蜂の巣は市役所に頼める?|無料で駆除する市・防護服を貸す市・補助金の市を8自治体で比べる | 害虫害獣駆除ナビ本記事にはプロモーションが含まれます。
蜂の巣は市役所に頼める?|無料で駆除する市・防護服を貸す市・補助金の市を8自治体で比べる
公開 ハチ
この記事の作成方針
複数の駆除事業者が公表している料金表と、環境省・自治体の公開情報をもとに作成しています。掲載している費用は目安であり、実際の金額は建物の構造・地域・被害状況により変動します。
② 道具を貸す
| ③ 費用を補助する | 業者に払った駆除費の一部を後から補助する | 業者探し、代金の全額立替え、申請 |
| ④ 相談・業者の案内だけ | 対処法の説明、専門業者の団体の案内 | 業者探しと費用の全額 |
①〜③を組み合わせている自治体もあります。たとえば「スズメバチは無料で駆除、アシナガバチは道具を貸す」という形です。逆に、④だけで、特定の業者の紹介もしない自治体もあります。
8自治体の実例(2026年10月時点)
このほか、仙台市(政令市)は駆除業者への依頼(有料)を案内し、県のペストコントロール協会のホームページを参考にするよう勧めています。堺市(政令市)・浜松市(政令市)・盛岡市(中核市)は、巣の駆除も費用の助成も行っていないと明記しています。
- 大きな市ほど駆除してくれる、とは限らない。 今回見た政令市(横浜・川崎・広島・千葉・仙台・堺・浜松)は、どこも市が巣を取り除く仕組みを案内していませんでした。無料で駆除していたのは、中核市の船橋市と特別区の世田谷区です
- 無料の対象は「スズメバチ」「露出した巣」「手の届く高さ」に絞られる。 屋根裏や壁の中の巣、高い場所の巣は、無料の自治体でも対象外になりやすいです
- 貸してくれるのは道具だけ。 防護服を借りても、作業と事故の責任は自分にあります。川口市の要綱も広島市の案内も、事故について市は責任を負わないとしています
無料で駆除してもらえる条件(船橋市・世田谷区の例)
無料駆除がある自治体でも、条件から外れると有料になったり、断られたりします。電話の前に、次の条件を自分の巣に当てはめてみてください。
船橋市は、ハチの種類が分からない場合も受け付けますが、スズメバチ以外だった場合は有料になります。また、駆除できなかったときやキャンセルしたときは、出張調査の費用(5,000円〜10,000円、状況によってはそれ以上)がかかるとしています。
つまり、「とりあえず市に来てもらう」のではなく、種類・場所・高さを先に確かめてから申し込むほうが、無駄な費用を払わずに済みます。
防護服を借りる・補助金を使うときの注意
防護服の貸出
防護服を貸す自治体は多いですが、借りる前に次の点を確かめてください。
- 貸出期間が短い。 川口市は3日(閉庁日を除く)です。作業する日を決めてから借りに行きます
- 貸出中のことがある。 川崎市は、時期によっては貸出中のことがあるので、事前に電話するよう案内しています
- 防護服は刺されないことを保証しない。 広島市は、防護服がハチの針の貫通を保障するものではないと明記しています
- 返すときは清掃・消毒する。 川口市の要綱では、借りた人が清掃・消毒して返します。壊したりなくしたりしたら弁償です
防護服があっても、スズメバチの大きな巣を自分で取るのは別の話です。後の「自分で駆除してよい条件」を先に読んでください。
駆除費用の補助
補助金は「後払い」です。西東京市の例では、次の順番になります。
- 業者に見積もりを出してもらい、金額を確認してから依頼する
- 駆除が終わったら、代金を業者に全額払う
- スズメバチの巣の駆除だと分かる領収書を付けて、市に申請する
- 後日、指定の口座に補助金が振り込まれる
補助は駆除費の半額で、巣1個あたり1万円が上限です。たとえば駆除費が3万円なら、補助は1万円で、残りの2万円は自己負担になります。ハチが出入りしていない空の巣は対象外で、年度の予算に達すると受付が終わります。
同じ補助でも、仕組みが逆の自治体があります。群馬県桐生市は、駆除の前に市へ申し込み、市の指定業者が駆除した場合だけ補助の対象です。補助は市と指定業者が結んだ協定額の2分の1で、協定額18,000円なら補助9,000円、自己負担9,000円という例が示されています。天井裏など特殊な作業は自己負担で、アパートや貸家など賃貸の住宅にできた巣は対象外です。
先に業者を呼んでしまうと、桐生市のような「事前申し込み・指定業者」型の制度は使えなくなります。業者に連絡する前に、補助の条件を市のページで確かめてください。
まずハチの種類を見分ける
市役所の対応も、自分で駆除してよいかどうかも、ハチの種類で決まります。巣には近づかず、離れた場所から形を見てください。
- スズメバチの中でも危険度は違います。 仙台市の案内では、オオスズメバチは最も攻撃性があり危険、キイロスズメバチは攻撃性があり住宅環境に適応しやすい、コガタスズメバチは巣をいたずらしない限り刺されることは少ない、としています
- ミツバチの群れは、巣とは限りません。 浜松市は、分蜂で群がっていても、必ずしもその場所に巣を作るわけではなく、一時的な休憩で数時間〜数日程度で移動することが多いと説明しています。慌てて駆除を頼む前に、少し様子を見る選択肢があります
- 「カチカチ」という音は警告です。 千葉市は、スズメバチがカチカチと音を立ててまとわりついてきたら、巣が近くにあり「近づくな」と警告しているとしています。静かにその場を離れてください
種類が分からないときは、巣の写真を離れた場所から撮っておくと、市役所や業者に相談するときに役立ちます。
秋(9〜10月)のスズメバチは特に危ない
ちょうど今の時期(10月)は、スズメバチの巣に近づくのが最も危ない時期の一つです。仙台市は、スズメバチの危険度を時期ごとに次のように示しています。
千葉市も、夏から秋にかけてはスズメバチの巣が大きくなり、働きバチの数も増えて攻撃性が高まり大変危険だとしています。世田谷区は、晩夏から秋のスズメバチは巣が大きくなり攻撃性も高まるので保健所に相談するよう案内しています。
反対に、早い時期なら話は違います。横浜市は、4月から6月の最初の働きバチが羽化するまでは女王バチ1匹で巣作りをしている時期で、この間に見つければ比較的安全で費用も安く駆除できるとしています。世田谷区も、4〜5月ごろの初期の巣(直径約6cm)は駆除しやすいとしています。
9〜10月に見つけた巣は、大きさにかかわらず自分で手を出さないと決めておくのが安全です。刺されたときについて仙台市は、症状が重いときは一刻も早く病院で手当てを受けること、以前刺されたことがある人やアレルギー体質の人はアナフィラキシーショックで死亡することがあることを注意しています。
窓口の探し方
ハチの担当は「保健所」や「生活衛生」の課であることが多いですが、環境の課が担当する自治体もあります。今回見た自治体の担当は次のとおりです。
探すときは、自治体のサイト内検索で「ハチ」「スズメバチ」と入れるのが早道です。「よくある質問」のページに答えが載っていることも多いです。分からなければ、代表番号に電話して「自宅の蜂の巣のことで相談したい」と伝えれば、担当の課につないでもらえます。
市の公園や道路、学校など、市が管理する場所の巣は、それぞれの施設や管理する課が対応します(千葉市・船橋市)。自分の敷地の巣とは窓口が違います。
市役所に電話する前に確かめること・電話で伝えること
無料駆除の条件に合うかどうかは、電話で聞かれる内容で判断されます。巣に近づかずに分かる範囲で、次のことをメモしておきます。
賃貸住宅の場合は、市役所より先に管理会社か大家さんに連絡するのが基本です。共用部の巣は管理側が手配することが多く、自分で業者を呼ぶと費用の負担でもめることがあります。
自分で駆除してよい条件・避けるべき条件
市役所が駆除しない場合、「道具を借りて自分で取る」か「業者に頼む」かを選ぶことになります。自治体の案内をもとに、線を引くと次のとおりです。
広島市は、巣が人の握りこぶしより大きい、ハチの数が多い、屋根裏など駆除しにくい場所にある場合は、無理をしないで専門業者に頼むよう勧めています。また、スズメバチは巣の出入り口からおおむね4mの範囲が特に危険だとしています。横浜市は、アシナガバチはスズメバチより攻撃性が弱く巣に刺激を与えなければ危険はない一方、スズメバチは専門業者に頼むよう勧めています。
自分で駆除する場合に、世田谷区が示している方法は次のとおりです。
- 夜に行う:日没後2時間以降。ハチが巣に戻って動きが鈍い時間です
- 服装:ハチが反応しにくい白っぽい服で、長袖・長ズボン・帽子をつけ、肌を出さない
- やり方:市販のスプレー式殺虫剤を、20秒くらい長めに巣全体にかける
一つでも右の列に当てはまるなら、自分での駆除はやめてください。特に、今の時期(秋)のスズメバチの巣は、防護服を借りても自分で取らないほうが安全です。
市役所の対応外だったときの次の手順
市が駆除してくれない場合、業者に頼むことになります。多くの自治体は特定の業者を紹介しませんが、業者の団体を案内している自治体はあります(横浜市・川崎市は神奈川県ペストコントロール協会、堺市は大阪府ペストコントロール協会、千葉市は千葉県害虫防除協同組合)。お住まいの都道府県の協会のページから、近くの業者を探す方法もあります。
- 補助金の有無を確かめる:後から申請できない制度もあります。指定業者に限る制度もあるので、依頼前に確認します
- 見積もりを取って比べる:仙台市・浜松市は、複数の業者に相談して費用を確かめてから依頼するよう勧めています
- 見積もりの中身を見る:ハチの巣の料金は、巣の高さや場所、種類、大きさで変わります。高所作業の割増や、巣を取った後に戻ってきたハチの扱いが含まれているかを確かめます
業者を選ぶときの判断軸は、次の記事にまとめています。
なお、ハクビシンやアライグマなど害獣の駆除で使える自治体の補助制度は、害獣駆除に補助金・助成金はある?で整理しています。ハチとは制度の仕組みが違うので、混同しないようにしてください。
よくある質問
Q.市役所に電話すれば、蜂の巣を無料で取ってもらえますか。
自治体によります。船橋市や世田谷区のように条件付きで無料で駆除する自治体がある一方、横浜市・川崎市・広島市・千葉市など、市では巣を駆除せず、防護服の貸出や業者の案内だけを行う自治体も多くあります。無料の場合も、対象はスズメバチ、露出した巣、決まった高さ以内などの条件があります。
Q.アシナガバチやミツバチの巣も取ってもらえますか。
無料駆除の対象をスズメバチに限る自治体が多く、アシナガバチやミツバチは対象外になりやすいです(世田谷区はアシナガバチも対象)。船橋市では、種類が分からずに申し込んで、スズメバチ以外だった場合は有料になります。ミツバチの群れは分蜂で一時的に集まっているだけのこともあり、数時間〜数日で移動することが多いと浜松市は説明しています。
Q.防護服を借りれば、スズメバチの巣を自分で取ってもいいですか。
おすすめしません。広島市は、防護服がハチの針の貫通を保障するものではないとしています。巣が握りこぶしより大きい、ハチの数が多い、駆除しにくい場所にある場合は、専門業者に頼むよう勧めています。特に夏から秋は巣が大きく攻撃性も高まる時期です。
Q.補助金は、業者に払った後でも申請できますか。
自治体によります。西東京市の制度は、業者に全額払った後に領収書を付けて申請する後払いの仕組みです(年度の予算に達すると受付終了、年度をまたいだ申請は不可)。一方、桐生市は駆除の前に市へ申し込み、市の指定業者が駆除した場合だけが対象です。業者に連絡する前に、必ず条件を確かめてください。
Q.秋に見つけた巣は、冬まで待てばいなくなりますか。
仙台市の案内では、スズメバチの危険度は12月以降に「無」になります。人が通らない場所の巣なら、近づかずに冬を待つ選択肢もあります。ただし、玄関や通路など人が近づく場所にある巣は、待つ間に刺される危険があるので、市役所か業者に相談してください。
まとめ
まとめ
蜂の巣を市役所に頼めるかどうかは、自治体とハチの種類で決まります。対応は4つの型に分かれます。
- 無料で駆除(船橋市・世田谷区など):スズメバチ、露出した巣、決まった高さ以内などの条件付き
- 道具を貸す(横浜市・川崎市・広島市・川口市など):作業と事故の責任は自分
- 費用を補助(西東京市など):業者に払った後に申請する後払い。上限がある
- 相談・業者の案内だけ(千葉市・仙台市・堺市など)
電話の前に、ハチの種類、巣の場所と高さ、大きさ、ハチが出入りしているか、建物の持ち主を確かめておきます。
9〜10月はスズメバチの巣が大きく、攻撃性が高い時期です。スズメバチの巣、握りこぶしより大きい巣、高い場所や見えない場所の巣は、自分で取らずに市役所か業者に相談してください。