雪虫とは?|白い綿のような虫の正体と飛ぶ時期、人への害、服・洗濯物・車に付いたときの扱い | 害虫害獣駆除ナビ本記事にはプロモーションが含まれます。
雪虫とは?|白い綿のような虫の正体と飛ぶ時期、人への害、服・洗濯物・車に付いたときの扱い
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秋の晴れた日、白い綿くずのような小さな虫が、ふわふわと空中を漂っている。歩いていると服や髪に付き、干した洗濯物や車にも止まっている。北海道では、この虫を「雪虫(ゆきむし)」と呼びます。
札幌市保健所の案内によると、雪虫はアブラムシの仲間で、人に危害を加えることはありません。刺したり、かんだりする虫ではないということです。ただ、大量に飛ぶ日は服や顔に付いたり、目や口に入ったりして、わずらわしい思いをします。
この記事では、札幌市・北海道の試験場・大学の研究者の資料をもとに、次の順で整理します。
- 雪虫の正体(どんな虫か、なぜ白いのか)
- 飛ぶ時期と、飛ぶ理由
- 人への害はあるか
- 服・洗濯物・車に付いたときの扱いと、大量に飛ぶ日の過ごし方
- 家に入れない工夫
- 似た虫との見分け方
雪虫の正体はアブラムシの仲間
正式な名前は「トドノネオオワタムシ」
北海道で「雪虫」と呼ばれている虫の代表は、トドノネオオワタムシというアブラムシです。札幌市博物館活動センターの解説によると、「トドノネ」は、この虫が夏を過ごすトドマツの根を指しています。
この記事の作成方針
複数の駆除事業者が公表している料金表と、環境省・自治体の公開情報をもとに作成しています。掲載している費用は目安であり、実際の金額は建物の構造・地域・被害状況により変動します。
| 木で暮らしている間は羽がない。移動する時期に、羽と白い綿の生えた虫が現れる(札幌市保健所) |
白い綿の正体はロウ
雪虫が白く見えるのは、体から出したロウの綿毛をまとっているからです(札幌市博物館活動センター)。北海道大学の三浦徹氏の解説(植物防疫、2012年)も、腹部の背中側に分泌した白いワックス成分を着けているため白っぽく見える、と説明しています。
なぜ綿毛をまとうのかは、まだはっきり分かっていないとされています(札幌市博物館活動センター)。
なお、札幌市保健所は、雪虫の仲間がすべて綿を持っているわけではない、としています。綿の少ない仲間については、後の「似た虫との見分け方」で触れます。
飛ぶ時期と、飛ぶ理由
年に2回、木から木へ引っ越す
雪虫は、季節によって住む木を変えます。札幌市博物館活動センターと札幌市保健所の資料をまとめると、1年はおおよそ次のようになります。
秋に飛ぶのは、冬を越すための卵を産む木へ向かうためです。三浦氏の解説によると、秋に飛ぶ羽のある虫(産性虫)は、自分では卵を産みません。木に着くとオスとメスを産み、その雌雄が交尾して、樹皮の下に冬を越す卵を産みます。春になると、その卵から次の世代が生まれます。
初夏にも移動の時期がありますが、「雪虫」と呼ばれて目立つのは、雪が降る前の寒くなった秋に飛ぶ虫です(札幌市博物館活動センター)。
大量に飛ぶ年と、少ない年がある
雪虫の数は、年によって大きく変わります。北海道新聞の報道(2024年11月1日)によると、北海道大学名誉教授の秋元信一氏は、20年余り北大構内などで定点観測を続け、札幌で9月の平均気温が20度前後になると、10月中旬以降に大発生するという傾向を見いだしていました。一方で、残暑が厳しかった2024年は大発生が予想されたものの、「珍しく非常に少ない年だった」と述べています。
気温だけで決まるわけではなく、今年が多いか少ないかを前もって言い当てるのは難しいと考えておくのがよさそうです。
「雪虫が飛ぶと雪が近い」は当てになるか
北海道では、雪虫が飛ぶと、およそ1〜2週間後には初雪が降ると言われてきました。日本気象学会の会誌『天気』の編集後記(2011年)は、この言い伝えを紹介したうえで、執筆者の職場の周りでたくさん飛んでいた日から3週間たっても初雪が降らなかったとして、あまり当てにしてはいけないようだと書いています。冬が近いことの目安くらいに考えておくのがよいでしょう。
どこで見られるか
ここまでの資料は、いずれも北海道(主に札幌)の雪虫についてのものです。トドノネオオワタムシが暮らすトドマツとヤチダモは、北海道でなじみのある木です。
本州でも、白い綿をまとって飛ぶ小さな虫は「綿虫」「しろばんば」などと呼ばれてきました。『天気』の編集後記は、井上靖の小説『しろばんば』(舞台は大正初期の伊豆)の冒頭にこの虫が飛ぶ姿が描かれていることに触れつつ、現在では北国以外ではめったに大量発生は見られないようだと書いています。
ただし、東北など本州の各地で「雪虫」と呼ばれている虫がどの種類なのか、いつごろ飛ぶのかについては、自治体や研究機関の資料で確かめることができませんでした。北海道以外にお住まいの方は、時期や種類が北海道と違うことがある、と考えてください。
人への害はあるか
刺さない・かまない
札幌市保健所は、雪虫について**「人に危害を加えることはありません」**としています。雪虫は木の樹液を吸うアブラムシで、人の血を吸ったり、刺したりする虫ではありません。札幌市は、雪虫を「不快な虫」に分類しています。
困るのは「数」
雪虫で困るのは、毒や刺し傷ではなく、大量に飛んだときのわずらわしさです。北海道新聞の報道(2023年11月3日)は、2023年10月25日に札幌市中央区の大通公園で雪虫が大量に飛び、手で払っても向かってきて、目や口、服にもくっついた様子を伝えています。
アレルギーなど健康への影響は
雪虫がアレルギーの原因になるかどうかについては、自治体や研究機関の資料で確かめることができませんでした。目に入って痛みや充血が続く、せきが止まらないなど、体の具合が悪いときは、虫の種類にかかわらず医療機関に相談してください。
木への影響
北海道立林業試験場の資料(2000年)によると、トドノネオオワタムシに吸われたヤチダモは葉が縮れる程度で、枯れた例は稚樹で1例観察されているにすぎず、林では防除の必要はないとされています。庭木に雪虫が止まっていても、それだけで木が枯れる心配は小さいと考えられます。
服・洗濯物・車に付いたときの扱い
人に害のない虫なので、殺虫剤で退治する必要はありません。札幌市保健所の案内にある対策も、網戸で室内に入られないようにすることだけです。付いたものは、払って落とせば十分です。
以下は、自治体の資料に手順として書かれているものではなく、雪虫が小さくて体がやわらかい虫であることから考えた、一般的な扱い方です。
洗濯物の取り込み方は、同じ秋に洗濯物へ付く虫として知られるカメムシの記事でも詳しく説明しています。ベランダでの干し方の工夫は、ベランダのカメムシ対策が参考になります。
車の塗装に雪虫が付いたままにしておくと傷むかどうかについては、公的な資料で確かめることができませんでした。気になる場合は、ほかの汚れと同じように、早めに水で洗い流しておくと安心です。
大量に飛ぶ日の過ごし方
雪虫が多いのは、札幌市保健所の案内では10月下旬ごろ、北海道新聞が伝える秋元氏の観測では10月中旬以降です。大量に飛んでいる日に外へ出るときは、次のような工夫が考えられます。
- 目や口に入らないようにする:眼鏡やマスクを着ける。話しながら歩くと口に入りやすい
- 払い落としやすい服を選ぶ:毛足の長いセーターやフリースより、表面がつるっとした上着のほうが、付いても払いやすい
- 洗濯物は、その日は室内干しにする:外に干すなら、乾いたら早めに取り込み、取り込む前に振る
- 帰宅したら、玄関に入る前に服と髪を払う
これらは、雪虫が服や顔に付きやすいという報道(北海道新聞、2023年)を踏まえた工夫で、効果を数字で確かめた資料があるわけではありません。雪虫は人に危害を加えないので、数が多い時期を数日〜数週間やり過ごすつもりで構えるのが現実的です。
家に入れない工夫
札幌市保健所がユキムシの対策として挙げているのは、室内に入られないように網戸を取り付けることです。
秋は、雪虫のほかにも、カメムシなどが冬を越す場所を探して家に近づく時期です(カメムシが家の中に入ってくる秋の対策)。網戸のすき間や、サッシのレールを一度見ておくと、ほかの虫の侵入対策にもなります。
- 網戸に破れやすき間がないか確かめる
- 窓を開けるのは、雪虫が少ない朝夕や、曇りの日にする
網戸やサッシのすき間の点検の仕方は、次の記事で詳しく説明しています。
似た虫との見分け方
秋に外で群れて飛ぶ小さな虫は、雪虫だけではありません。見た目と場所で、おおよそ次のように分けられます。
北海道新聞(2023年11月3日)は、2023年に大量発生した雪虫が「白くない」ものだったと伝えています。白さだけで判断せず、群れて飛ぶ時期や場所も合わせて見てください。
家の中で、外から来たとは思えない小さな虫が毎日のように見つかるときは、食品などの発生源を探す必要があります。探し方は次の記事にまとめています。
よくある質問
Q.雪虫は人を刺したり、かんだりしますか。
刺したり、かんだりはしません。札幌市保健所は、雪虫(トドノネオオワタムシ)はアブラムシの仲間で、人に危害を加えることはないとしています。木の樹液を吸って育つ虫です。
Q.雪虫はいつごろ飛びますか。
札幌市保健所の案内では、羽と白い綿の生えた虫が現れるのは6月下旬〜7月上旬と10月下旬ごろです。目立つのは秋で、トドマツからヤチダモへ移り、冬を越す卵を産むために飛んでいます。北海道新聞が伝える北海道大学名誉教授の観測では、札幌で9月の平均気温が20度前後の年は、10月中旬以降に大発生する傾向があるとされています。
Q.雪虫の白い綿は何ですか。
体から出したロウの綿毛です。北海道大学の研究者の解説でも、腹部の背中側に分泌した白いワックス成分を着けているため白っぽく見えるとされています。なぜ綿毛をまとうのかは、まだはっきり分かっていません。
Q.服や洗濯物に付いた雪虫はどうすればいいですか。
人に害のない虫なので、殺虫剤は要りません。服は家に入る前に軽く払い、洗濯物は取り込む前に1枚ずつ振って落とします。強くこするとつぶれてしまうので、なでるように払うのがよいでしょう。大量に飛ぶ日は、洗濯物を室内干しにするのも一つの方法です。
Q.雪虫が飛ぶと、本当に雪が降りますか。
北海道では、雪虫が飛ぶと1〜2週間後に初雪が降ると言われてきました。ただ、日本気象学会の会誌『天気』の編集後記には、雪虫がたくさん飛んでから3週間たっても初雪が降らなかったとして、あまり当てにしてはいけないようだと書かれています。冬が近い目安くらいに考えてください。
Q.雪虫を家に入れないにはどうすればいいですか。
札幌市保健所が挙げている対策は、網戸を取り付けることです。網戸の破れやすき間を確かめ、雪虫が多い日は窓を開けるのを控えると、室内に入るのを減らせます。
まとめ
まとめ
- 雪虫の正体は、トドノネオオワタムシというアブラムシの仲間。白い綿は体から出したロウ
- 札幌市保健所は、雪虫は人に危害を加えないとしている。刺さない・かまない
- 秋に飛ぶのは、トドマツからヤチダモへ移り、冬を越す卵を産むため。札幌市保健所の案内では10月下旬ごろ
- 大量に飛ぶ年と少ない年がある。札幌で9月の平均気温が20度前後の年は、10月中旬以降に大発生する傾向が観測されている(北海道新聞が伝える秋元氏の観測)
- 服や洗濯物に付いたら、殺虫剤は使わず、軽く払って落とす。大量に飛ぶ日は眼鏡・マスク、室内干しが役に立つ
- 家に入れない対策は、網戸(札幌市保健所)
- 綿の目立たない雪虫の仲間(ケヤキフシアブラムシ)や、蚊柱をつくるユスリカなど、似た虫もいる