ゴキブリの冬対策|越冬する卵鞘と幼虫を秋冬のうちに減らし、翌夏の発生を抑える手順 | 害虫害獣駆除ナビ本記事にはプロモーションが含まれます。
ゴキブリの冬対策|越冬する卵鞘と幼虫を秋冬のうちに減らし、翌夏の発生を抑える手順
公開 ゴキブリ
10月を過ぎると、台所でゴキブリを見かけることがぐっと減ります。けれど、いなくなったわけではありません。川崎市の解説は、ゴキブリは冬眠せず、冬は活動が抑えられて人目につかなくなるだけだとしています。冷蔵庫の裏や家電のすき間など、暖かい場所で、卵の入ったケース(卵鞘:らんしょう)や幼虫が春を待っています。
秋から冬は、ゴキブリの数がいちばん少なく、動きも鈍い時期です。新潟市の案内は、この時期の対策を「来年に備えて」「生き残りを越年させないように」と位置づけています。夏に1匹ずつ追いかけるより、冬のうちに「残っている元」を減らすほうが、翌年の手間が小さくなります。
この記事では、自治体とメーカーの公開情報をもとに、次の4つを順に整理します。
- ゴキブリは家のどこで、どんな姿で冬を越しているのか
- 卵鞘の見つけ方と、見つけたときの処分のしかた
- 毒餌剤(ベイト剤)をどこに置き、いつ取り替えるか
- 外から入ってくる道を、冬のうちに塞ぐ
ゴキブリは冬眠しない——どこで、どんな姿で冬を越すのか
ゴキブリは、冬のあいだ眠っているわけではありません。大阪市淀川区の案内は、休眠はせず、冬はいろいろな段階(卵・幼虫・成虫)で物陰に潜んで越冬すると説明しています。寒さに比較的強く、北は北海道の人家にまで住み着いているとしています。
潜む場所は、「暗い・狭い・暖かい・水がある」場所です。川崎市は、調理台の引き出し、流し台の周辺、冷蔵庫の裏、電化製品の中にも巣を作ると書いています。新潟市も、温かい所の例として「台所のレンジ周辺や冷蔵庫の裏付近、電化製品のすき間」を挙げています。冬に暖房の効いた部屋の家電まわりが、ちょうどこの条件にそろいます。
種類によって冬の越し方が違う
この記事の作成方針
複数の駆除事業者が公表している料金表と、環境省・自治体の公開情報をもとに作成しています。掲載している費用は目安であり、実際の金額は建物の構造・地域・被害状況により変動します。
家で見かける主なゴキブリは、大きな黒いクロゴキブリと、小さな茶色いチャバネゴキブリです。冬の対策の考え方が少し違うので、まずどちらかを見分けます。
- クロゴキブリ:卵鞘を物陰に貼り付けていくので、卵鞘を探して取り除く作業に意味があります。屋外から入ってくることも多いので、侵入口を塞ぐ作業も効きます
- チャバネゴキブリ:卵鞘はメスが持ち歩くので、落ちている卵鞘を探してもあまり見つかりません。暖房の効いた室内で冬も繁殖を続けるので、毒餌剤で親を減らすほうが中心になります
冬なのに小さな茶色いゴキブリを昼間も見かける、という場合はチャバネゴキブリの可能性が高く、すでに室内で定着しているおそれがあります。後半の「業者に相談する線」も確認してください。
秋冬にやる対策の全体像
新潟市と広島市(アース製薬の監修)は、どちらも1年を通した駆除の時期を示しています。秋冬の位置づけをまとめると、次のとおりです。
秋冬の作業は、次の4つです。順番に意味があります。
- 潜み場所を見て、卵鞘を取り除く(いま残っている「元」を減らす)
- くん煙剤を使うなら、卵がかえるころにもう一度(卵鞘には薬剤が効きにくい)
- 毒餌剤を通り道に置き、期限を記録する(取り逃した親と、かえった幼虫を減らす)
- 侵入口を塞ぐ(春に外から入ってくる道を先に断つ)
手順1:潜み場所を見て、卵鞘を探す
卵鞘とはどんなものか
ゴキブリの卵は、1つずつではなく、卵鞘という硬いケースにまとめて入っています。川崎市はこれを「がまぐち状の固い袋」と表現しています。川崎市の資料では、クロゴキブリの卵鞘は長さ12mmほどで、こげ茶〜黒っぽく、つやのある俵のような形をしています。
大阪市の解説は、卵鞘は引き出しの裏側、カーテンなどの物陰、すき間、くぼみに産みつけられるとしています。千葉市は、クロゴキブリは物陰に唾液で貼り付けると説明しています。軽く触っても落ちないことがあるのは、このためです。
縦に割れ目が開いていて中が空っぽのものは、すでに幼虫がかえった後の殻です。殻が見つかった場所の近くには、幼虫が潜んでいると考えてください。
冬に見るべき場所
暖房を使う季節は、熱を出す家電のまわりが特に要注意です。次の表の上から順に見ていきます。
川崎市は、ゴキブリは電化製品の中にも巣を作ると書いています。ただし、家電を自分で分解したり、中に殺虫スプレーを吹き込んだりするのはやめてください。故障や事故の原因になりえます。家電の中については、外側のすき間や吸気口のまわりを掃除し、近くに毒餌剤を置く、という対策にとどめます。気になる場合は、メーカーの窓口に相談してください。
糞(黒い点や小さな粒)や、壁の角にこすれたような黒いシミが固まっている場所は、ゴキブリがよく通る場所です。卵鞘が見つからなくても、そこは次の毒餌剤の置き場所の候補として覚えておきます。
手順2:見つけた卵鞘を処分する
アース製薬は、ゴキブリの卵はセメントのように硬い殻(卵鞘)に守られていて、薬剤をはじいてしまうと説明しています。殺虫スプレーを吹きかけても、中の卵まで届くとは限りません。見つけた卵鞘は、物理的に取り除いて捨てます。
- 使い捨ての手袋をつける
- ティッシュやキッチンペーパー越しにつまむ。貼り付いて取れないときは、ヘラやカードの角で下からはがす
- 小さなポリ袋に入れ、袋の上から押しつぶす
- 袋の口を縛り、さらにもう1枚の袋に入れて、自治体の分別に従って捨てる
- 貼り付いていた場所を拭き、手を洗う
掃除機で吸い取る方法もありますが、吸った卵鞘が紙パックやダストカップの中でかえるおそれがあります。吸った場合は、すぐに中身を袋に移して口を縛って捨ててください。
卵鞘を1つ見つけたら、近くに別の卵鞘や幼虫がいることを前提にします。千葉市の解説では、クロゴキブリは生涯に20〜30回産卵するとしています。1つ取り除いて終わりにせず、同じ場所の周辺を一通り見てください。
手順3:くん煙剤を使うなら、卵がかえるころにもう一度
すき間に潜んでいる成虫と幼虫をまとめて減らすには、部屋全体に薬剤を行き渡らせるくん煙剤(煙や霧が出るタイプ)が使えます。広島市とアース製薬の案内では、越冬期にあたる11月中旬が推奨時期の1つです。
ただし、くん煙剤も卵鞘の中には届きにくいので、1回で終わらせないのがポイントです。
広島市の案内は、くん煙剤を使うときの注意として、次の点を挙げています。
- 戸棚や引き出しの扉を開けて、ゴキブリが煙から逃げられないようにする
- 食器には新聞紙などをかぶせる
- 精密機械(パソコン・テレビなど)、金属製品、食品、火災報知器・ガス漏れ警報器にはカバーをする(薬剤の種類によって異なる)
- 植物やペットは外に出す。魚の水槽は、外に出せないときはエアーポンプを止めて水槽ごと袋で覆い、密閉する
- すべての部屋で同時に使うと、逃げ場がなくなる
使った日をメモしておき、2回目の日をカレンダーに入れておくと、忘れずに済みます。くん煙剤の細かい使い方は製品ごとに違うので、必ず製品の表示に従ってください。
手順4:毒餌剤を通り道に置き、交換時期を決めておく
くん煙剤は使ったその時に効く薬剤です。取り逃した親や、後からかえった幼虫には、置いておくだけで効き続ける毒餌剤(ベイト剤)を組み合わせます。広島市の案内も、くん煙剤の直後はゴキブリの活動が高まるので、毒餌剤・捕獲器が生き残りに効果があるとしています。
置き場所
ゴキブリには、壁や物の隅に沿って歩く性質があります(大阪市の解説の「隅走行性」)。毒餌剤は部屋の真ん中ではなく、通り道の隅に置きます。
屋外の置き場所は、アース製薬の案内が、屋外が寒くなる**9月〜11月の「巣ごもり対策」**として挙げているものです。寒くなると、外にいたゴキブリが暖かい家の中に入ろうとするので、入り口の手前で減らしておく、という考え方です。屋外に置くときは、雨に当たっても使える屋外用の製品を選びます。
広島市の案内は、毒餌剤・捕獲器は一度にたくさん置くのが効果的だとしています。ある製品の表示では、目安は10㎡(約6畳)あたり1〜2個です。必要な数は製品で違うので、パッケージの目安に従ってください。
- 毒餌剤のまわりに、ほかの食べ物(食べこぼし、生ごみ)を置かない。大阪市の解説も、他の食べ物を出しておかないようにしたうえで通り道に置くよう説明している
- 小さな子どもやペットが触れない場所に置く
- 容器から中身を出さず、そのまま使う
交換時期
毒餌剤の効き目には期限があります。ある製品の表示では、効果の持続は約1年(使用環境により異なる)です。一方で、粘着シートなどの捕獲器について、広島市の案内は月1回交換するよう勧めています。
いつ置いたかが分からなくなるのが、いちばんよくある失敗です。置いた日を容器に油性ペンで書いておくと、交換を忘れません。秋に置いたものは、翌年の秋の同じ時期にまとめて取り替える、と決めておくと管理が楽になります。
手順5:冬のうちに侵入口を塞ぐ
家の中の「元」を減らしても、春になると外から入ってきます。寒くてゴキブリの動きが鈍い冬は、外まわりの作業をするのに向いた時期です。
広島市とアース製薬の案内は、侵入を防ぐ方法として次のものを挙げています。
- ドレンホースのカバーは、水が流れる状態を保つ:先をふさいでしまうと、室内機から水があふれる原因になります。網目のあるカバーを選びます
- すき間パテは、配管と壁の間を一周埋める:流し台の下の扉を開けて、床や壁から配管が出ているところを見ます。隙間が光で透けて見えるなら、そこが通り道です
- ベランダとプランターを片付ける:プランターの下や置きっぱなしの物の陰は、屋外のゴキブリが冬を越す場所になりえます。冬のあいだに整理しておくと、春に家の近くで増えるのを防げます
冬にやりがちな失敗
業者に相談する線
次のどれかに当てはまったら、自分での対策を続けるより、専門業者に相談するほうが確実です。
- 冬なのに、昼間にも姿を見かける:暖かい室内で繁殖が続いている可能性がある
- 小さな茶色いゴキブリ(チャバネゴキブリ)を繰り返し見る:卵鞘を持ち歩くので、自分で卵鞘を取り除く対策が効きにくい
- 卵鞘や殻が、家の何か所からも見つかる
- くん煙剤と毒餌剤を組み合わせても、数週間たって減らない
- 集合住宅で、自分の部屋だけ対策しても隣や共用部から入ってくる:管理会社や大家さんへの相談も合わせて行う
業者によって、薬剤を1回まいて終わりの作業もあれば、発生源を調べて毒餌剤を中心に何回か管理する作業もあります。見積もりを取るときにどこを比べればよいかは、害虫駆除業者の選び方にまとめています。料金が面積や設置数でどう決まるかは、害虫駆除料金の仕組みで説明しています。
よくある質問
Q.冬にゴキブリを1匹見かけました。もう家に住み着いているのでしょうか。
可能性はあります。ゴキブリは冬眠せず、冬は暖かい場所に潜んで活動を抑えているだけです。冬に見かけたということは、近くに暖かく水のある潜み場所があるということです。冷蔵庫や電子レンジの下、流し台の下を見て、卵鞘や糞がないか確かめ、通り道に毒餌剤を置いてください。小さな茶色いゴキブリを昼間も見るようなら、業者への相談も考えてください。
Q.ゴキブリの卵鞘には殺虫剤が効きますか。
効きにくいと考えてください。アース製薬は、ゴキブリの卵は硬い殻(卵鞘)に守られていて薬剤をはじいてしまうと説明しています。見つけた卵鞘は手袋をしてつまみ取り、袋に入れてつぶし、口を縛って捨てます。くん煙剤を使う場合は、卵がかえる2〜3週間後にもう一度使うよう案内されています。
Q.毒餌剤は冬も置いたままでいいですか。
置いたままで構いません。冬も室内の暖かい場所でゴキブリは生きているので、通り道に置いておく意味があります。新潟市の案内も、毒餌を11月ごろまで設置して生き残りを越年させないよう勧めています。製品に書かれた効果の持続期間を過ぎたら、新しいものに取り替えてください。置いた日を容器に書いておくと管理が楽です。
Q.秋冬にくん煙剤を使う意味はありますか。
あります。広島市とアース製薬の案内は、くん煙剤の推奨時期の1つを越冬期にあたる11月中旬としています。数が少なく動きの鈍い時期に、すき間に潜んでいる成虫や幼虫を減らしておくと、春以降の発生を抑えやすくなります。卵鞘の中の卵には効きにくいので、2〜3週間後にもう一度使い、毒餌剤も合わせて置いてください。
まとめ
まとめ
ゴキブリは冬眠せず、冷蔵庫の裏や家電のすき間など暖かい場所で、卵鞘や幼虫の姿で冬を越しています。数が少なく動きの鈍い秋冬のうちに「元」を減らしておくと、翌夏の発生を抑えやすくなります。
- 冷蔵庫・電子レンジの下、流し台の下、引き出しの裏などを見て、卵鞘を探す
- 卵鞘は薬剤が効きにくいので、手袋をして取り除き、袋に入れてつぶして捨てる
- くん煙剤を使うなら、卵がかえる2〜3週間後にもう一度使う
- 毒餌剤を通り道の隅と、玄関・室外機・ベランダのまわりに置き、置いた日を書いておく
- ドレンホースのカバー、配管のすき間のパテ埋め、換気扇のカバーで、春に入ってくる道を塞ぐ
冬でも昼間に見かける、小さな茶色いゴキブリを繰り返し見る、対策しても減らない場合は、業者に相談する段階です。