まれていない見積もりは当然安くなりますが、侵入口を塞がなければ戻ってきます。
Q. 「追い出し費用のみ 1.5万円」という広告を見ました。 A. 追い出しのみのスポット施工であれば、その金額はあり得ます。ただしそれで完結することはほとんどありません。封鎖と清掃を含めた総額で比較してください。
Q. 自分でやるといくらかかりますか。 A. 粘着シートや忌避剤などの資材だけなら3,000〜5,000円程度です。ただし捕獲が許されているのはネズミだけで、ほかの動物は追い出しと封鎖までしかできません。侵入口の完全な特定と封鎖は、屋根裏や高所の作業になるため難易度が高い工程です。
Q. 見積もりの後にキャンセルできますか。 A. 契約後8日以内であれば、工事に着手した後でもクーリングオフによる無条件解約が可能です。
Q. 追加料金が発生することはありますか。 A. 現地調査で見えていなかった侵入口や被害が、作業中に見つかることがあります。追加が発生する条件を、契約前に書面で確認しておいてください。
害獣駆除の費用は、被害が軽度なら3万〜10万円、糞尿の清掃・消毒まで入ると10万〜20万円、断熱材の交換や修復が必要になると20万円以上が目安です。
金額を左右する最大の要因は放置期間で、次に侵入口の数です。見積書を受け取ったら、この記事の単価表と突き合わせて、項目ごとの単価が書かれているかを確認してください。「一式」しか書かれていない見積書は、比較のしようがありません。
保証は年数だけでなく、施工箇所保証か完全建物保証かを確認してください。
種類ごとの詳しい相場と、その動物特有の注意点は、それぞれの記事にまとめています。