イタチとテンの違い|大きさ・毛色・すみかで見分けて、家に入られたときの対処を決める | 害虫害獣駆除ナビ本記事にはプロモーションが含まれます。
イタチとテンの違い|大きさ・毛色・すみかで見分けて、家に入られたときの対処を決める
公開 イタチ
庭を細長い動物が横切った。天井裏を何かが走り回っている。写真を撮ってみたけれど、イタチなのかテンなのか分からない。どちらも胴が長く足の短いイタチ科の動物なので、見間違えやすい組み合わせです。
先に結論を書きます。
- 大きさが一番の手がかりです。テンは頭胴長40〜50cmほどで、イタチより大型です(長野市立博物館、林野庁、愛知県)。オスのニホンイタチは頭胴長27〜37cmです(国土交通省 太田川河川事務所)
- 冬に、顔が白く体が明るい黄色の動物を見たら、テンの冬毛の可能性があります(東京都建設局)。ただし、テンの毛色は地域で違い、褐色の個体も多くいます(愛知県)
- テンは森林にすみ、木登りが得意な動物です(島根県、愛知県)。市街地や平野部で家に入り込んで苦情になるのは、主に**イタチ(特に外来のシベリアイタチ)**です(大阪府、枚方市)
- どちらも許可なく捕まえることはできません(鳥獣保護管理法)。家に入られたときに自分でしてよいのは、追い出しと、いなくなってからの侵入口の封鎖までです
この記事では、国や自治体、博物館の資料をもとに、見た目・すむ場所・痕跡の違いを比べます。そのうえで、法律上の扱いの違いと、家に入られたときにやることをまとめます。
早見表:イタチとテンの違い
同じイタチ科でも、テンは森の木の上を使う動物、イタチは水辺や人里の地面を使う動物、と考えると違いがつかみやすくなります。
見た目で見分ける
大きさ:テンはひと回り以上大きい
いちばん分かりやすいのは体の大きさです。
この記事の作成方針
複数の駆除事業者が公表している料金表と、環境省・自治体の公開情報をもとに作成しています。掲載している費用は目安であり、実際の金額は建物の構造・地域・被害状況により変動します。
| ニホンイタチ(メス) | 16〜25cm | 7〜9cm | 140〜300g | 太田川河川事務所 |
ニホンイタチは、オスとメスの大きさの差がとても大きい動物です(太田川河川事務所)。メスのイタチはテンの半分ほどの長さしかありません。
ただし、外で一瞬見ただけでは、大きさを正確に測ることはできません。近くの塀の高さや植木鉢など、あとで測れる物と並んだ位置を覚えておくと、大きさの見当がつきます。
毛色と顔:冬の「黄色い体に白い顔」はテン
テンは、季節で見た目が大きく変わる動物です。東京都建設局の資料では、ホンドテンの夏毛は顔が黒く、体はオレンジっぽい色で細身、冬毛は顔が白く、体は明るい黄色で、ずんぐり丸く見えると説明しています。換毛は気温ではなく、日の長さの変化で起こることが分かっているとしています。
ただし、すべてのテンが黄色くなるわけではありません。
- 愛知県のレッドデータブックによると、テンの毛色は鮮やかな黄色から褐色まで変化に富み、黄色のものは「キテン」、褐色のものは「スステン」と呼ばれます。スステンは紀伊半島南部と四国に多く、これらの地域では9割を占めるという報告が紹介されています
- 島根県は、テンは夏は褐色、冬は黄色か灰褐色になるとしています
- 林野庁 東北森林管理局は、冬毛のときに顔が白くなる個体が東北に多いとしています
イタチも季節で色が変わります。太田川河川事務所の資料では、ニホンイタチは夏は褐色がかった黄土色、冬は山吹色です。顔は、額の中央から鼻先にかけて濃い褐色の斑紋があり、あごの下は白っぽいとされています。
「黄色っぽい」だけでは決められないので、次の組み合わせで見てください。
尾の長さだけでは区別しにくい
イタチの仲間どうしの区別には、尾の長さを頭胴長で割った「尾率」が使われます。環境省の識別資料では、成獣の尾率が40%程度ならイタチ(ニホンイタチ)、50%を超えればチョウセンイタチ(シベリアイタチ)が目安です。
一方、愛知県の資料ではテンの尾率は40%以上が普通とされていて、イタチの仲間と重なります。テンとイタチの区別では、尾の比率より体全体の大きさを見るほうが確かです。
イタチは2種類いる:ニホンイタチとシベリアイタチ
日本で見かけるイタチには、在来のニホンイタチと、外来のシベリアイタチ(チョウセンイタチ)がいます。
太田川河川事務所の資料によると、シベリアイタチは1930年頃に阪神地方の養殖場から逃げた個体をもとに関西で広がり、1945年頃には朝鮮半島からの船荷にまぎれて九州に入り込んだとされています。大阪府は、町で見かけるイタチはシベリアイタチが多いとしています。枚方市も、人家に入り込んで被害を出すのは大半がチョウセンイタチと言われているとしています。
すむ場所と暮らし方の違い
分布
テンは、住んでいる地域でも見かける場所がかたよります。たとえば愛知県では、テンが確実にいるのは三河地域の山間部を中心とする10市町村で、知多半島・渥美半島や平野部では絶滅したと考えられています(愛知県)。
すみかと行動
テンは森林にすむ動物です。島根県は「森林に棲む木登りの上手な動物」と説明しています。愛知県の資料でも、森林にすみ、木登りが得意で、ふつうは木のうろ(樹洞)に巣を作るとされています。登山道や林道もよく使います。
食べ物の幅が広いのもテンの特徴です。林野庁 東北森林管理局は、ホンドテンを日本の哺乳類でトップクラスに幅広い雑食性とし、木の実、果実、鳥、ネズミ、昆虫、カニなどを食べるとしています。長野市立博物館も、ネズミや昆虫のほか、マタタビやカキなどの果実を食べると説明しています。
イタチは、平野部の草地や川沿いなどの水辺を中心に、田畑や人家の周辺にもすんでいます(太田川河川事務所)。ネズミを中心に、カエルやザリガニ、魚なども食べます。主に夜行性で、日が落ちると穴から出て活動し、夜が明けると穴で休みます(太田川河川事務所)。
テンが1日のどの時間に動くかは、今回調べた公的な資料では確かめられませんでした。
家に入るのはどちらが多いか
自治体に寄せられる「天井裏に住み着いた」という相談の多くは、イタチについてのものです。大阪府、堺市、北九州市などは、イタチが天井裏を走り回る、糞尿のにおいがひどい、といった被害への対策を案内しています。イタチは3cm程度の隙間から入り込み、垂直の壁も登れます(大阪府、大分市)。
テンについては、愛知県の資料に「人家の天井などを利用することもある」と書かれています。家に入ることはありますが、今回調べた範囲では、テンの家屋被害について対策を案内している自治体のページは見つかりませんでした。テンがどのくらいの大きさの隙間を通れるかも、公的な資料では確かめられませんでした。
- 市街地や平野部の住宅で天井裏に動物がいるなら、まずイタチ(特にシベリアイタチ)を疑う
- 山あいや森の近くの家、木が屋根にかかっている家なら、テンの可能性も考える
天井裏の音がイタチ・テン以外の動物(ネズミ、ハクビシン、アライグマなど)ということもあります。音の聞こえ方で候補を絞る方法は、次の記事にまとめています。
痕跡で見分ける:糞と足跡
姿を見ていなくても、糞や足跡が手がかりになります。
糞:種が多ければテンやハクビシンの可能性
イタチは糞をするときに肛門腺でにおいを付けます(太田川河川事務所)。刺すような獣くさいにおいがあれば、イタチの可能性が上がります。
注意したいのは、種の混じった糞はハクビシンにもあることです。農林水産省のマニュアルも、糞の色や形は時期や食べ物で変わるとしています。糞だけで決めず、においや隙間の大きさ、見かけた姿とあわせて判断してください。イタチの糞の特徴はイタチの糞の見分け方で、ハクビシンやネズミの糞との比べ方は屋根裏の糞の見分け方で詳しく説明しています。
糞を片付けるときは、素手で触らず、使い捨ての手袋とマスクを着けてください。
足跡:どちらも残りにくい
テンもイタチも指は5本です。兵庫県立人と自然の博物館の資料は、テンやイタチなどは体重が軽いため、あまり足跡として残らないとしています。
島根県は、直径3cmの丸い跡が2つ対になって、約30cm間隔でついているものをテンの足あととしています。
見かけた場所と痕跡から判断する目安
どちらか分からないままでも、次の章の対処は大きく変わりません。
対処は変わるのか:法律上の扱い
どちらも許可なく捕まえられない
鳥獣保護管理法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)第8条は、鳥獣の捕獲等を原則として禁じています。例外は、都道府県知事などの許可を受けた場合(第9条)や、狩猟鳥獣を狩猟として捕る場合(第11条)などです。許可を受けずに狩猟鳥獣以外の鳥獣を捕獲等すると、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります(同法第83条)。
狩猟鳥獣としての扱いの違い
狩猟鳥獣は、同法の施行規則の別表第二で決まっています。
出典は施行規則の別表第二(e-Gov法令検索)と、環境省「狩猟制度の概要」です。シベリアイタチをオス・メスとも狩猟鳥獣とした省令の改正は、2017年(平成29年)9月15日に施行されました(環境省)。
狩猟鳥獣であっても、狩猟には狩猟免許と都道府県への狩猟者登録が必要で、猟期(北海道以外は原則として毎年11月15日〜翌年2月15日)の中でしか捕れません(環境省)。天井裏の動物がテンかイタチか、イタチならどちらの種でオスかメスかを、家の人が確かめることもできません。
つまり、テンでもイタチでも、家の人ができることは同じです。
- 捕獲器を買って自分で捕まえない
- 自分でしてよいのは、追い出しと、いなくなってからの侵入口の封鎖まで
- 捕獲が必要なら、自治体に許可の手続きを相談するか、業者に任せる
触らない、追い詰めない
枚方市は、イタチは自分から人に攻撃してくることはないものの、触るとかまれたり引っかかれたりする恐れがあり、マダニやノミなどの寄生虫を持っている可能性もあるとしています。テンも野生動物です。どちらであっても、素手で触ったり、追い詰めたりしないでください。家の中に入ってきたら、窓や戸を開けて外に出られる道を作ります。かまれたり引っかかれたりしたときは、医療機関に相談してください。
家に入られたときにやること
1. 記録を残す
種類を決めきれなくても、記録があれば業者や自治体が判断しやすくなります。
鳴き声も録音しておくとよいですが、声だけで種類を決めるのは難しいと考えてください。声と音の確かめ方は次の記事にあります。
2. 子育ての時期に注意する
イタチは一般に3〜5月に交尾し、およそ1か月後に出産します(太田川河川事務所)。島根県によると、テンも3〜4月に3匹くらいの子どもを産みます。春から夏にかけて天井裏に複数の気配があるときは、子どもがいる可能性があります。子どもがいるうちに侵入口を塞ぐと、中に取り残されてしまいます。この時期は、自分で塞ぐ前に業者や自治体に相談してください。
3. 相談先を決める
自治体に頼めることは地域で違います。動物ごとの整理は害獣駆除は市役所に頼める?にあります。追い出しと封鎖を自分でできるかどうかは、被害の進み具合で決まります。見極め方は次の記事にまとめています。
業者に任せる場合
天井にシミがある、においが強い、春から夏で子育ての気配がある、出入り口が2階の高さにある、屋根にかかった木から入っているらしい——このどれかに当てはまるなら、追い出しから封鎖、清掃・消毒までまとめて業者に見てもらうほうが安心です。費用の組み立ては、イタチ駆除の費用相場で説明しています。
イタチなどの害獣の駆除について相談を受け付け、条件に合う駆除業者を紹介してくれる窓口があります。相談は24時間365日受け付けていて、現地調査と見積もりは無料です。対応は宮城・関東・東海・北陸・関西の一部地域が中心です。
相談するときは、撮った写真や動画、音が聞こえる時刻と場所、糞やにおいの有無を伝えると、話が早く進みます。テンかイタチか分からなくても、そのまま伝えてかまいません。見積もりの内容に納得したうえで、契約するかどうかを決められます。
よくある質問
Q.庭で黄色い動物を見ました。イタチですか、テンですか。
冬に見たのであれば、テンの冬毛の可能性があります。東京都建設局の資料では、テンの冬毛は顔が白く、体が明るい黄色です。ただ、イタチも冬は山吹色になります(太田川河川事務所)。体が40cmを超えるほど大きいか、顔全体が白いか、額から鼻先に濃い色の斑紋があるか、で見分けてください。
Q.テンも天井裏に住み着きますか。
愛知県の資料には、テンはふつう木のうろに巣を作るが、人家の天井などを使うこともあると書かれています。ただ、自治体が対策を案内している天井裏の被害は、主にイタチです。山あいや森の近くの家、木が屋根にかかっている家では、テンの可能性も考えてください。
Q.テンなら捕まえてもいいのですか。
いいえ。テンは狩猟鳥獣ですが、狩猟には狩猟免許と狩猟者登録が必要で、猟期の中でしか捕れません(環境省)。それ以外で捕獲するには許可が要ります(鳥獣保護管理法第9条)。家の人ができるのは、追い出しと、いなくなってからの侵入口の封鎖までと考えてください。
Q.イタチとテンで、追い出し方は違いますか。
どちらも許可なく捕まえられないので、基本は同じです。いなくなったのを確かめてから、出入りしている隙間を塞ぎます。イタチは3cm程度の隙間から入り込めるので(大阪府、大分市)、小さな隙間も見落とさないでください。テンは木登りが得意なので(島根県、愛知県)、屋根にかかる枝がないかも見てください。
まとめ
まとめ
- いちばんの違いは大きさ。テンは頭胴長40〜50cmほど、オスのニホンイタチは27〜37cm、メスはさらに小さい
- 冬に顔が白く体が明るい黄色ならテンの冬毛の可能性。ただし褐色のテンも多く、イタチも冬は山吹色になる。顔の斑紋とあわせて見る
- テンは森林にすみ木登りが得意。イタチは水辺や人里にすむ。市街地の天井裏で被害が多いのはイタチ(特にシベリアイタチ)
- テンの糞には果実の種がよく混じる。ハクビシンの糞にも種があるので、においや隙間の大きさとあわせて判断する
- どちらも許可なく捕まえられない。ニホンイタチのメスは狩猟鳥獣ではない。テンは狩猟鳥獣だが、ツシマテンは除かれる
- 種類が分からなくても対処は同じ。記録を残し、子育ての時期に注意して、追い出しと封鎖、または相談に進む
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