ネズミの嫌いな音はある?|スマホアプリ・動画の超音波で追い払えるかと、先にすること | 害虫害獣駆除ナビ本記事にはプロモーションが含まれます。
ネズミの嫌いな音はある?|スマホアプリ・動画の超音波で追い払えるかと、先にすること
公開 ネズミ
天井裏でカサカサ、夜中にトトトッと走る音。殺したくはないし、毒餌も置きたくない。「ネズミが嫌がる音を流せば出ていくのでは」と考えて、スマホの無料アプリや YouTube の「ネズミ撃退 超音波」の動画を探している人は多いと思います。
先に結論を書きます。ネズミが嫌がる「決まった音」があって、それを流せば出ていく、と確かめた公的な資料は見つかりませんでした。 東京都の資料は、超音波の機器について、実験では強い音で一定の忌避が見られたものの、実用の効果には否定的な意見のほうが多いとしています。海外の大学や行政機関も、ネズミは繰り返す音にすぐ慣れると書いています。さらに、スマホや動画の音は、仕組みのうえで超音波(人に聞こえないほど高い音)をほとんど出せません。
この記事では、次の順で整理します。
- ネズミに聞こえる音の範囲
- 「嫌いな音」で追い払えるかについて、研究と公的資料で分かっていること
- スマホのアプリや動画で超音波が出せるか
- 人やペットへの影響
- 自宅で何を見て、どう判断するか
- 音より「塞ぐ・餌を断つ・捕る」が基本である理由
ネズミに聞こえる音の範囲
ネズミは、人よりずっと高い音まで聞こえる動物です。米国ルイジアナ州立大学(LSU)の獣医学部が、動物ごとの聞こえる音の範囲を研究からまとめた表では、次のようになっています。
1,000Hz が 1kHz です。人に聞こえるのは、おおむね 23kHz(2万3,000Hz)くらいまで。ネズミは 76〜91kHz くらいまで聞こえます。ただし表は、別々の研究を集めたもので、LSU の解説も、研究ごとに測り方が違うので種どうしの比べすぎに注意するよう書いています。
この記事の作成方針
複数の駆除事業者が公表している料金表と、環境省・自治体の公開情報をもとに作成しています。掲載している費用は目安であり、実際の金額は建物の構造・地域・被害状況により変動します。
- ネズミは、人に聞こえない高い音(超音波)も聞こえる。 だから「超音波で追い払う」という考え方が生まれた
- ネズミは、人に聞こえる音もほとんど聞こえる。 人に聞こえる音でも、ネズミにとって「聞こえない音」ではない
ただ、「聞こえる」ことと「嫌がって出ていく」ことは別の話です。次の節で、その中身を見ていきます。
「嫌いな音」で追い払えるか:研究と公的資料で分かっていること
調べた範囲で見つかった資料を、まとめると次のとおりです。
慣れ:最初は驚いても、何も起きなければ戻ってくる
資料に共通しているのは、慣れです。ネズミは、聞いたことのない音には警戒します。けれども、同じ音が何度鳴っても痛い目にあわない、餌も巣もそのまま、と分かれば、音のする場所に戻ってきます。Schumake の総説で、効果が 3〜7 日で見られなくなったのは、そのためと考えられます。
「最初の数日は静かになったのに、また音がし始めた」というのは、慣れでよく起きる流れです。
大きな音は、逃げ込む先を変えるだけのことがある
東京都の回答集には、近所で大規模な工事が始まってからネズミが出るようになった、という相談への回答があります。ネズミは環境の変化に敏感で、工事の騒音を警戒して住んでいた場所から逃げ出したり、解体で住みかを失ったりして民家に入ってくる、という考え方が有力だとしています。
音でネズミが動くことはあっても、それは「出ていく」のではなく「別の場所に移る」だけのことがある、ということです。家の中で音を鳴らした結果、天井裏から壁の中や隣の部屋に移っただけ、ということも起こりえます。
自治体の資料での「音」の扱い
自治体の資料で、音が出てくるのはごく一部です。東京都多摩府中保健所の資料は、壁の中に巣を作られて取り除けない場合について、侵入経路を見つけ、ネズミがいないときを見はからって侵入口をふさぐよう案内し、そのうえで、棒でたたくなどすると、ネズミは驚いてそこを住みかにしにくくなる、と書いています。音は、あくまで塞ぐことと組み合わせた補助です。
同じ資料が対策の中心に置いているのは、①えさを与えない、②巣を作らせない、③侵入口をふさぐ、の 3 つです。
スマホのアプリや動画で、超音波は出ているのか
「ネズミ駆除 超音波 アプリ」「超音波 YouTube」で探すと、無料のアプリや、何時間も高い音が流れる動画が見つかります。ここで確かめたいのは、効くかどうかの前に、そもそもスマホやパソコンから超音波が出ているのかです。
一般に、人に聞こえる上限とされる 20kHz を超える音を、超音波と呼びます。スマホや動画の音が、どこまで高い音を出せるかを、段階ごとに見ると次のとおりです。
つまり、スマホや動画で鳴らす「超音波」は、仕組みのうえで、多くても 20kHz 前後、人の聞こえる範囲の上の端くらいまでと考えられます。ネズミが聞こえる 76〜91kHz にはまったく届きません。
- 「人に聞こえない=超音波が出ている」とは限らない。 大人に聞こえないのは、音が出ていないか、スピーカーで弱まっているだけのこともある
- 出ている音は、人に聞こえる音とほぼ同じ高さ。 ネズミに聞こえる音ではあるが、上の節のとおり、ネズミは繰り返す音にすぐ慣れる
- 音の強さも足りるか分からない。 東京都の資料で忌避が見られたのは、実験で 130 デシベル以上の強さがあった場合。スマホのスピーカーで、それに近い強さの高い音を出し続けられることを示した資料は、調べた範囲では見つかりませんでした
アプリや動画の説明に「強力」「超音波」と書かれていても、スマホのスピーカーと音声の形式の上限は変わりません。無料で試せるので、試すこと自体は止めませんが、静かになったかどうかを糞や音で確かめ、変わらなければ続けないことをおすすめします。
人やペットへの影響
人:聞こえる人には不快な音になる
スマホや動画の「超音波」は、上の節のとおり、人の聞こえる範囲の上の端くらいの音です。先ほどのスマートフォンの研究は、18.5kHz の音について、大人を中心に多くの人には聞こえにくいとしています。言い換えると、聞こえる人もいるということです。家族の中に「キーンという音がする」と言う人がいたら、その人には聞こえています。寝室で一晩中鳴らすのは避けてください。
ペット:犬・猫・小動物は、人より高い音まで聞こえる
ペットの多くは、人より高い音まで聞こえます。LSU の表では次のとおりです。
ハムスターはこの表に載っておらず、今回、聞こえる範囲を確かめられる資料には当たれませんでした。ただ、モルモットやスナネズミ、ネズミと同じ齧歯類(げっし類)です。
ペットへの影響を確かめた研究や公的な資料は、調べた範囲では見つかりませんでした。分かっているのは、ネズミに向けて鳴らす音は、同じ部屋のペットにも聞こえているということです。とくにハムスター・モルモット・スナネズミなどの齧歯類は、ネズミに近い動物です。次のことを守ってください。
- ペットのいる部屋、ケージの近くでは鳴らさない
- 落ち着きがない、隠れて出てこない、食べる量が減るなど、いつもと様子が違えばすぐ止める
- 市販の機器を使う場合は、取扱説明書のペットについての注意を確かめる
自宅で何を見て、どう判断するか
音を流すかどうかを決める前に、家の中で次の 3 つを確かめます。
1. 本当にネズミの音か
天井裏の音は、ネズミのほかに、ハクビシン・イタチ・コウモリなどのこともあります。ハクビシンやイタチ、コウモリは鳥獣保護管理法で守られていて、無許可で捕まえられません。音の時間帯・重さ・糞の形で絞り込む手順は、天井裏の音の正体はどう見分けるのかで説明しています。
2. どこから入っているか
ネズミの通り道には、体の脂と汚れでできた黒いこすり跡、糞、かじり跡が残ります(東京都多摩府中保健所の資料では「ラットサイン」)。その近くに隙間があれば、出入り口の可能性が高いと考えます。東京都の回答集は、クマネズミは1.25cm(多摩府中保健所の資料では1.2cm)の隙間があれば通り抜けられるとしています。
3. 家の中に餌と巣の材料があるか
出しっぱなしの食品、夜に置いたままの生ごみやペットの餌、たまった段ボールや紙くず。ネズミにとって家にいる理由があれば、音が鳴っていても戻ってきます。
見たことから、次にすることを決める
音より「塞ぐ・餌を断つ・捕る」が基本の理由
東京都多摩府中保健所の資料は、ネズミが人の家に住み着くのは、安全で快適な住みかが作れて、えさに困らないからだと説明しています。だから対策は、ネズミの住みにくい家に変える「環境的防除」で、具体的には次の 3 つです。
東京都の回答集も、家屋の隙間をふさいだあと、屋内の餌の保管が完全ならネズミは餓死するが、家の中の状況がそのままなら、これまでどおり住み続ける、としています。
捕るのは、家ネズミなら自分でしてよい
すでに家の中にいるネズミは、捕まえることも考えます。ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミの 3 種は、鳥獣保護管理法の施行規則第78条で「環境衛生の維持に重大な支障を及ぼすおそれのある鳥獣」とされ、同法の対象から外れています。ハクビシンやコウモリと違い、捕獲の許可はいりません。
多摩府中保健所の資料は、餌を片付けたうえで、壁沿いなどネズミの通り道に粘着シートや捕そ器(かご)を仕掛けると効果が期待できる、としています。粘着シートの置き方と掛からないときの見直し方は、粘着シートはどこに、何枚置けばいいのかにまとめています。殺そ剤を使うときは、製品の表示(ラベル)の使い方と注意を守り、子どもやペットが触れない場所に置いてください。
においで寄せつけない方法も、音と同じく「近寄らせない」ための道具です。においの忌避剤が効く場面と効かない場面は、ネズミの忌避剤は効くのかで扱っています。
侵入口を探して塞ぐ手順は、次の記事にまとめています。
それでも音を試すなら
アプリや動画、市販の機器を試すなら、次の点を守ると、判断を誤りにくくなります。
- 主役にしない。 侵入口を探す・餌を片付けるのと同時に進め、音は補助と考える
- 始める前に糞を片付け、音のする時間帯をメモしておく。 試したあとと比べられるようにする
- 変わらなければやめる。 何日も鳴らし続けても、慣れて戻ってくるのが資料の示すところ
- ペットと家族の様子を見る。 嫌がる人や動物がいれば止める
自分で塞げない・音が続くときの相談先
東京都の回答集によると、ネズミは一般に、寒くなる10〜11月ごろに暖かい民家に入り込むため、相談が多くなります。これからの時期に、次のどれかに当てはまったら、音を流し続けるより、侵入口の調査を頼むことを考える段階です。
- 音を試しても、数日で足音や新しい糞が戻ってくる
- 侵入口が見つからない、または屋根まわりなど高い場所にある(多摩府中保健所の資料も、天井裏や高所などの危険な場所は専門業者に頼んだほうがよい場合があるとしている)
- 天井裏や壁の中に巣がありそうで、取り除けない
- 糞や音が家の中で広がっている
保健所は相談に乗ってくれますが、駆除まではしないことがあります。多摩府中保健所も、ねずみの相談は受け付けているが駆除は行っていない、と案内しています。
戸建住宅を対象に、専門スタッフが現地を調査したうえで、ネズミの駆除や侵入経路の対策を行うサービスがあります。相談と現地調査は無料で、施工後は再発保証と定期点検があります。
相談するときは、音がする時間帯と場所、糞やこすり跡を見つけた場所の写真、試した音(アプリ・動画・機器)と期間、その間の変化を伝えると、調査の範囲が決めやすくなります。対応地域は東北・関東・中部地方が中心です。
自分でどこまでやるか、どこで業者に切り替えるかは、次の記事で整理しています。
よくある質問
Q.ネズミの嫌いな音はありますか。
ネズミが嫌がる決まった音があって、それを流せば出ていく、と確かめた公的な資料は見つかりませんでした。ネズミは聞き慣れない音には驚きますが、繰り返す音にはすぐ慣れるとされています。東京都の資料も、超音波の機器の実用効果には否定的な意見のほうが多いとしています。
Q.スマホの無料アプリや YouTube の超音波で、ネズミは追い払えますか。
期待しすぎないほうがよいです。動画の音声は 48kHz で記録すると理論上 24kHz まで、圧縮の規格によっては 20kHz までしか表せず、スマホのスピーカーも 20kHz を超えると急に弱まるという測定があります。ネズミが聞こえる 76〜91kHz の音は出ていないと考えられます。試すなら、糞や足音が減ったかを確かめ、変わらなければ続けないでください。
Q.「強力」とうたう超音波アプリなら効きますか。
アプリの説明に「強力」とあっても、スマホのスピーカーと音声の形式の上限は変わりません。東京都の資料で忌避が見られたのは、実験で 130 デシベル以上の強さがあった場合で、スマホでそれに近い強さの高い音を出し続けられることを示した資料は見つかりませんでした。
Q.猫の鳴き声や大きな音を流すのはどうですか。
猫の鳴き声などを流してネズミが出ていくことを確かめた公的な資料は、調べた範囲では見つかりませんでした。東京都の資料には、工事の騒音を警戒したネズミが住んでいた場所を逃げ出し、民家に入ってくるという考え方が紹介されています。大きな音は、出ていかせるより、家の中で場所を移させるだけになることもあります。
Q.ハムスターや犬を飼っていても、超音波を流して大丈夫ですか。
ペットへの影響を確かめた資料は見つかりませんでしたが、犬・猫・モルモットなどは人より高い音まで聞こえます。ハムスターなどの齧歯類は、ネズミに近い動物です。ペットのいる部屋やケージの近くでは鳴らさず、様子がいつもと違えばすぐ止めてください。
まとめ
まとめ
- ネズミは人より高い音(76〜91kHz くらい)まで聞こえるが、「嫌いな音」を流せば出ていくと確かめた公的な資料は見つからなかった
- 東京都の資料は、超音波の機器の実用効果には否定的な意見のほうが多いとし、海外の研究や大学の資料も、ネズミは繰り返す音にすぐ慣れるとしている
- スマホや動画の音は、音声の形式とスピーカーの上限から、多くても 20kHz 前後。ネズミ向けの超音波はほとんど出ていない
- 同じ部屋のペット(とくに齧歯類)や家族にも聞こえている。ペットのそばでは鳴らさない
- 対策の中心は、侵入口を塞ぐ・餌を断つ・巣を作らせない。家ネズミ 3 種は鳥獣保護管理法の対象外で、自分で捕まえてよい
- 10〜11月は家に入り込む時期。音が戻る、入り口が高い・見つからないときは、侵入口の調査を頼む
ネズミ
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