ベランダのカメムシ対策|晴れた秋の日に集まる理由と、洗濯物・手すり・サッシで潜り込ませない工夫 | 害虫害獣駆除ナビ本記事にはプロモーションが含まれます。
ベランダのカメムシ対策|晴れた秋の日に集まる理由と、洗濯物・手すり・サッシで潜り込ませない工夫
公開 カメムシ
この記事の作成方針
複数の駆除事業者が公表している料金表と、環境省・自治体の公開情報をもとに作成しています。掲載している費用は目安であり、実際の金額は建物の構造・地域・被害状況により変動します。
| 南向きなど日がよく当たるベランダほど、飛んでくる数が多くなりやすい |
| 富山県での調査では、9月下旬ごろから飛来が始まり、11月初旬にピーク、同月下旬に終息に向かう(渡辺ら、1994) | 対策の本番は10〜11月。地域によって時期はずれる |
| 飛来が始まるのは最低気温が15℃以下になった後、最も多いのは最低気温が10℃以下になった後の、よく晴れた日(渡辺ら、1994の考察) | 朝晩冷え込むようになってからの、晴れて暖かい日中が要注意 |
| 着地した場所と、潜り込んで冬を越す場所は一致するとは限らない | 手すりや洗濯物に止まった後、近くの暗いすき間を探して歩き回る |
| 物と物の間のような狭くて暗い場所に好んで潜り込む。家への侵入も、暗い場所としてすき間に潜り込んだ結果、たまたま中に通じてしまうのではないか、と考察されている | ベランダの「暗いすき間」を減らすことが、家に入れない対策にもなる |
自治体の案内も、時期についてはおおむね同じです。千葉市は9〜11月を集団移動の時期とし、天気がよく暖かい日に集団で飛ぶことがあり、そのときに洗濯物や家の壁に付いたり、家の中に入ったりすると説明しています。札幌市の案内では、屋内への侵入は10月中旬ごろからです。
「白い洗濯物に集まる」は本当か
カメムシは白いものに集まる、という話はよく聞きます。札幌市の案内にも、森林を背にした白壁の家が侵入被害を受けやすいようだ、という記述があります。
一方で、外山氏の解説は、建物の色や材質が飛来数を左右するとは限らないらしいとしています。同じように建物に集まって冬を越すテントウムシの野外実験では、通説に反して白より黒の目印に多く集まったという結果があり、色そのものより、まわりの景色との対比(くっきり目立つ大きな影)が手がかりになっている可能性が考察されています。
つまり、色の影響ははっきりしていません。洗濯物の色を選ぶより、干す時期と時間を短くすること、取り込むときに潜り込んでいる場所を確かめることのほうが、効果を見込みやすい対策です。
臭いで仲間を呼んでいるわけではない
「1匹来ると、臭いで仲間が集まってくる」と心配する人もいます。外山氏の解説は、越冬地への飛来に誘引物質(フェロモンなど)が関わっている可能性は低いのではないか、としています。集まった後に体を寄せ合って固まる性質はありますが、においが働くとしても、ごく近い距離に限られるだろうと述べています。
ベランダに何匹も来るのは、呼ばれたからではなく、日当たりと潜り込める場所という同じ条件に、それぞれが引き寄せられた結果と考えられます。
ベランダで潜り込みやすい場所を点検する
カメムシは、着地した後に「狭くて暗い場所」を探します。ベランダには、そうした場所がたくさんあります。10月に入ったら、次の場所を一度見てください。
「片付ける」のは、カメムシを殺すためではなく、ベランダに冬越しの場所を作らないためです。潜り込める場所が少なければ、止まっても、そのうちよそへ移っていきます。
カメムシの体は平たく、堺市の案内によると2〜3ミリメートルほどの隙間があれば屋内に侵入できます。サッシや網戸のわずかな隙間も、ベランダから部屋への通り道になります。
洗濯物:干す時期と時間を短くする
10〜11月は室内干しを基本に
いちばん効果がはっきりしているのは、外に干さないことです。堺市は、10〜11月は外干しをやめて室内干しにすると、カメムシの付着を防ぐ効果があると案内しています。1年中ではなく、この時期だけ室内干しや乾燥機に切り替えるだけでも、部屋に持ち込む数を減らせます。
- 晴れて暖かい日の昼間は、干す時間を短くする:飛来が多いのは、冷え込みが始まった後のよく晴れた日です(渡辺ら、1994の考察)。乾いたら早めに取り込みます
- 布団やシーツなど、大きくて重なりの多いものは室内で:潜り込める場所が多いからです
- 取り込むときは、ベランダの上で1枚ずつ:たたみ目や袖、フード、ポケットを開いて確かめ、いたら布ごと軽く振って落とします。手ではたくと刺激して臭いを出させます
干す場所を変えられるなら
同じベランダでも、手すりに近い外側ほど日が当たり、飛んでくるカメムシが最初に止まりやすい場所です。ひさしの下や窓に近い内側に干す、という工夫もあります。ただし、効果を確かめた資料は見当たらないので、室内干しに切り替えられない日の補助と考えてください。
手すり・サッシ・網戸:薬剤を使うなら
自治体の案内にある方法
堺市は、市販のカメムシ用の殺虫剤の多くにはピレスロイド系の成分が含まれていて、壁や窓まわり、換気口などに吹き付けておくと、カメムシを寄せつけにくくする効果があるとしています。札幌市も、家屋への侵入が始まる前に、窓枠や溝、換気口の周囲に専用の殺虫剤を散布しておくよう案内しています。
ベランダでは、次の場所が吹き付ける候補になります。
- サッシの外側の枠と、網戸の枠のまわり
- 手すりの裏側や、カメムシがよく止まっている壁面
- エアコンの配管が壁に入っているところのまわり
製品によって、使える場所(屋外の壁に使えるか、網戸に使えるか)、効果が続く期間、使い方が違います。ラベルに書かれた場所と量の範囲で使ってください。
ベランダで薬剤を使うときの注意
ベランダは、自分の家と外と、隣の家との境目です。部屋の中とは違う気配りがいります。
ベランダで野菜やハーブを育てている場合は、農林水産省と環境省の通知「住宅地等における農薬使用について」(2013年4月26日)が参考になります。この通知は家庭菜園も対象にしていて、人の手での捕殺や防虫網で農薬の回数を減らすこと、登録された農薬をラベルどおりに使うこと、無風か風の弱いときに散布すること、散布前に周辺の住民に知らせることなどを求めています。カメムシの幼虫がプランターの植物で育っているときの減らし方は、カメムシの幼虫の見分け方で説明しています。
ハッカなどの香りで寄せつけない方法は
ハッカ油を薄めた水を吹き付ける、香りの強いハーブを置く、といった方法もよく紹介されます。ただ、屋外のベランダで、カメムシの飛来や潜り込みが減るかを確かめた公的な資料は、調べた範囲では見つかりませんでした。香りは風で流れて薄まりやすいので、使うとしても、すき間を減らす・室内干しにする、といった対策に足すものと考えてください。
集合住宅のベランダで気をつけること
ベランダは「共用部分」のことが多い
分譲マンションのベランダ(バルコニー)は、多くの場合、住んでいる人の持ち物ではなく、住んでいる人が専用に使ってよい共用部分です。国土交通省の「マンション標準管理規約」は、バルコニーについて区分所有者が専用使用権を持つと定め(第14条)、通常の使用に伴う管理は、専用使用権を持つ人が自分の責任と負担で行うとしています(第21条)。実際の扱いは、それぞれのマンションの管理規約で決まります。
- 手すりや壁にネットを固定するために穴をあける、ビスを打つ
- サッシや外壁の隙間をコーキングで埋める
- ベランダ全体を覆うネットを張りっぱなしにする
こうした作業は、規約で制限されていることがあります。始める前に管理規約を見るか、管理会社に確かめてください。賃貸住宅なら、大家や管理会社への相談が先です。費用を誰が負担するかの考え方は、賃貸で害虫・害獣が出たら駆除費用は誰が払う?で説明しています。
避難ハッチと隔て板のまわりに物を置かない
「片付ける」話と逆になりますが、カメムシよけのグッズや、取り込んだ物の仮置きで、避難の通り道をふさがないようにしてください。堺市のリーフレット「避難訓練Ⅲ(避難はしご編)」は、ハッチ式の避難器具の上や、降りる先の場所に物を置くと、緊急時に使えなくなるとして、物を置かないよう注意しています。隣の住戸との間の仕切り板(隔て板)の前も、ふさがないようにしておきます。
ベランダで見つけたときの処分
屋外なら、殺さずに外へ出すこともできる
家の中と違い、ベランダはもともと外です。少数なら、殺さずにベランダの外へ出すのがいちばん手間がかからず、臭いも出させにくい方法です。
- 手すりや壁にいる:はがき大の厚紙を前に差し出して乗り移らせ、そのまま外へ出す
- 洗濯物に付いている:布ごとベランダの外側へ向けて軽く振って落とす
- 床を歩いている:紙ですくうか、紙コップをかぶせて下に紙を差し込み、外へ出す
刺激を与えると臭いを出すので、つぶさない、たたかない、素手で触らないが基本です。千葉市の案内は、死んだカメムシに触れても臭いが付くので、素手では触らないよう注意しています。
外に出したくない、数が多いとき
何度も戻ってくる、数が多い、という場合は、捕まえて処分します。堺市は、つぶさないようにガムテープや紙を使ってそっと捕獲するか、即効性のある市販の殺虫剤を使う方法を挙げています。
- ガムテープを背中に上からそっと当てて貼り付け、粘着面を合わせて折りたたみ、袋に入れて捨てる
- 手すりの裏などに固まっているときは、カメムシ用の殺虫スプレーを使う。動かなくなったものも、素手ではなく紙やテープで包んで捨てる
やらないほうがよいこと
手に臭いが付いたら、石けんでよく洗います。千葉市の案内のとおり、カメムシの臭いは揮発性の強い油状の物質なので、水だけでは落ちにくいからです。
冬と春:ベランダで越冬していたら
秋のうちにベランダの物のすき間に潜り込んだカメムシは、そのまま冬を越すことがあります。千葉市の案内では、4〜6月ごろが、越冬したカメムシが餌となる植物を求めて飛び立つ時期です。
春に、置きっぱなしの物の下や、室外機の裏、戸袋から出てきたら、そこが冬越しの場所になっていたということです。場所をメモしておき、次の秋が来る前にその物を片付けるか、すき間をふさいでおくと、翌年はベランダにとどまる数を減らせます。
冬のあいだに暖かい日や暖房で動き出したカメムシが室内に出てくることもあります。冬に出てくる理由と、カメムシが多い年がどう決まるかは、次の記事で説明しています。
自分で手に負えないとき
カメムシは屋外の広い範囲にいる虫なので、川崎市の案内も、屋外での駆除は困難だとしています。業者に頼んでも、飛んでくるカメムシをゼロにすることはできません。相談する意味があるのは、次のような場合です。
- 2階以上の外壁や軒下、戸袋の奥など、自分では手の届かない場所に毎年たくさん固まる
- ベランダから部屋へ入ってくる経路が分からず、毎年何十匹も室内で見つかる
- 共用部分の隙間が原因と思われる(この場合は、まず管理会社へ)
業者に頼むときは、薬剤をまくだけでなく、どこから入っているかの調査と、隙間をふさぐ作業まで含まれているかを確かめてください。見積書の見方と比べる軸は、次の記事にまとめています。
家の中に入ってしまったときの処分と、網戸・換気口の対策は、次の記事で扱っています。
よくある質問
Q.ベランダにカメムシが集まるのはなぜですか。
冬を越す場所を探しているからです。千葉市は9〜11月ごろを、越冬する場所を求めて集団移動する時期としています。農研機構の研究者の解説によると、越冬地への飛来は日当たりのよい場所に多く、着地した後は狭くて暗い場所に潜り込む性質があります。日がよく当たり、洗濯物や物のすき間があるベランダは、その条件がそろった場所です。
Q.白い洗濯物を干さなければ、カメムシは来ませんか。
色の影響ははっきりしていません。札幌市は白壁の家が被害を受けやすいようだとしていますが、農研機構の研究者の解説は、建物の色や材質が飛来数を左右するとは限らないらしいとしています。色を選ぶより、10〜11月は室内干しにする、外に干すなら時間を短くして、取り込む前にたたみ目や袖を確かめるほうが効果が見込めます。
Q.ハッカ油のスプレーはベランダのカメムシに効きますか。
屋外のベランダで効果を確かめた公的な資料は、調べた範囲では見つかりませんでした。香りは風で薄まりやすいので、使うとしても補助と考えてください。自治体の案内に出てくるのは、室内干し、隙間をふさぐこと、窓まわりにカメムシ用の殺虫剤を使うことです。
Q.マンションのベランダにネットを張ってもいいですか。
分譲マンションのベランダは、多くの場合、専用に使ってよい共用部分です。穴をあけて固定する、張りっぱなしにするといった方法は、管理規約で制限されていることがあります。管理規約を見るか、管理会社に確かめてから行ってください。避難ハッチや隔て板のまわりはふさがないようにします。
Q.ベランダのカメムシは殺さないといけませんか。
少数なら、厚紙に乗せたり、洗濯物ごと振ったりして外へ出すだけでもかまいません。つぶす、はたく、素手で触ると臭いを出すので避けます。何度も戻ってくる、数が多いときは、ガムテープでそっと捕まえるか、カメムシ用の殺虫スプレーを使います。
まとめ
まとめ
- カメムシがベランダに集まるのは、冬を越す場所を探しているから。千葉市は9〜11月ごろを集団移動の時期としている
- 飛来は日当たりのよい場所の、冷え込みが始まった後のよく晴れた日に多い。着地した後は狭くて暗いすき間に潜り込む
- 色の影響ははっきりしていない。干す時期と時間を短くし、取り込む前にたたみ目を確かめるほうが効果を見込みやすい
- ベランダの物のすき間を減らす(物干し竿の端、室外機の裏、鉢の下、置きっぱなしの物)
- 薬剤は洗濯物がないとき、風の弱い日に、ラベルどおり。植物には登録された農薬だけを使う
- マンションのベランダは共用部分のことが多い。穴あけや固定は管理規約を確認し、避難の通り道はふさがない
- 見つけたら、つぶさず、素手で触らず。少数なら外へ出すだけでもよい
カメムシ
カメムシが家の中に入ってくる秋の対策|洗濯物・網戸・サッシから入れない方法と、臭いを出させずに処分する手順