シミ(紙魚)という虫とは?銀色の細長い虫の正体|見分け方・害・出る原因と減らし方 | 害虫害獣駆除ナビ本記事にはプロモーションが含まれます。
シミ(紙魚)という虫とは?銀色の細長い虫の正体|見分け方・害・出る原因と減らし方
公開 症状から調べる
この記事の作成方針
複数の駆除事業者が公表している料金表と、環境省・自治体の公開情報をもとに作成しています。掲載している費用は目安であり、実際の金額は建物の構造・地域・被害状況により変動します。
1cm前後
銀色っぽいうろこ
お尻の3本の長い毛
白っぽいシミ:ニュウハクシミ
体が真っ白に近いシミは、外来種のニュウハクシミかもしれません。東京文化財研究所によると、白〜乳白色で、2022年に国内で初めて報告されました。報告された当時は5都道県だった分布が、2025年9月末時点で19都道府県に広がっています。
この虫が問題になっているのは、主に博物館や文書館です。メスだけで卵を産んで増える(単為生殖)ため、1匹から1年後に約130匹、3年後には約2万匹に増えるとされています(東京文化財研究所の報道発表)。今回確かめた資料は博物館や文書庫での発見例が中心で、一般の家庭でどのくらい見つかっているかは分かりませんでした。
ほかの虫との見分け方
家の中で見る細長い虫・すばやい虫は、シミだけではありません。大きさと色、形で絞り込みます。
- 銀色のうろこと、お尻の3本の毛が見えない平たい虫が台所や水まわりで走っていたら、ゴキブリの幼虫かもしれません。幼虫は飛べないので、家の中で生まれた可能性があります。確かめ方は小さいゴキブリはゴキブリの幼虫?で説明しています
- 1mmほどの小さな虫が本や畳の上を歩いているなら、シミではなくチャタテムシの可能性が高いです。どちらも本のまわりに出ますが、大きさが10倍ほど違います。チャタテムシは湿気とカビの多い部屋で増える虫です
- 脚がとても長く、3cmほどある虫ならゲジです。シミと同じく夜に走りまわりますが、脚の長さで見分けられます。ムカデとの違いはゲジとムカデはどう見分ける?で整理しています
本や畳のまわりで見つかる小さな虫の見分け方と、湿気とカビの減らし方は、次の記事にまとめています。
何を食べ、どこにいるのか
紙と糊、衣類、ほこりを食べる
シミは雑食性で、特に植物質を好みます(名古屋市)。家の中では、次のようなものを食べることがあります。
ほこりや髪の毛までえさになるということは、本や紙をしまい込んでいなくても、掃除の行き届かないすき間があればすみつけるということです。文化財虫菌害研究所の資料は、シミはえさがない状態でも1年以上生きるとしています。
本の食べ方:表面をなめるようにかじる
シミは、紙の表面をなめるように浅く食べます。シバンムシ類のように本の内部までトンネル状に穴をあけることはありません(文化財虫菌害研究所)。東京文化財研究所も、セイヨウシミは紙の表面を食べて穴をあけるものの、本の中を掘り進んで食べることはないとしています。食べた跡のまわりが、黒く細長いフン(長さ1mm前後。文化財虫菌害研究所)で汚れることもあります。
世界大百科事典も、「シミの食痕」と呼ばれてきた本の穴は、実際にはシバンムシ科の甲虫によるものだとしています。奥まで続く穴が開いていて、2〜3mmの硬い甲虫を窓辺や台所でも見かけるなら、ごまみたいな小さい虫の正体は?の手順で発生源を探してください。
寿命が長く、少しずつ増える
シミは昆虫の中では長生きです。寿命は資料によって違い、ヤマトシミは7〜8年(文化財虫菌害研究所)、4年あまり(世界大百科事典)、数年間生きる場合が多い(東京文化財研究所)とされています。
卵は直径1mmほどで、1回に10個前後を、暖かい時期に数回に分けて産みます(文化財虫菌害研究所)。東京文化財研究所の講演録では、在来のシミ類は数年生きるので爆発的に増えるわけではないものの、同じ場所に長くいて、時間をかけて被害を出すとされています。
人への害:刺すのか、病気はうつすのか
東京都の資料は、シミについて「大きな害はありません」としています。新宿区の資料も、シミとチャタテムシを「害はないけど不快な虫」としてまとめ、人に不快感を与えるものの、大きな被害を与えることはないとしています。
今回確かめた自治体(東京都、新宿区、名古屋市)と東京文化財研究所の資料には、シミが人を刺す・咬む、病気をうつすという記述はありませんでした。資料に書かれている被害は、紙・本・布・食品を食べることと、フンによる汚れ、それに見たときの不快感です。
- 大切な本や書類、掛け軸がある:シミは表面を少しずつ食べるので、気づいたときには表紙や文字の一部が欠けていることがあります。古い本や和紙の書類をしまっている場所は、早めに点検してください
- シミが食べた食品は食べない:食品を加害することがあるので(名古屋市)、虫やフンが入っていた食品は捨ててください。食べたあとに体調が変わったときは、医療機関に相談してください
なお、シミの死骸やフンがアレルギーの原因になるかどうかについては、今回確かめた自治体や研究機関の資料では裏付けが取れませんでした。くしゃみや咳、皮膚のかゆみが続くときは、虫の種類を決める前に医療機関に相談してください。
なぜ家に出るのか:湿気・暗さ・ほこり
湿気の多い場所を好む
家の中でいえば、押し入れ・クローゼットの奥、本棚の裏、段ボールを積んだ物置、洗面所や浴室のまわりが、暗くて湿気がこもりやすい場所です。シミを何度も見かける部屋では、まずこうした場所に湿気とほこりがたまっていないかを確かめてください。
段ボールや古紙と一緒に持ち込まれることも
東京文化財研究所は、ニュウハクシミが博物館の資料や梱包資材に付いて、資料の移動とともに分布を広げていると考えられるとしています。段ボールはシミにとって住みやすい場所なので、通販の段ボールや古本、古い書類を家の中にためておくと、すみかとえさの両方を用意することになります。
温度と湿度の数字について
シミ類で温度・湿度の数字がはっきり示されているのは、研究が進んでいるニュウハクシミです。東京文化財研究所によると、ニュウハクシミは10℃以下、または相対湿度43%以下の環境で死滅することが確認されています。講演録では、相対湿度58%でも生存できる一方、43%では2週間ほどで死んでしまうと説明されています。
ただし、これは博物館や文書館の収蔵庫を管理するための研究で、人が暮らす部屋をこの湿度に保つことを勧めるものではありません。家庭で家の中によく出るヤマトシミやセイヨウシミについて、何℃・何%なら増えないかを示した資料は、今回確かめた範囲では見つかりませんでした。家庭では、湿気のこもる場所を作らないことを目標にしてください。
減らす手順
東京都と新宿区の資料は、シミとチャタテムシについて、通風と乾燥、掃除などの環境対策が基本としています。東京文化財研究所も、ヤマトシミとセイヨウシミについて、定期的に清掃してきれいな状態に保つこと、爆発的に増えることはまれで予防的な方法で管理できることを挙げています。殺虫剤より先に、すみかとえさを減らします。
1. 見つけた場所のまわりを掃除する
ほこり、髪の毛、糸くず、虫の死骸もえさになります(東京文化財研究所)。シミを見つけた場所から順に、すき間のほこりを取り除きます。
- 本棚・押し入れ・クローゼットの中の物を出す
- 棚板の奥、隅、床と壁の境目のほこりを掃除機で吸い取る
- 乾いた布で拭き、しばらく扉を開けて乾かす
- 物を戻す前に、不要な紙類や段ボールを減らす
東京文化財研究所は、セイヨウシミとマダラシミについて、資料そのものに殺虫処理をしてもあまり効果がなく、ほこりを取り除く清掃を徹底することを勧めています。
2. 湿気をこもらせない
窓や押し入れの結露、カビも、湿気がこもっているサインです。結露とカビの減らし方はチャタテムシ対策と共通なので、チャタテムシとは?の「場所別の減らし方」も参考にしてください。
3. 本・書類・衣類のしまい方を変える
新宿区は虫干しを「日光に当てて」としていますが、ウェザーニュースの殺虫剤メーカーへの取材記事は、書籍や掛け軸は直射日光で変色することがあるとしています。大切な本は、日陰で風を通す方法から始めてください。
4. 殺虫剤を使うとき
シミを見つけるたびに追いかける必要はありませんが、どうしても退治したいときは殺虫剤を使えます。
- 製品の表示で「シミ」が対象に入っているかを確かめる:ウェザーニュースの殺虫剤メーカーへの取材記事は、パッケージの適用害虫に「シミ」と書かれた不快害虫用スプレーを使う方法を紹介しています。近くから吹きかけると虫が飛ばされてしまうことがあるので、少し離して使うよう勧めています。不快害虫用のスプレーでも、製品によって対象の虫が違います
- 壁ぎわ・通り道に使う:東京文化財研究所は、ニュウハクシミについて、ピレスロイド系の殺虫剤を壁際に散布すると効果があったとしています。ただし、本や書類などの資料そのものには使えないとしています
- 本・衣類・食品・食器にはかけない:薬剤がかからないよう、しまうか覆ってから使います
殺虫剤で見える虫を減らしても、湿気とほこり、段ボールが残っていればまた出てきます。上の1〜3と組み合わせてください。
5. 毒餌剤とトラップについて
東京文化財研究所は、マダラシミとニュウハクシミについて、アリ用の毒餌剤(ベイト剤)で飼育していた集団が死滅したという研究を紹介しています。ただし、これは研究機関の飼育試験の結果です。家庭で毒餌剤を使うときは、製品の表示で対象の虫と置き方を確かめ、子どもやペットの手が届かない場所に置いてください。
粘着トラップは、シミがどこを通っているか、減っているかを確かめるのに使えます。東京文化財研究所の講演録は、粘着トラップを一年中置きっぱなしにすると、かかった虫が別の害虫のえさになることがあると注意しています。ときどき見て、虫がたまったら取り替えるようにしてください。
シミを見かけた場所のまわりで、黒い粒やシミのような汚れが固まっているときは、ゴキブリのフンのこともあります。見分け方は次の記事にまとめています。
自分で減らせないときの相談先
シミは、掃除と湿気対策で減らせることが多い虫です。それでも、次のような場合は相談先を変えてください。
業者に相談するときは、見つけた虫の写真、見つけた場所と時間帯、数、本や衣類の被害の写真を用意しておくと、話が早く進みます。
よくある質問
Q.シミは人を刺したり咬んだりしますか。
今回確かめた東京都・新宿区・名古屋市と東京文化財研究所の資料には、シミが人を刺す・咬むという記述はありませんでした。東京都の資料は「大きな害はありません」としています。資料に書かれている被害は、紙や本、布、食品を食べることと、フンによる汚れです。寝ている間に刺されるときは、ダニやノミ、トコジラミなど別の虫を疑ってください。
Q.シミを1匹見つけました。たくさんいるのでしょうか。
1匹だけで、たくさんいるとは言えません。ただ、シミは暗い場所やすき間を好み、夜に活動するので(東京文化財研究所、殺虫剤メーカーへの取材記事)、見えないところにほかの個体がいることもあります。見つけた場所のまわりの押し入れ、本棚の裏、段ボールを確かめ、ほこりと湿気を減らしてください。
Q.シミは本をどのくらい食べますか。
紙の表面をなめるように浅く食べ、本の中まで穴をあけることはないとされています(文化財虫菌害研究所、東京文化財研究所)。東京文化財研究所の講演録では、爆発的に増えるわけではないものの、同じ場所に長くいて時間をかけて被害を出すとされています。大切な本は、桐の箱やふたの閉まるケースにしまってください。
Q.シミは何年生きますか。
資料によって違います。ヤマトシミの寿命は7〜8年(文化財虫菌害研究所)、4年あまり(世界大百科事典)、数年間生きる場合が多い(東京文化財研究所)とされています。えさがない状態でも1年以上生きるとされています(文化財虫菌害研究所)。
Q.冬になればいなくなりますか。
活発に動くのは、暖かく湿気の多い梅雨から夏です(殺虫剤メーカーへの取材記事、文化財虫菌害研究所)。ただし寿命が長いので、冬に見かけなくなっても、家の中のすき間で生きていることがあります。冬のうちに押し入れや本棚の掃除と、段ボール・古紙の整理を済ませておくと、次の夏に出る数を減らしやすくなります。
まとめ
まとめ
押し入れ・本棚・段ボールのまわりにいる1cm前後の銀色っぽい虫で、翅がなく、お尻に3本の長い毛があるなら、シミ(紙魚)の可能性があります。
- 見分ける:1mmほどの白〜薄い茶色の虫ならチャタテムシ、うろこと尾の毛が無い平たい虫ならゴキブリの幼虫、脚がとても長い3cmほどの虫ならゲジ
- 害:人を刺す・咬む、病気をうつすという記述は、確かめた資料には無い。被害は、本・糊を使った紙・衣類・食品を食べることとフンの汚れ
- 原因:暗くて湿気がこもり、ほこりや紙類がたまった場所に出る。段ボールはすみかになる
- 減らす:すき間のほこりを掃除する。押し入れや本棚に風を通し、除湿する。不要な紙類と段ボールを減らし、大切な本や衣類はふたの閉まるケースや桐の箱へ
- 薬剤:殺虫剤は適用害虫に「シミ」とある製品を、本・衣類・食品にかからないように使う。トラップは置きっぱなしにせず、ときどき替える
- 相談:出続けるときは保健所、建物の湿気や水漏れは管理会社、荷物が多くて手が回らないときは専門業者へ
シミは爆発的に増えることがまれな虫です。殺虫剤より先に、ほこりと湿気、紙類を減らして「すみにくい部屋」にすることを優先してください。
脚の長い虫を家の中で見かけたときは、次の記事で見分け方を説明しています。
ごまみたいな小さい虫が家にいる|シバンムシかを場所と形で見分け、発生源の食品を探す手順